第10問の答え
【正解】 自分を目立たせるための飾り

 

背中に背負っているものは「保侶(ほろ)」というものです。(保呂・母衣とも書きます。)

文献上、はじめて登場するのは平安時代初め頃…。もともとは流れ矢から背中を守るための防具で、布を何枚か鎧にかけたものだったようです。
その後平安時代の終わりから鎌倉時代の初めごろになると、保侶は旗印(はたじるし)などと同じように自分の姿を目立たせて、戦いぶりをアピールすることで合戦の恩賞をもらいやすくするという役割が加わってきます。

この屏風絵の題材になった『平家物語』の同じシーンでは、直実は敵陣に突撃する時は保侶をかけ、休憩するために引き退く時は保侶を外した、と書いてあります。

時代が下ると保侶は布で竹籠のようなものを包んだものに変化し、より大型化していきます。色や柄も目立つものになり、防具としてよりも飾りとしての役割が、さらに大きくなっていきました。

当館所蔵 友雪筆 紙本金地着色 一の谷合戦図屏風(右)

 

→ クイズのトップページに戻る