文化遺産調査活用事業

埼玉県では、県民に埼玉の魅力を再発見してもらうことを目的として、県内の潜在的な歴史文化遺産を掘り起す学術調査を実施し、その成果を広く公開する文化遺産調査活用事業を行ってきました。このページでは、当館が実施した調査についてご紹介しています。

<調査事業一覧>

〇「新編武蔵風土記稿」総合調査
〇巡り・廻りの民俗行事(第Ⅰ期)
〇巡り・廻りの民俗行事(第Ⅱ期)
〇埼玉の奉納習俗及び奉納物調査(第Ⅰ期)

「新編武蔵風土記稿」総合調査

『新編武蔵風土記稿』は、文化7年(1810)に林大学頭(述斎)が幕府に建議し、昌平坂学問所で編さんされた地誌で、天保元年(1830)に完成しました。全256巻からなり、武蔵国内の約3,000の町村について、地理・歴史・民俗・産業などを記録しています。

これまでの調査では、『新編武蔵風土記稿』に記載された郷土の史跡や文化財について、個別調査は行われていたものの、総合的な調査は十分に行われてきませんでした。そこで、『新編武蔵風土記稿』所収の文化財等を抽出し、それをもとに文献調査および所在確認を行いました。

事業年度:平成28年(2016)度から令和4年(2022)度まで

『新編武蔵風土記稿』(当館蔵)

新編武蔵風土記稿(当館蔵)

<展示>
平成30年度 常設展示室内特集展示「新編武蔵風土記稿と文化財」
令和元年度 特別展『武蔵国の旗本』※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、全期間休館
令和2年度 常設展示室内特集展示「特集展示『特別展 武蔵国の旗本』を振り返る」、「版木から読む『新編武蔵風土記稿』」
令和4年度 常設展示室内特集展示「新編武蔵風土記稿と文化財」、鉢形城歴史館(寄居町)との共催展示「昌国寺」
令和5年度 特別展『鉢形城主 北条氏邦』

<講座>
平成28年度 歴史民俗講座「『新編武蔵風土記稿』に見られる文化財」(針谷浩一専門員兼学芸員)
平成30年度 友の会プレミアム講座「『新編武蔵風土記稿』について」(杉山正司主任専門員兼学芸員)
令和4年度 歴史講座「昌国寺と旗本水野家」(中村陽平学芸員)
令和5年度 出張講座 あなたの街にも「れきみん埼玉」 「小鹿野町法養寺薬師堂の「落書き」」(根ヶ山泰史主任学芸員)、埼玉県地方史研究会
令和6年度第2回定例研究会 「法養寺薬師堂と仏堂墨書」(根ヶ山泰史主任学芸員)、歴史民俗講座「北条氏邦の魅力に迫る―展覧会をもっと楽しむために―」(黒田千尋学芸員)

<調査研究>
根ヶ山康史〔2023〕「法養寺薬師堂内墨書の調査報告」(『埼玉県立歴史と民俗の博物館 紀要』17所収)
中村陽平〔2024〕「旗本水野家の葬送と菩提所・昌国寺」(『埼玉県立歴史と民俗の博物館 紀要』18所収)
常設展示・資料担当・根ヶ山康史〔2026〕「法養寺薬師内墨書の調査報告 補遺」(『埼玉県立歴史と民俗の博物館 紀要』20所収)

巡り・廻りの民俗行事(第Ⅰ期)

県内各地には、人が参拝・巡礼を行うのではなく、神仏の像や幣束、数珠、経典、獅子頭などが地域社会を巡り廻る、祭り・行事・習俗が多く分布しています。そのなかには実態の捉えにくいものもあり、十分な調査・研究が行われてきませんでした。

そこで、地域を巡回するこれらの行事を「巡り・廻りの民俗行事」と位置づけ、第Ⅰ期調査では、仏像や経典、数珠などを捧持する巡り・廻りの民俗行事を対象に事業を実施しました。

事業年度:平成28年(2016)度から令和元年(2019)度まで

 今井の廻り地蔵

今井の廻り地蔵

<講座等>
平成28年度 学芸員研究発表会ミュージアムフォーラム 「まわり、まつられるお地蔵さま―埼玉の廻り地蔵とその地域的特徴―」(戸邉優美学芸員)
平成30年度 県政出前講座(戸邉優美学芸員)
平成31年度 特別展「東国の地獄極楽」において映像作品「箕田の百万遍」上映

