このページは、埼玉県立歴史と民俗の博物館のスタッフが、博物館のイベントや大宮公園の様子、日々の業務から感じたことなどを皆様にお伝えしていくページです。各スタッフが自分の言葉で語りますので、ややつたない表現になることもあるかもしれませんが、大目に見ていただければ幸いです。

75年前…銀座も焼け野原

特別展示室の大きな特集展示をご覧の後は、常設展示もご覧下さい。

もちろん、先にご覧になってもかまいません!

 

第9室の歴史特集展示は「銀座復興絵巻」です。

晩年を埼玉で過ごした漫画家の麻生 豊の作品です。

 

終戦直後の銀座にアトリエを置いて、

焼け跡から急速に復興してゆく銀座の様子を描いたもので、全20巻です。

 

1巻の長さは180㎝前後。

太平記絵巻の約16mと比べると大変短いものです。

絵巻というより、横に長い絵という感じです。

 

後期(8/11~30)は、昭和21年の3、昭和23年の3、昭和26年、昭和28年の1を紹介しています。

 

昭和21年の3

 

終戦から約1年後。

焼け野原となった銀座で開かれていた闇市(やみいち)の様子が描かれています。

さまざまなものを売る人と買い求める人…

これ以上の密はないというくらいの人々。

にぎやかな様子が伝わります。

右端には、空襲でこわれたビルの一部を改装した進駐軍向けのキャバレーが描かれています。

 

画面のほぼ中央には、子どもの後ろ姿があります。

 

ぽつんと、さびしそうな後ろ姿は、家族を亡くした子かもしれません。

その目には何が映っているのでしょう。

 


その5年後の昭和26年

 

「講和」という看板は、サンフランシスコ講和条約を祝うものです。

終戦に一区切りがついた高揚感が感じられます。

 

あちらこちらでビルの建設工事が進められ、

人々の様子にも少しずつ余裕が感じられるようになりました。

戦争の傷跡は徐々に見えにくくなっていますが、

傷ついた元軍人が「講和」を見上げる姿もさりげなく描かれています。

 

写真とは違う歴史の記録。

いろいろな気づきがある「銀座復興絵巻」。

お見逃しなく。

 

(2020年8月13日 展示担当 草臥童子)

 

 

太平記絵巻の名場面

この夏、お届けしている特集展示は、「特別展『武蔵国の旗本』を振り返る」と「太平記絵巻の修理を終えて」の2つ。

 

太平記絵巻は、修理を終えた巻第六と巻第十を紹介しています。

場面を替えながら、3回に分けて展示しており、ただ今は第2期です。

 

巻第六では、足利尊氏と新田義貞の対決シーンがおすすめです。

南北朝の動乱や『太平記』に詳しくなくても、

この2人の名前はお聞きになったことがあるはずです。

 

尊氏が陣を構えた京都の東寺を義貞が取り囲みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

義貞は、尊氏の陣に向かって矢を放ちます。


「一騎討ちで勝負を決めよう!」

 

 

 

 

 

 

 

それに対して尊氏は…

義貞の挑発に乗り、大将としてのプライドから

「望むところだ!」と陣から出ようとします。

 

ところが、「おやめ下さい!」と必死に止める家来たち。

口をへの字に曲げながら、「よせ、放せ!」と尊氏。

 

 

どこか情けない大将です。

威勢の良い義貞と滑稽なポーズの尊氏。

 

少し、見つけにくいかもしれません。

絵巻の中のどこにいるか、是非探してみて下さい。

※この場面の展示は8月16日(日)までです。

 

(2020年8月10日 展示担当 草臥童子)

特集展示のおすすめ

 

特集展示「特別展『武蔵国の旗本』を振り返る」は、静かにお客様をお迎えしています。

 ゆっくり、ご覧いただくのに程よい感じでしょうか。

 

 

担当学芸員の一押しは、「萌黄威包韋二枚胴具足(もえぎおどし つつみがわ にまいどう ぐそく)」です。

テレビのインタビューで答えていますから、間違いありません。

その模様は、季節展示室の映像コーナーでご覧いただけます。

重厚で保存状態も良い、立派な甲冑です。

関ヶ原の戦いで受けたと伝わる矢傷も見どころです。

 

さて、私の個人的な一押しは、刀装具です。

 

残念ながら、刀そのものや拵 (こしらえ)はないのですが、鐔(つば)などの付属品が残されています。

 鐔も立派なのですが、私のおすすめは、「縁(ふち)」と呼ばれるものです。

 

 

刀の握る部分の柄(つか)に付ける金物です。

鐔のすぐ近くに付いているもので、装着されている時はあまり目立たないものかもしれません。

 

まず、金と黒のコントラストが目を引きます。

よく見ると、そこに表されているのは、おたまじゃくしです。

ちなみにおたまじゃくしの別称は「蝌蚪(かと)」です。

 

ゆったりとした水の流れの中を泳ぐ おたまじゃくし。

なんともかわいい!

