このページは、埼玉県立歴史と民俗の博物館のスタッフが、博物館のイベントや大宮公園の様子、日々の業務から感じたことなどを皆様にお伝えしていくページです。各スタッフが自分の言葉で語りますので、ややつたない表現になることもあるかもしれませんが、大目に見ていただければ幸いです。

NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」についてのお知らせ

ようやく、NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」が開幕しました。この特別展の会期は3月23日(火)~5月16日(日)です。

開幕が延期したことを受け、前期展示は3月23日(火)~4月25日(日)、後期展示は4月27日(火)~5月16日(日)に変更となりました。

また、「諏訪神社獅子頭」と尾高惇忠書「神託」のみ、4月15日(木)までの限定展示となります(※4月16日以降、尾高惇忠書「神託」は写しを展示します)。 

     

    諏訪神社獅子頭(諏訪神社)      尾高惇忠書「神託」(渋沢栄一記念館)

 

展示資料一覧はこちら

 

今回の特別展は通常とは異なり、第1会場と第2会場がございます。第1会場は特別展示室、第2会場は常設展示室の中の第4室・美術展示室です。

メインの会場は第1会場の特別展示室ですが、第2会場では、渋沢ゆかりの美術作品を展示しています。第1会場を出ましたら、左に向かってお進みください。渋沢栄一の肖像画のバナーが目印です。第2会場までお見逃しなく!

 

特別展の会場では、NHKさいたま放送局製作の「ジュニアガイド」を配布しています。

渋沢栄一について、さらに今回の特別展の内容について、子どもたちにもぜひ知ってもらいたい製作されたものです。今回の展覧会の案内役であるたまちゃんと渋沢栄一さんは、ジュニアガイドにも登場します。特別展のエッセンスがぎゅっと詰まったパンフレットですので、大人でも楽しめる内容になっているかと思います。ただし、部数に限りがありますので、おひとりで大量に持っていくのはどうかご遠慮ください…。

                                     

 平日から始まったにもかかわらず、NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」には多くの方にご来場いただいております。誠にありがとうございます。

皆様には、新型コロナウイルス感染拡大防止対策にご協力いただきながら、この盛り沢山の特別展をぜひ楽しんでいただけたら幸いです。

 

長々と注意事項をお知らせしましたが、次回からは特別展のポイント解説をお伝えしたいと思います。ぜひ、大河ドラマとあわせて、特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」もお楽しみください!

 

(令和3年4月2日 展示担当 わだつみ)

 

渋沢栄一翁が書写した論語

3日遅れでオープンしたNHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」は、おかげさまでたくさんのお客様をお迎えしています。

 

今のところは、「密集している」という混み具合ではありません。

ほどよく、切れ目なくお客さまがご覧になっている、という感じです。

適当な距離を保っていただき、ありがとうございます。

 

ポスターやチラシに使わせていただいた円山応挙の孔雀の絵。

白孔雀もすてきです。

4月25日(日)までの公開となりますので、どうぞお見逃しなく。

 

初公開、見どころ満載の今回の特別展、どうぞお時間に余裕を持ってご来館ください。

「こんなにたくさんあるなんて…」というお声が ちらほら聞こえます。

 

さて、晩年まで、数多くの書をしたためていた渋沢栄一翁。

求められるままに、扁額や石碑などの碑文、室内に掲げられる書を揮毫しています。

今回も座右の銘である「温故知新」や「順理則裕」などの言葉を、額装や掛幅装に仕立てたものを展示しています。

 

さて、渋沢翁と言えば、「ろんご と そろばん」と言われる『論語』ですよね。


今回は、渋沢翁自身が書写し、和装本にしたものを展示しています。


 一字一字、丁寧に、整った字で書き写されています。

 

これを書いたのは86歳の時です。

日本の近代化のために、洋紙の大会社を作った方ですが、

ご自身は、筆と墨に慣れ親しんでおられたのでしょう。

多忙な日々の中で、どのように時間を確保したのでしょう?