<刊行物>
埼玉県立歴史と民俗の博物館 編〔2017〕『巡り・廻りの民俗行事調査概報Ⅰ』
埼玉県立歴史と民俗の博物館 編〔2018〕『巡り・廻りの民俗行事調査概報Ⅱ』
埼玉県立歴史と民俗の博物館 編〔2019〕『巡り・廻りの民俗行事調査概報Ⅲ』
埼玉県立歴史と民俗の博物館 編〔2020〕『無形民俗文化財調査事業「巡り・廻りの民俗行事」統括報告書Ⅰ』

※一部報告書については、販売を行っております。販売中の報告書リスト

<映像>
平成30年度 「無形民俗文化財調査事業 巡り・廻りの民俗行事 箕田の百万遍」
令和元年度 「無形民俗文化財調査事業 巡り・廻りの民俗行事 今井・本川俣の廻り地蔵」
令和3年度 「無形民俗文化財調査事業 巡り・廻りの民俗行事 番匠免の大般若経祭り」、「風布の廻り念仏」

※一部の映像については、当館YouTubeチャンネル「れきみん埼玉チャンネル」で公開しています。公開中の動画一覧

巡り・廻りの民俗行事(第Ⅱ期)

巡り・廻りの民俗行事(第Ⅰ期)に引き続き、県内において神仏等が地域を巡回する「巡り・廻りの民俗行事」の調査を行いました。第Ⅱ期調査では、獅子頭などを捧持して廻るオシシサマ行事を対象に調査を実施しました。

事業年度:令和2年(2020)度から令和7年(2025)度まで

 玉敷神社のお獅子さま(加須市馬内八軒)

玉敷神社のお獅子さま(加須市馬内八軒)

<展示>
令和8年度 無形民俗文化財調査事業「巡り・廻りの民俗行事Ⅱ」報告パネル展

<講座>
令和5年度 歴史民俗講座「巡り・廻りの民俗行事」 

<刊行物>
埼玉県立歴史と民俗の博物館 編〔2022〕『巡り・廻りの民俗行事調査概報Ⅳ』
埼玉県立歴史と民俗の博物館 編〔2023〕『巡り・廻りの民俗行事調査概報Ⅴ』
埼玉県立歴史と民俗の博物館 編〔2024〕『巡り・廻りの民俗行事調査概報Ⅵ』
埼玉県立歴史と民俗の博物館 編〔2025〕『巡り・廻りの民俗行事調査概報Ⅶ』
埼玉県立歴史と民俗の博物館 編〔2026〕『無形民俗文化財調査事業「巡り・廻りの民俗行事」統括報告書Ⅱ』

※報告書については、販売を行っております。販売中の報告書リスト

<映像>
令和4年度 「玉敷神社のお獅子さま(久喜市菖蒲町小林 下の寺)」
令和5年度 「玉敷神社のお獅子さま(加須市馬内八軒)」
令和6年度 「玉敷神社のお獅子さま(行田市樋上)」
令和7年度 「無形民俗文化財調査事業 巡り・廻りの民俗行事 玉敷神社のお獅子さま」、「玉敷神社のお獅子さま(ダイジェスト版)」

※『無形民俗文化財調査事業 巡り・廻りの民俗行事 玉敷神社のお獅子さま』DVDを販売しています。販売中の報告書リスト
※一部の映像については、当館YouTubeチャンネル「れきみん埼玉チャンネル」で公開しています。公開中の動画一覧

埼玉の奉納習俗及び奉納物調査(第Ⅰ期)

神仏への祈願や報謝のために物を奉納する習俗は、県内に広く分布していますが、その全容は明らかになっていません。そこで、県内の奉納習俗及び奉納物について調査を行うことといたしました。
第Ⅰ期(令和8~10年度)では、文献調査を中心とした基礎調査を行うとともに、12年に1度の秩父札所の総開帳にあわせて行われる「秩父札所のくくり猿」奉納習俗について調査を実施しています。


事業年度:令和8年(2026)度から令和10年(2028)度まで

秩父札所のくくり猿

秩父札所のくくり猿(札所二番真福寺)