 

それにしても おたまじゃくしが工芸品のモチーフになるのは珍しいのではないでしょうか。

春先の一時期しか姿を見せない おたまじゃくしを刀に付けるとは、どんな趣向だったのでしょうか?

興味は尽きません。

 

ぜひケースをのぞき込んで、おたまじゃくしをご鑑賞ください。

 

特集展示「特別展『武蔵国の旗本』を振り返る」は9月6日(日)までです。

 

(2020年8月5日 展示担当 草臥童子)

すご技!

大きな特集展示が始まりました。

たくさんの方に御覧いただきたいと思う一方で、

展示室が密になってしまったらどうしよう!?と、心配も。

たぶん取り越し苦労なのですが…残念我慢

 

もし、特別展示室が少々混み合っている場合は、

常設展示室を御覧になりながら、調整されることをおすすめします。

なにしろ10も部屋があります。

 

第1展示室は、旧石器時代から弥生時代を紹介しています。

この部屋で目を引くのは、縄文土器の移り変わりのコーナーです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めて御覧になる方は、「へぇー」とびっくりされることが多いです。

 

縄文時代に比べると、弥生時代のコーナーはやや抑えめです。

 

私が気になっているのは、弥生時代の壺です。

博物館がある大宮公園から出土した壺は有名ですが、

こちらも是非、注目していただきたいと思います。

 

装飾もシンプルな、地味な壺です。

展示室でも目立たない存在かも。

 

熊谷市の下田町遺跡の方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)から出土しました。

方形周溝墓は、ムラの長(おさ)のお墓です。

 

つまり、お墓から出てきた壺です。

 

真ん中に穴があいています。

死後の世界で使うものとして、日常生活のものと区別するために、わざと穴をあけたと考えられています。

 

 

 

 

近づいて穴のところを見ると、とても薄いことがわかります。

ガラス越しでもわかります。

土器でもこんなに薄く作れるなんて!

1800年も前に、こんなに丁寧に薄く仕上げたのはどんな人だったのでしょうか。

 

すご技に拍手キラキラです。

土器1つにもこんな発見があります。

 

 

よりどりみどりの展示室。

ぜひ、お気に入りの資料を見つけて下さい!

(2020年8月1日 展示担当 草臥童子)

見たことない展示?

特集展示が始まりました。

 

御観覧の皆様に差し上げている「鍾馗様カード」も好評のようです。

ヨカッタ!

 

さて、特集展示「特別展『武蔵国の旗本』を振り返る」では、

公開できなかった幻の特別展を紹介しています。

展示室のロビーの壁には、特別展のタイトル・バナーが掛けられています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旗本の肖像画が勢ぞろい。

御覧いただけなかったのは、本当に残念でした泣く


その前の展示ケースは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

担当内では通称「キャプションの墓場」コーナーと呼んでいます。

 

この特別展のために作成した資料のキャプション(解説板)の一部が入っています。

 

展示資料は既に所有者の元へお返ししたため、このキャプションは もう使うことはありません。

 

通常、特別展のために作成したパネルやキャプションは、終了後すぐに廃棄されます。

資料の所有者がお使いになりたいと言う場合は、差し上げることもありますが、ほとんどは廃棄されます。

ちょっと もったいないという気もいたしますが…

 

担当者の思いを静かに物語るキャプションの山。

乱雑に入れてあるのは、「もう使わない」ことを表現しています。

 

このコーナーは、館内でも賛否がありました。

けれど、無念な思いをそのままお伝えするため、GOとなりました。

担当者、曰く「思いはこんなものじゃない!!」とのことですが…

気持ちはわかるけど、表現はこのくらいで抑えておきましょう。

 

こんな展示コーナーは、当館では初めてです。(他館でもあるとは…)

そして今後も、あるとは考えられません。

そういう意味ではめったに見ることができない展示です。

どうぞお見逃しなきように!

