博物館の貴重な資料をとりまく環境

 

● 当館では複数の収蔵庫を設け、その中で貴重な資料を保管しています。
第1収蔵庫(712.8㎡) 内装を木質とし、主に仏像や掛軸などの美術工芸・歴史資料を収蔵しています。
第1収蔵庫

第2収蔵庫(604.8㎡) 県内の民俗資料を中心に収蔵しています。
第2収蔵庫
 当館は120,000点を超える資料を所蔵しており、それらを保管する収蔵庫はまさに博物館の中心部です。その収蔵庫の一番の目的は資料の保全です。
 貴重な資料を後世に伝えるため、収蔵庫はいずれも空調設備によって資料の保全に適切な温度・湿度が保たれています。また、日常的にも職員の出入りは最小限に留めるほか、入室時には靴を履きかえるなどして外気や虫・カビが侵入する機会を減らします。
収蔵棚
資料の収蔵棚。資料にはホコリが積もらないように覆いを被せています。棚には振動による落下防止のための工夫をしています。

 人とモノの出入れには細心の注意を払います。入庫の際には入退出記録簿に記入、資料の出納の際には出納簿に記入して徹底した管理を行っています。

● 貴重な資料を未来に伝えるために、当館では様々な取り組みを行っています。

資料の保存管理
IPMの様子
 博物館などでは昭和40年ごろから大規模なくん蒸によって害虫やカビの被害から資料を守ってきました。しかし、その際に使用する一部のガスがオゾン層を破壊することが分かったため、世界的に禁止の方向に進みました。これを契機として、薬剤だけに頼らずに様々な方法を組み合わせた日常的な環境管理を行うことで有害生物等による被害の低減を目指していこうという、総合的有害生物管理(IPM)の考え方が採り入れられました。 

 当館もIPMの一環として、捕虫トラップを設置して虫の数や種類を把握することで館内の環境が適切かどうかをチェックしています。また資料も定期的な点検・清掃を行い、有害生物やカビの被害予防や早期発見に努めています。

一点一点資料を取り出して開くことで風通しを行い、清掃と確認とを行っていきます。

収集した資料を収蔵庫に収める前に、付着した虫やカビなどを取り除くための消毒を行います。
当館ではくん蒸ガスと二酸化炭素を用いています。 


● 博物館施設の見学会「博物館裏方探検隊」を行っています!

埼玉県のマスコット コバトン
博物館にはまだまだいろいろな施設があります。「博物館裏方探検隊」は、普段見ることのできない博物館の裏側を見ていただき、博物館をよりよく知っていただくための企画です。

詳しくはこちらをご覧ください。