オリジナルカレンダー2023
当館が所蔵する資料の画像を使用した2023年版のカレンダーです。
スマートホンやパソコンにダウンロードし、壁紙として御利用ください。
毎月第4火曜日に翌月分を更新予定です。
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水無月(みなづき、みなつき):水の月(「無」は「の」を意味する)で、田に水を引く月。
「山水図」(絹本墨画) 画:春木南湖 (当館蔵)
山奥に滝が流れ、崖の上の庵(いおり)には、身を乗り出して外を眺める人の姿が見えます。上部に記された「溪山雨餘(けいざんうよ)」とは、雨あがりの山と谷という意味です。その通り、雨あがりの山々が水墨で表され、山間に湿った空気が漂っているのが感じられます。
作者の春木南湖(はるきなんこ)は、江戸時代中期から後期に活躍した文人画家です。
絵の中の山々を訪ねたつもりになって、雨あがりの爽やかさに思いを馳せてみませんか。
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挿図:「団扇絵(柳に洋傘)」(当館蔵)より
皐月(さつき):早苗を植える月、早月。
「熊乗り金太郎」 作:松崎久男 (当館蔵)
越谷市船渡で作成された張り子の人形、玩具です。
張り子とは、木型に和紙を張り合わせて製作される玩具や置物で、代表的なものはだるまです。
船渡の張り子は江戸時代後期から作られており、県内最古と言われています。船渡の張り子の多くは亀戸天神社(東京都江東区)の門前で土産物として販売されていました。明治時代以降は県内各地でも盛んに張り子が作られるようになり、郷土の玩具として現代に伝わっています。
船渡の張り子の特徴はその豊富な種類です。熊乗り金太郎や代表的なだるま、虎のほか、一本傘、唐茄子おかめなど愛くるしいデザインの人形があり、当館でも収蔵しています。
今回は、端午の節句・こどもの日である5月5日にちなんで、こどもの健やかな成長の象徴として古くから愛されている金太郎を選びました。
装飾:「菖蒲文様銘仙長着」(当館蔵)
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卯月(うづき):卯の花(ウツギ)の咲く月。
「嵐山真景図」 画:原在中 (当館蔵)
京都嵐山の桜と、筏(いかだ)流しの様子が描かれています。
筏流しとは、山で切り出した材木を筏状に組み、人が乗って操りながら川の下流まで運搬するもので、埼玉県内でも飯能地域などで行われていました。
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弥生(やよい):木草弥生い茂る(草木が生い茂る)月。
「雛人形・段飾り雛」 作:戸塚健蔵 (当館蔵)
人形のまち、埼玉県岩槻市で制作された雛壇です。
三段目は5人の人形がお囃子を奏でる「五人囃子」が近年では一般的になっていますが、この雛飾りは7人の人形が雅楽を演奏する「七楽人」仕様となっています。
「梅文様銘仙長着」 (当館蔵)
今の季節にピッタリな梅柄の銘仙です。文様を掛軸の表装裂地に見立てました。
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如月(きさらぎ):まだ寒さが残っていて、衣を重ね着する(衣更着)月。
「武勇見立十二支丑鬼童丸」画:一勇斎国芳(当館蔵)
鬼童丸とは、酒呑童子を討ったことで知られる源頼光に退治された鬼の名です。頼光に恨みを持つ鬼童丸が牛を殺してその皮を被り、草むらに身を潜ませ待ち伏せしている姿が描かれています。
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睦月:正月に親類一同が集まる、睦び(親しくする)の月。
「引札(兎と竹)」画:柴田是真(当館蔵)
兎と竹のほか、日の出が描かれた年始にふさわしいおめでたい雰囲気の引札です。
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