 

これも新型コロナウィルスの負の遺産。

 

今、当館では、皆様にご協力をいただきながら、御観覧いただいています。

本当にありがとうございます。

少し窮屈ではありますが、安全・安心第一で参りたいと思います。

 

一日も早く、ウィルスが終息する日が来ますように。

(2020年7月29日 展示担当 草臥童子)

 

鍾馗様だけじゃない

ミニ展示「疫病退散!」では、こんな絵も紹介しています。

 

名は「疱瘡除の呪い(ほうそうよけの まじない)」とあり、疱瘡(天然痘)にかからないようにという祈りを込められたものです。

 

御覧のように全体が赤いのは、赤い色は疱瘡を除ける力があるとされたためです。

「赤絵(あかえ)」と呼ばれました。

 

堂々と描かれているのは弓の名手で知られた源為朝です。

 

 

おもしろいのは、上の説明書きに

「ほうそう、はしかは申におよばず流行病のがるゝ事うたがひなし」とあります。

この絵は、疱瘡やはしかだけでなく、「流行病」すべてに効くというのです。

 

そうであれば、きっとコロナウィルスも退治してくれるかな…?

そうあって欲しい!

 

鍾馗と合わせて、昔の人々の病との戦いをぜひ御覧下さい!

※ふざけた絵ではないのですが、真正面から描いた馬の顔がとてもおもしろいので、お見逃しなく。

 

(2020年7月21日 展示担当 草臥童子)

体験ボランティア向けの研修、はじまりました。

6月25日から再開館した当館ですが、まだ再開できていない場所があります。

そう、みんな大好き(?)「ゆめ・体験ひろば」です。

 

このたび、ホームページで告知したとおり、7月21日から感染防止対策を行ったうえで、再開することになりました。

現在、再開に向けてさまざまな準備を進めています。

 

そのひとつが、体験ボランティア向けの研修。

当館の体験にはさまざまな年齢の方がいらっしゃいます。

そのため、それぞれの参加者の進み具合にあわせて、体験ボランティアがお手伝いしたり、一緒に作ったりと、その人に合わせたフォローをしています。

しかし、これまでのように長い時間そばにいて手助けすることが難しいため、体験の進め方を一部変えることにしました。

 

研修では、写真のように距離をとり、十分な換気をしたうえで、ロールプレイングを交えて、すべての体験ボランティアに新しい進め方を伝えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安全・安心な体験を提供できるよう、準備は続きます。

 

(2020年7月19日 学習支援担当 ズッキーニ)

鍾馗様の競演

この夏、豪華2本立ての特集展示をお送りしております。

なんと常設展示料金で御覧いただけます。

 

さらに、御観覧の皆様にささやかですが、

「疫病退散!」の願いを込めて鍾馗様のカードを差し上げております。

なかなか格好良いと、ご好評いただいております。

 

カードをお配りするのに、もとの絵をお見せしない訳にはいきません。

急遽、ミニ展示を行うことになりました。(ほんとにミニですが…)

 

 

 

このカードの元になっているのは、江戸時代の浮世絵師 歌川国芳(うたがわ くによし)の版画です。

 

左手で小鬼を掴んだ鍾馗の力強さ!

疫病だって退散しますよね。

 

国芳は武者絵を得意としましたが、時に西洋画の構図を取り入れるなどさまざまな工夫をし、たくさんの作品を描きました。ちょっと不気味でドラマチックな浮世絵版画は大人気でした。

 

 

 

 

国芳にはたくさんの弟子もいました。

その中の一人が河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)です。

 

国芳の作品と似ているのですが、より激しく、誇張が目立つ表現となっています。

 

師弟の作品をいっしょに御覧になれますので、ぜひ、比べてみてください。

 

 

 

 

(2020年7月18日 展示担当 草臥童子)

ゆめ・体験ひろば7/21から再開! 体験メニューの予約をお待ちしています。

7月21日(火)から、ゆめ・体験ひろばが再開します!

