●展示概要

        

 明治時代はじめ、薩長藩閥によって独占されていた政治を批判し、国会開設、地租軽減、政治的自由の拡張などを求めた国民的政治・社会運動がありました。自由民権運動です。

 自由民権運動の広がりは埼玉県にもみられます。県内各地で作られた民権結社と呼ばれるグループでは法律や政治など様々な学習、演説会が行われ、運動の気運を盛り上げました。また自由民権運動の影響を受け、経済的困窮を訴えた、近代日本最大の農民蜂起である秩父事件が起こっています。

 本年度は、本県最初期の民権結社である七名社の結成(明治8/1875年2月)から140年、秩父事件(明治17/1884年10月)から130年を数える節目の年です、これを機に、現在の立憲民主主義の源流としての自由民権運動と、そのなかで活躍した埼玉の人々の姿を、民間でつくられた憲法草案として有名な〈五日市憲法草案〉(東京都指定有形文化財)、「自由」への思いが込められた〈自由のさかずき〉(当館蔵)、秩父事件を記録した〈埼玉県行政文書〉(国指定重要文化財)など、歴史資料を中心に紹介します。

●主な展示資料(会期中展示替を予定しています。)

七名社記念写真
県立文書館蔵・中村(宏)家文書 No.689
根岸君夫画「蜂起(椋神社)」1985年
秩父市蔵
記念盃「自由のさかずき」
当館蔵
民撰議院設立建白書 序文(複製) 国立公文書館蔵
東京都指定有形文化財
日本帝国憲法〈五日市憲法草案〉
個人蔵・あきる野市中央図書館保管
錦絵 板垣君遭難之図 早稲田大学図書館蔵
辰巳屋自由亭の岡持 個人蔵
七名社約定写 県立文書館蔵・中村(宏)家文書 No.57
 その他の展示資料

 ・ペリー来航図巻 (当館蔵)
 ・位牌「福島加波山事件英霊牌」
 (祇園寺蔵)
 ・秩父事件殉職警察官の制服
 (埼玉県警察学校蔵)

                 など
八王子人形「自由の人形」 八王子市蔵
秩父暴徒関係書類(国指定重要文化財)
埼玉県行政文書 明948・県立文書館蔵
 ※画像の無断複製を禁じます。
●期間
平成27年1月2日(金)~2月15日(日) 9:00~16:30(観覧受付は16:00まで)
休館日:月曜日(ただし1月12日は開館)
●会場
埼玉県立歴史と民俗の博物館 特別展示室
●観覧料
一般400円、高校・学生200円
中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方(付添1人含む)は無料
●主催
埼玉県立歴史と民俗の博物館
●後援

埼玉新聞社、テレ玉、FM NACK5

●広報協力

東武鉄道株式会社、秩父鉄道株式会社、株式会社ジュンク堂書店大宮高島屋店

●問い合わせ
埼玉県立歴史と民俗の博物館 展示担当
〒330-0803 さいたま市大宮区高鼻町4-219
TEL 048-645-8171  FAX 048-640-1964