●展示概要

 江戸幕府は、中山道や日光道中などの五街道とその脇街道を管理するため、絵図を作成しました。それが、今日「五街道分間延絵図」といわれているものです。この街道絵図は文化3(1806)年に将軍へ1部献上されたほか、実務に供するため道中奉行所に置かれました。街道筋の情報を収集する目的で作成したことから、街道沿いの家並、橋、一里塚、並木、宿場、本陣、高札場、関所、寺社などの様子が詳細に描かれています。このため、江戸時代後期の街道の景観を知る上で第一級の資料と評価されており、将軍献上品(紅葉山文庫旧蔵資料・重要文化財)は東京国立博物館、道中奉行所旧蔵資料は郵政博物館に現在収蔵されています。

 今回の展覧会では、両館に収蔵される絵図を初めて同時公開し、その全容を明らかにするとともに、描かれた内容、画法や装丁の違いなども比較できます。さらに五街道分間延絵図から、街道や宿場はもちろん、行田・岩槻・小田原・名古屋などの城下町、江戸時代の江ノ島・鎌倉・善光寺・奈良・京都・宇治山田などの名所の姿を紹介します。このほか、関所や船橋に関連する資料も展示します。この機会に江戸時代にタイムトリップして、「にっぽん歴史街道」を楽しんでみませんか。

●主な展示資料
 栗橋宿 
 重要文化財 中山道分間延絵図(部分) 東京国立博物館蔵
 (Image:TNM Image Archives)
 栗橋宿
 日光道中分間延絵図控(部分) 郵政博物館蔵
 
 大宮宿 
 重要文化財 中山道分間延絵図(部分) 東京国立博物館蔵
 (Image:TNM Image Archives)
 鎖帷子
 埼玉県指定文化財 川俣関所関係用具 羽生市個人蔵
 

 ・中山道分間延絵図(東京国立博物館蔵、重要文化財)
 ・日光道中分間延絵図(東京国立博物館蔵、重要文化財)
 ・東海道分間延絵図(郵政博物館蔵)
 ・日光御山内見取絵図(郵政博物館蔵) 今回初公開
 ・箱根湯治場道見取絵図(郵政博物館蔵) 今回初公開
 ・大日本五道中図屏風(三井記念美術館蔵)
 ・将軍の日光社参時に利根川に架けられた船橋図(当館蔵など)
 ・関所番士の甲冑や関所破りの者を捕える道具(個人蔵、埼玉県指定)
 ・関所通行手形(物流博物館蔵、個人蔵など)

 *前期[7月19日(土)~8月10日(日)]、後期[12日(火)~31日(日)]で展示資料の一部が替ります。
●期間
平成26年7月19日(土)~8月31日(日)9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(7月21日は開館)
●会場
埼玉県立歴史と民俗の博物館 特別展示室、季節展示室
●主催
埼玉県立歴史と民俗の博物館
●共催
郵政博物館、物流博物館、草津市立草津宿街道交流館、埼玉県立浦和図書館、埼玉県立文書館
●協力
全国街道資料ネットワーク、埼玉県立久喜図書館、東武鉄道株式会社
●後援
NPO法人全国街道交流会議、街道交流首長会、交通史学会、
朝日新聞社さいたま総局、NHKさいたま放送局、FM NACK5、埼玉新聞社、
産経新聞社さいたま総局、テレ玉、東京新聞さいたま支局、日本経済新聞社さいたま支局、
毎日新聞さいたま支局、読売新聞さいたま支局
●助成
 芸術文化振興基金
●問い合わせ
埼玉県立歴史と民俗の博物館 展示担当
〒330-0803 さいたま市大宮区高鼻町4-219
TEL 048-645-8171  FAX 048-640-1964