ものづくり体験はまず「藍染めハンカチ」「まが玉」の2メニューから開始します。

 

  

 

他のメニューは、今後の状況次第で徐々に再開していきたいと思います。

しばらくお待ちください。

 

休止期間中は、どうしたら安全に体験メニューを楽しんでいただけるか、悩み、試行錯誤する日々でした。

感染症予防対策をしての再開ですので、これまでとは体験メニューの進め方が少し変わります。

 

大きな違いは、体験メニューの「予約」をしていただくことです。

体験人数が多く「密」になることを避けるため、予約制、時間割制とさせていただきます。

 

体験希望日の1週間前から電話予約を受け付けます。

本日14日から、再開初日・21日の体験予約受付が始まりました!

お電話をお待ちしております。

 

詳しくは「ゆめ・体験ひろばの再開について」のページをご覧ください。

 

(2020年7月14日 学習支援担当 小豆)

 

間もなく特集展示が始まります!

今年度は、新型コロナウィルスの影響で、春の特別展が公開できず、予定していた夏の企画展も延期になりました。

前代未聞のさんざんな事態泣く

 

でも、この夏、当館は二つの特集展示を御用意しました。

 

①特別展「武蔵国の旗本」を振り返る

‟幻の展覧会”とも呼ばれている特別展を振り返る展示です。

館有資料と受託資料から再構成して、「武蔵国の旗本」を紹介します。

 

倍以上の展示資料で構成された特別展には及びませんが、江戸時代の旗本がどんなものであったのか、御理解いただけると思います。

御覧になると「やっぱり特別展が見たかったなあ」と思われるかもしれません。

そのような時は図録『武蔵国の旗本」もぜひ御活用ください。

 

担当者渾身の特集展示。ぜひ、お見逃しなく!

 

 

②太平記絵巻の修理を終えて

修理を終えた巻第六と第十の2巻を公開いたします。

この2巻は修理のため、ここ数年、展示をしておりませんでした。

久しぶりに華麗な合戦絵巻をお楽しみください。

 

今回は、巻第六から有名な場面を紹介しましょう。

 

後醍醐天皇から出陣を命じられた楠木正成。

 

この戦いが最期になると覚悟して、それまで一緒に行動していた幼い息子を故郷へ帰す場面です。

「桜井の別れ」と言われ、忠義を尽くす手本として、戦前・戦中には教科書にも載っていたエピソードです。

 

 

ここで注目したいのは、建物の中の正成の大きさです。

子どもより大きいのは良いとして、外に控える家来たちよりも大きい!

このような表現は、他の場面では見られません。

正成の存在を強調したかったのでしょうか。

 

 

 

 

 

同じ巻第六の最後に、北陸に逃れていた春宮(とうぐう/皇太子)が密かに浦人(漁師)の家に預けられるという場面があります。

春宮は、置き去りにされて心細いのか、顔に袖を当てて泣いているようです。

 

この建物、先の正成が子どもに語る場面と同じです。

 

話としてはまったく別の場所なのですが…

 

 

 

 

また、左の 武士は巻第一に出てくるのですが、上の武士と全く同じポーズです。

 

太平記絵巻の中では、こんな例をたくさん見つけることができます。

長い絵巻を効率的に描くため、同じ構図を利用したと考えられます。

それにしても、建物が全く同じというのは珍しい!

 

 

 

『太平記』は長大・複雑で、物語を読み解くのは難しいのですが、

絵を見ているだけで十分楽しめるのではないかと思います。

 

特集展示は常設展示の観覧料で御覧いただけますので、とってもお得です。

会期は7月18日(土)から9月6日(日)までです。

新型コロナウィルスへの対策を取りながら、満喫していただければ幸いです。

 

(2020年7月9日 展示担当 草臥童子)

手を洗いましょう

5月26日に開館して1ヶ月が経ちました。

最近、新型コロナウィルスの感染者が再び増えているようで、まだまだ油断できません。

 

再開館以来、職員が交代しながら来館される皆様をお迎えしています。

マスクにフェイスシールドの物々しい姿なので、小さなお子さまにギョッとされることもあります…ごめんなさい。

 

検温や連絡先の記入など、お手数をおかけしておりますが、快く御協力くださる方が多く、

「大変ですねぇ」などと声をかけていただくこともあり、恐縮しております。

 

エントランスのデジタルサイネージでは、お子さまにもご理解いただけるよう

コバトン&さいたまっちからのお願いを流しています。

 

  

マスクや手洗いが予防に効果的と言われていますが、世界にはままならない地域がたくさんあり、感染症対策が困難だと報道されています。

いつでもきれいな水で手を洗うことができる私たちは、とても幸せだと感じます。

恩恵を最大限に活かせるよう、しっかり手を洗いたいと思います。

皆様も引き続きご協力をお願いいたします!

