このページは、「2026年度ブログ」のページです。
埼玉県立歴史と民俗の博物館のスタッフが、博物館のイベントや大宮公園の様子、日々の業務から感じたことなどを皆様にお伝えしていきます。各スタッフが自分の言葉で語りますので、ややつたない表現になることもあるかもしれませんが、大目に見ていただければ幸いです。
| 開催中! 特別展「埼玉の宝物~人々が守り伝えた文化財~」 |
令和8年5月6日(水・振休)まで開催している特別展「埼玉の宝物~人々が守り伝えた文化財~」を紹介します
まずは今回の展覧会について紹介する前に当館について少しお話する必要があります。
当館実は...平成18年に県立博物館と岩槻にあった県立民俗文化センターが統合して、4月で20周年を迎えました
このことを記念して、県内にある国・県指定の文化財を集めた展覧会を開催しました。
ちなみに、県立博物館時代には複数回、指定文化財展を行っていますが、歴史と民俗の博物館として、各専門を横断する指定文化財展は初めてになります。また、今回対象としているのは過去の指定文化財展以降に指定されたものということで、平成11年度以降に指定されたものが展示されています。
展示の対象となっている指定文化財には様々なかたちがあります。
例えば、仏像や古文書、土器など形のある文化財は、有形文化財。
歌舞伎や陶器の制作技術など形として存在しないものを無形文化財と呼びます。
その他にも私たちの生活の推移を知るものとして民俗文化財があり、これも仕事道具や農具など形のあるものを有形民俗文化財、
祭礼や民俗工芸の技術など形として存在しないものを無形民俗文化財と呼んでいます。
また、史跡や天然記念物など自然の中に存在しているものを記念物としています。
前置きはこのくらいにして、まず指定文化財展ならではの話をしていきます。
展示室の入口にいくと「特別展 埼玉の宝物」と書かれた幕が登場します。
そこから奥の方をみてみるとなにやら大きい仏像が...
仏像の正体は越生町の「五大尊」で知られる「木造五大明王像」(県指定有形文化財・彫刻)です。
五大明王は怒りのパワーでひねくれ者を力ずくで導く明王になります。そのため、どれも目力が強かったり、武器なども持っていて圧倒されます。
その反対には大きい人物埴輪4体が対面しています。
この人物埴輪は鴻巣市の「埼玉県生出塚埴輪窯跡出土品」(重要文化財・考古資料)です。千葉や神奈川など関東各地に送られていた埴輪の製作所から出土したものです。
4体中3体は貴人(=偉い人)を表しています。
平安時代に制作された仏像と古墳時代の埴輪が対面しているのも普段の展覧会では見られない、様々な分野の資料が出ている文化財展ならではの光景です。
ここでちょっとした展示作業の話を。
展示室に展示されているこの船は、「江戸川の船大工用具と漁船」(県指定有形民俗文化財)という春日部市で船大工をしていた家の資料で、実際に使われていた船だそうです。
全長6mを超える船で、当館に収蔵されていたのですが、大きいため資料用のエレベーターでは運べず、大人数で館内を大移動させてここまで持ってきました。その日はさすがに全員ヘトヘトになりました
このほかにも明治時代以降の埼玉県の様子を伝える「埼玉県行政文書」(重要文化財・歴史資料)や旗本の生活を知る資料「稲生家文書」「稲生家資料」(県指定有形文化財・古文書/歴史資料)、かわいらしい土偶が印象的な「埼玉県後谷遺跡出土品」(重要文化財・考古資料)、武家の願いが込められた「絹本著色阿弥陀聖衆来迎図」(重要文化財・絵画)、川越氷川神社の神幸祭の付け祭として行われる山車行事「川越氷川祭の山車行事」(重要無形民俗文化財)など全30件343点の資料を展示しています。
| 【埼玉県行政文書】 | 【稲生家資料】 |
| 【埼玉県後谷遺跡出土品(ミミズク土偶)】 | 【絹本著色阿弥陀聖衆来迎図】 |
| 【川越氷川祭の山車行事(展示風景)】 |
埼玉県内の様々な分野の国・県指定の文化財を展示しましたので、埼玉県の知られざる一面を発見できるかもしれません。
ちなみに図録も平成11年度以降に指定された文化財を写真入りで一覧にしているので、もしかしたらみなさんの地元の文化財も載っているかも?
また、館内では「れきみんを巡ろう!宝探しラリー!」も実施しています
特別展の他に常設展示、ゆめ・体験ひろばに隠されたキーワードを探して合言葉を作ると景品をさしあげています。
ぜひ参加してみてください。
この機会に埼玉の魅力を再発見してみませんか?
令和8年4月16日 埼玉案内人
【展示情報】
特別展「埼玉の宝物~人々が守り伝えた文化財~」
会期:令和8年3月14日(土)~5月6日(水・振休)
時間:9:00~16:30(観覧受付は16:00まで)
グッズ:図録1600円、てんぐまい三人衆ハンドタオル400円