律令時代とは、中国にならって律令が国家の政治制度の基礎になっていた時代で、7世紀後半から10世紀頃までを指します。官衙とは役所のことで、地方政治の中心であった郡の役所は、当時の記録によると郡家(ぐうけ)と呼ばれていました。現在の埼玉県域では、郡家と考えられる遺跡のほか、都と国府、郡家間をつなぐ交通網や、須恵器や瓦の生産拠点などの遺跡が多く調査されています。官衙や関連遺跡の調査成果から、律令国家による地方支配の一端を紹介します。 |
1 埼玉の官衙遺跡の調査成果が一堂に集合
埼玉県内では、これまで多くの官衙や関連遺跡が調査されてきました。政治の中心となる役所だけでなく、
交通や流通、生産に関わる遺跡など、律令体制を支えた様々な遺跡の調査成果を一度に知ることができます。
2 国指定史跡・幡羅(はら)官衙遺跡群の出土資料
深谷市と熊谷市にまたがって所在する幡羅官衙遺跡群は、郡の役所である郡家(ぐうけ)の遺跡で、平成30年
2月13日に国の史跡に指定されました。保存状況の良さから「関東の明日香村」とも評されたこの遺跡の
資料を通じて、律令時代の役所の様子を具体的に知ることができます。
3 官衙とは何か、わかりやすく説明します
遺物からだけではわかりにくい官衙や関連遺跡の姿は、復元模型やイメージ図などを用いて視覚的に
理解しやすいようにしています。官衙遺跡の特徴や、何が見つかれば官衙と言えるのかなどについて、
官衙になじみが薄い方でも基本的なことから知ることができます。
4 重要文化財、県指定文化財を含む約200点の資料を展示
美里町東山(ひがしやま)遺跡出土の瓦塔(がとう)・瓦堂(がどう)は、平安時代の集落における
仏教信仰の形がわかる資料であり、国指定重要文化財になっています。また、熊谷市西別府祭祀(にし
べっぷさいし)遺跡出土の石製模造品は、官衙周辺で行われた祭祀に使われた道具であり、県指定文化財
になっています。この他、全国的にも珍しい出土資料を含む、約200点の資料を展示します。
中宿(なかじゅく)遺跡復元正倉(深谷市) | 寄居町 末野(すえの)窯跡群出土
円面硯(えんめんけん)
(埼玉県教育委員会蔵) |
重要文化財 美里町 東山遺跡出土 瓦塔・瓦堂
(埼玉県蔵)
|
県指定文化財 西別府祭祀遺跡出土 石製模造品
(熊谷市教育委員会蔵)
|
深谷市 幡羅遺跡出土
人面線刻土製支脚
(どせいしきゃく) (深谷市教育委員会蔵) |
開館時間 9:00~16:30(観覧受付は16:00まで)
休館日 月曜日(ただし1月14日、2月11日は開館)
20名以上の団体は一般250円、高校生・学生150円
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方(付添1名含む)は無料
埼玉新聞社、テレ玉、F M N A C K 5
●学芸員による展示解説
1月12日(土)、1月19日(土)、2月2日(土)、2月16日(土)
※いずれも13:30~14:00(事前申込不要)
◆東武アーバンパークライン(野田線)大宮公園駅下車 徒歩5分
大宮方面から :大宮駅から2駅、乗車約4分
春日部方面から:春日部駅から7駅、乗車約18分
※駐車場(大宮公園との共用):18台、ほかに身障者専用駐車場2台
※周辺駐車場も公園利用のお客様で混雑しますので、なるべく公共交通機関を御利用ください。
※団体バスでお越しの場合は事前に御連絡ください。
● 周辺地図(大)
● GoogleMap
● 大型バス経路案内図
〒330-0803 さいたま市大宮区高鼻町4-219
TEL 048-645-8171 FAX 048-640-1964