 

(2020年7月10日 展示担当 草臥童子)

 

雨に映える新緑を見ながら

   武蔵国一宮氷川神社に隣接する大宮公園

 中央の舟遊池に今ボートの影はなく

 池畔のベンチに座りくつろぐ人、散歩・ジョギングをする人、野鳥観察する人・・・

 池の北端に位置する埼玉県立歴史と民俗の博物館は

 東武アーバンパークライン大宮公園駅から徒歩5分で

 園路を歩き始めるとすぐの正門を入り玄関に向かう

 中庭アプローチに敷き詰められたレンガ調のタイルが小雨に濡れて輝く

 日本のモダニズム建築の巨匠、前川國男が設計した館

 その外壁を印象付ける赤色は

 氏独自の打ち込みタイルで50年近い年月の経過にも色褪せることがない

 エントランスロビーに一歩入ると大きなガラス越しに

 小さな庭「サンクガーデン」の女神像と「百年の杜(もり)」の緑が出迎える

 初夏の緑とタイルの赤色が最もよく調和している今

 館は新たな魅力の発見者の訪れを待っている

 

 

当館は、コロナのための約3か月の臨時休館が終了し5月26日に再開。

6月8日から資料保存を目的とした館内殺虫消毒のための臨時休館を経て、6月18日からまた再開しました。

そんな当館の施設環境の魅力をポエム風に紹介してみました。

 

現在、常設展示室では、美術展示「みほとけの世界」、歴史特集展示「往来物・教科書」、民俗コラム展示「和菓子の世界」、「埼玉における人々のくらしと文化」を展示しています。

 

ショップから見る「百年の杜」の眺めも良く、コーヒーやソフトクリーム、うどんなどの食事が気軽に楽しめます。

3密回避が推奨される今日にあって、大宮公園や当館は、落ち着いて、ゆっくり過ごすことができます。

 

 

 

 

 

 

テラス席

 

 

コロナが終息していない中、どうしても家に閉じこもりがち。

健康で文化的な生活を保つため、氷川神社、大宮公園にお出かけになった折、お立ち寄りください。

消毒や間隔の確保、検温、名簿の提出など、万全の対策をしてお待ちしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2020年7月2日 総務・施設担当 池端樹林)

少しうれしいお知らせです

約3ヶ月、臨時休館しておりましたが、5月26日から開館しました。

 

まだまだ油断できない時期です。

入館に当たっては、いろいろ御不便をおかけすることもございますが、

皆様と博物館を守るため、どうぞ御協力をお願いいたします。

 

お客さまをお迎えするのは緊張しますが、本当にありがたいことです。

「来られてよかった」という声に励まされます。

 

さて、今年度の当館の事業計画が、大幅に変更になりました。

 

夏に開催予定であった企画展「太平記絵巻」は、

コロナウィルス感染拡大防止の関係で、準備に支障をきたし、

やむを得ず延期することになりました。

東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるための展覧会であったことも延期の理由の一つです。

ただし、この展示に向けて修理を行った2巻(巻第六、十)を特集展示として公開いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで、休館中、特別展「武蔵国の旗本」の会期は終了してしまいました。

旗本展では寺社や個人の御協力で、たくさんの資料を出品していただき、現在、お返ししていることは、先日お伝えしました。

 

会期中、また会期後も「見たかった」「残念だ」というお声を頂戴しました。

 

展示資料には拝借したものだけではなく、館有のものや長期にわたりお預かりしているものもあります。

そこで、特別展のごく一部にはなりますが、特集展示を行うことにいたしました!

 

フルバージョンで御覧いただけないのは誠に残念ですが、「武蔵国の旗本」の世界を少しでも御覧いただけるのは、うれしくてなりません。

担当者はまだまだ気が抜けない状況になるわけで…ちょっと心配です。

でも、努力と苦労が報われる…かな。

 

いずれの特集展示も7月18日(土)から9月6日(日)までを予定しています。

詳しいことは追ってお知らせいたしますので、もう少しお待ちください。

(当館ホームページの「夏の特集展示」のページも合わせてご覧ください。)

 

そして、引き続き石けんで手を洗うことをお忘れなく、お健やかにお過ごしください。

(2020年6月12日 展示担当 草臥童子)

特別展「武蔵国の旗本」終了…無念!

3月20日(金・祝)にオープン予定だった特別展「武蔵国の旗本」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とうとう1日も開館できないまま会期終了となりました。

 

展示した資料は撤収され、展示室はガランとしてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思えば、昨年秋の特別展「子ども/おもちゃの博覧会」は、

初日と2日目が台風のため、臨時休館となりました。

その時は、「展覧会中に臨時休館になるなんて前代未聞!」と思ったのですが、

今回はそれをはるかに超える緊急事態でした。

こんなことが起こるなんて…

 

新型コロナウィルスの脅威を抑えるため、仕方がないことでした。

とはいえ、来館者をお迎えできなかったのは、本当に悲しく、辛いことです。

 

現在、拝借した大切な資料を所有者の元にお返ししているところです。

担当者は粛々と進めていますが、日程調整などが思うように進まず、

すべてを終えるにはまだ時間がかかりそうです。

 

実物資料には及びませんが、図録で展示の内容を御覧いただけますので、

御活用いただければ幸いです。

 

(2020年5月27日 展示担当 草臥童子)

 

明治時代の教科書の中に

 

臨時休館してから2ヶ月になりました。

 

常設展示室の特集展示「往来物・教科書」も静かに開館を待っています。

江戸時代の寺子屋や、明治時代に使われた教科書を紹介しているミニコーナーです。

 

 

 

展示資料の中に、『埼玉県地理』という本があります。

※開いて展示しているため、表紙(写真右)は見えません。

埼玉県が明治26年(1893)に編集・発行した地理の本です。

地域で教科書が作れた頃のものです。

 

その中に、県内各地の産物を紹介するページがあります。

 

 

 

「秩父絹 秩父郡各所ヨリ出ヅ。縹色ニ染メテ、衣服ノ裏ニ用フ。其久シキニ耐フルヲ以テ、貴重セラル。」

 

この頃の秩父の絹織物は、縹色(はなだいろ)と呼ばれる薄い藍色で知られていました。

どちらかというと控えめな色あいで、丈夫であるため、衣服の裏地に重宝されていたようです。

 

この本での紹介はここまでですが、その後、新しい染めの技術とともに、銘仙(めいせん)と呼ばれる絹織物が生み出され、

大正から昭和にかけて、美しい模様で多くの女性を魅了するようになります。

 

そのあたりのことは、特別展「銘仙」で紹介すべく、粛々と準備が進められています。

 

新型コロナウィルスの影響で、思うように進まないのがもどかしいところですが、

今できることを確実に、スタッフは静かに準備をしています。

 

(2020年5月19日 展示担当 草臥童子)

当館のロゴマーク

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、御紹介しました当館のロゴマークは、平成6年(1994年)にできました。

埼玉県立博物館のころのお話です。

四半世紀も使われているのですが、御存知でしたでしょうか?

 

モチーフになっているケヤキは、県の木で、博物館の周囲にもたくさん植えられています。

 

4本の木は、春・夏・秋・冬の四季のうつろいを表していて、「時の流れ(歴史)や埼玉の多彩な文化、博物館の持つ機能の多様性を表現」したものです。

 

バーンと主張する強さはありませんが、意味の深いマークです。

 

平成18年に埼玉県立歴史と民俗の博物館になった際にも、このマークは継続して使われることになりました。

 

一見控えめで、でもずっしりと存在感のある…博物館でありたいです。

 

(2020年5月13日 展示担当 草臥童子)

「藍染めハンカチ作り」「まが玉作り」の職員研修をしました

例年、4月末から5月の大型連休中は、大勢のお客様で博物館が賑わう時期ですが、今年は残念ながら5月6日まで臨時休館。

そうした中、ゆめ・体験ひろばの通常体験メニューの職員研修を行いました。

大型連休へ向け全館体制でお客様をお迎えするために毎年行っている研修ですが、今年も職員のスキルアップのため実施しました。

今回の研修は「藍染めハンカチ作り」と「まが玉作り」。

職員がお客様役になり、担当者から説明を受け、体験スタートです。

 

まずは藍染め体験。

染めたい図柄を選び、型付けをし、藍甕にハンカチを入れます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

型をはずしたら、鮮やかな模様が現れました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次はまが玉作りです。

職員の説明をうけ、黙々と石を削り、磨く作業が続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

密集しないよう、離れた席に座ったため、人と会話ができず、静かに作業が進みます・・・・。

磨くこと約1時間、できあがりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休館が続き、さびしいゆめ・体験ひろばでしたが、久しぶりに活気が戻ったようです。

それにしても、お客様が、御家族やボランティアと話をしながら楽しそうにものづくりをする、

賑やかなゆめ・体験ひろばに早く戻ってほしいと改めて思います。

 

(2020年5月3日 学習支援担当 小豆)

 

季節は巡る

   

 

4月初旬には、つぼみだった生け垣のつつじは20日頃には満開になりました。

 

 

 

博物館周囲の木々も、日ごとに緑が濃くなってきました。

 

やわらかい黄緑色の葉っぱが陽射しに揺れる美しさは格別です。

毎年、桜の後に訪れる自然からの贈り物です。

 

でも、この若葉の季節も、ほんの一時。

緑はどんどん濃くなり、すぐに見られなくなってしまいます。

 

  

 

そういえば、当館のロゴマークは、ケヤキの四季の移り変わりを表したものです。

 

春・夏・秋・冬と、毎年同じように姿を変えながら、すこしずつ成長していく木のように。

 

今は世界中が真冬のような感じですが、じっと耐えて、春を迎える準備をいたしましょう。

 

(2020年5月1日 展示担当 草臥童子)

さびしいポスターたち…

2月29日以来、展示棟はしーんとしています。

いつでもお客さまをお迎えできるよう、日々、点検や清掃は行っていますが、それ以外の時間、展示室は真っ暗です。

点検しながら、ふと、掲示板に目がとまりました。

 

 

日ごろ、全国の博物館や美術館からたくさんのポスターが送られて来ます。

常設展示室外の通路にある掲示板で、皆様に御覧いただいています。

 

 

色とりどりの工夫されたポスターは、当館の展覧会のポスターを作る際に参考になります。

 

でも、今、掲示されているものの大半は、見ることができません。

ああ、こんな展覧会があったんだ、見に行きたいなと思っても、新型コロナウィルスの影響で、休館中のところばかり。

会期を残しながら「終了」のお知らせを載せているホームページも少なくありません。

 

当館も特別展「武蔵国の旗本」をお披露目できずにいます。

辛いけれど。悔しいけれど…

 

命、健康を大切にすることを第一に、世界中の人々がじっと耐えている日々。

 

命がけで最前線で闘ってくださる医療関係者の方々に感謝しながら、

博物館にお客さまをお迎えできる日常が、一日でも早く戻るよう祈っています。

 

(2020年4月28日 展示担当 草臥童子)

 

もうすぐ端午の節句

当館の収蔵品である「年中行事絵巻(摸本/もほん)」の一場面です。

 

 

 

 

 

 

 

 

年中行事絵巻は、平安時代後期にさまざまな儀式や行事を記録するために作られたもので、

残念ながら原本は伝わっていませんが、摸本(もほん)=写しが約30種類伝わっています。

当館の資料もその一つです。

本来あるはずの色はほとんど塗られておらず、あっさりした線だけなので、かなり地味です。

 

左の男性は、右手を伸ばして何か持っています。先の方にはヒョロヒョロしたものがついています。

右側の男性は、飛び上がっています。その視線の先には、丸い玉のようなものが。

この人たちは何をしているのでしょうか。

 

飛び上がっている男性のさらに右にいる人物にヒントがあります。

 

姿勢を低くして、一点を見つめています。

 

棒のようなものを持っているようですが、実はこれ、ヒモをつけた石をブンブン回しているところです。

円はその軌道です。マンガみたいですね。

 

 

ケンカ!?ではなく、その昔、五月五日に石を投げ合って合戦のような遊びをしたそうですが、その様子を描いたものです。

遊びと言っても石を投げるのですから、大怪我になることもあったようです。

 

案の定、怪我をしている人もいます。

烏帽子は曲がり、服には何カ所も血がついています。

 

家の中から、外の騒ぎを不安そうに見ている人たちもいます。

 

その家の軒先には、何か下がっています。

 

これは菖蒲の葉です。

邪鬼を払うとされる菖蒲を軒に差して、健康を祈りました。

 

菖蒲で邪気を払うという考え方は、端午の節句に菖蒲湯に入り無病息災を願う行事に続いています。

 

できることなら、新型コロナウィルスも追い払いたい!

 

悪い病気の流行が収まる日が一日でも早く来ますように。

今年の菖蒲湯は強い願いを込めながら…

 

(2020年4月22日 展示担当 草臥童子)

 

 

休館中のお仕事 学び文庫の整理

開館しているときにはなかなかできないけれど、休館中だからこそ思いきってできる仕事。

その一つが、学び文庫の総整理です。

 

当館では、ゆめ・体験ひろばの中に、学び文庫という図書コーナーを設けています。

ここには、県内の自治体が発行した本や博物館の図録をはじめとして、

埼玉の歴史や文化を調べるうえで参考になる本が配架されていて、どなたでもお読みいただけます。

(貸出やコピーサービスは行っていません)

 

開館してお客さまを迎えている最中には、こうした整理はなかなか一気にはできません。

そこで、休館中のこの機会に、配架された本を確認し、書誌データを直す作業をはじめました。

 

 

 

左の写真のように、一度すべての本を確認し、破れや壊れはないか、書誌データは登録されているかを確認します。

その後、右の写真のように、書誌データがないものは登録したり、データが間違っている場合は直したりしていきます。

 

一見、地味な作業ですが、所蔵資料と同じように、どこに何があるかをきちんと把握することは、

博物館でもっとも大切なことの一つです。

4月から新しく入った筆者も、図録を見ながら「ここの博物館はこんな展覧会をやっていたのか」と、

新鮮な気持ちで作業をしています。

 

以前よりスッキリするであろう学び文庫に、ご期待ください。

 

(2020年4月17日 学習支援担当 ズッキーニ)

休館中のお仕事 「昔の道具体験」準備しています!

お休み中の博物館ですが、開館に向けて、スタッフはさまざまな準備を進めています。

その一つが、新しく仲間入りしたスタッフ(わたしもその一人です)への、体験学習の伝授です。

 

当館では、学校向けにさまざまな体験メニューを用意しています。

その目玉が、昔の道具体験。

一人ひとりが石うすや背負いかごなどの道具に触れて、昔の人びとのくらしぶりを学ぶメニューです。

写真は、新しいスタッフ二人が、落ち葉などを運ぶための背負いかごと背負いばしごを背負っているところ、

もう一枚は、石うすの使い方を教わっているところです。

 

 

背負いかごも背負いばしごも、意外に重い!!

そして石うすは、力加減と回す速さが難しい!!

 

実際に体験することで、気をつけなければならないところがわかってきます。

来館した子どもたちが安全に、安心して体験できるよう、スタッフの練習は続きます。

 

(2020年4月9日 学習支援担当 ズッキーニ)

 

 

夏の企画展「太平記絵巻」 先取り情報

博物館の周りの桜は、終わりに近づいています。

新型コロナウィルスの影響で重苦しい空気が包み込んでいます(-_-)。

それでも今年も大宮公園では桜が美しい花を咲かせてくれました。

毎年、花見をしつつ、当館の見学を楽しんで下さる方もたくさんいらっしゃるに違いないのに…とため息をつく毎日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、これは、「太平記絵巻」という長大な絵巻物の巻頭の場面です。

満開の桜と、柳の新緑が春であることを示しています。

物語の始まりは、春、ですよね。

この柳の描き方が、とても繊細で上品、しなやかで若芽のやわらかい感じがよく出ています。

 

その左に目をやると、たくさんの人々がいます。

皆色とりどりの装束を身に着けています。

しかもそれぞれに細かい模様が描き込まれていて、おどろきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年の大河ドラマは色彩豊かということが話題になっていますが、

「太平記絵巻」に描かれた人々も負けてはいません。

…あっ、別に争っている訳ではないですね(^^。

 

「太平記絵巻」は、7月18日(土)から企画展「太平記絵巻」で展示いたします。

久しぶりの公開となります。

 

いろいろな楽しみ方を少しずつ、不定期に紹介していければと考えております。

予習(?)にお役立ていただければ幸いです。

 

 

でも、その前に、特別展「武蔵国の旗本」!

一日も早くを御覧いただけるよう、祈る毎日です。

(2020年4月7日 展示担当 草臥童子)