 

展示作業をしながら、幼いころから学び、常に持ち歩いていたからこそ、できることではないかと思いました。

そらんじることができるから、迷いなく書けるのではないしょうか。

 

しかも『論語』だけではありません。

その後も『大学』や『前赤壁賦』なども書き写して印刷し、人に贈っています。

 

大切な教えを正しく、長く伝えたいという渋沢翁の思いが伝わってきます。

目立たないものにも見えますが、ふと、深い思いに触れた気がしました。

                              

この特別展は5月16日(日)までです。

コロナウイルスの脅威が心配です。   

最終日まで、無事にお客様をお迎えしたいと願う毎日です。

どうぞ、コロナ対策をなさってお出かけください。

     

(2021年3月31日 展示担当 草臥童子.)

 

出前授業、やっています。

卒業式を間近にひかえた小学校の体育館に、背負いかごと背負いばしご。

少々ミスマッチな一コマですが、これも博物館の大切な仕事のひとつです。

 

当館では、主に小学校3年生で勉強する「かわってきた人々のくらし」の授業に合わせて、実際の昔道具を体験できるメニューなどの出前授業を行っています。

緊急事態宣言が出されたことで博物館に来られなくなってしまった学校や、普段は地元の方に体験をお願いしている学校、行事が中止になってもせめて児童が体験できるメニューをという学校など、さまざまなご要望を受けて、博物館の職員が埼玉県内各地の学校へ出向いています。その数、今年度だけで43校。

 

当館の出前授業の特徴は、教員籍と学芸員が2人1組で授業を行うこと。

学校ごとのご要望に沿いつつ、本物の道具を体験できて、昔道具の使い方や背景についての専門的な話も聞ける、一石三鳥(?)のお得なプログラムです。

 

一週間に何度も準備をして県内各地へ出向くのは楽なことではありませんが、それぞれのお子さんにとっては一期一会。体験や説明をとおして、昔の人々のくらしぶり、歴史を考えることの大切さを伝え、ひいては博物館に興味をもってもらえればと、毎回新たな気持ちで授業に臨んでいます。

学校やクラスによって、知識の量や関心の度合い、問いかけへの反応は異なります。一緒に授業を担当している教員籍の「授業は子どもと作り上げるもの」という言葉の重さをかみしめる日々です。

 

 博物館の裾野を広げるべく、職員は日々奮闘しています。

 

(2021年3月29日 学習支援担当 ズッキーニ)

 

NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」オープン!!

コロナウイルス対策のための緊急事態宣言が解除となり、特別展がようやくオープンしました。

 

コロナが収まらず、臨時休館が続いていたため、今回も公開できなかったら、どうしよう…と複雑な思いで、展示作業を行っておりました。

 

渋沢栄一翁も喜んでくださっているに違いありません。


 けれども、まだまだ、コロナとの戦いは終わっている訳ではなく、気を緩める訳にはまいりません。

博物館は、さまざまな対策をしながら、皆様をお迎えしています。

ご不便をおかけすることもあろうかと思いますが、ご理解・ご協力をお願いいたします。

 

 

お待たせいたしました。

どうぞ、博物館を、特別展を、お楽しみください!!!

 

(2021年3月24日 展示担当 草臥童子(*⌒▽⌒*))

 

たまちゃん 誕生!

NHK大河ドラマ「青天を衝け」、話題になっていますね!

渋沢栄一翁への関心も高まっている!

 

さあ、いよいよ!というところなのに…

残念ながら、緊急事態宣言が延長になってしまいました。

当館のNHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」は、

3月20日(土・祝)13時からとお知らせしていましたが…

臨時休館も21日(日)まで延長となってしまいました(ToT)

 

準備も最終盤というところでの延長は、正直なところ、がっくりです。

でも、準備は粛々と進めています。

かくなる上は、23日(火)にオープンできることを祈るしかありません。

いえ、一層、感染防止に努めなくてはなりません。

皆様もどうぞ御協力ください。

 

さて、気を取り直して。

特別展を盛り上げるため、オリジナル・キャラクターが誕生しました。

秩父嶺玉子(ちちぶね たまこ)ちゃんです。(愛称は たまちゃん)

                  

玉子は、アメリカへのお礼に贈られた答礼人形の「秩父嶺玉子」がモデルです。

今回、特別展に合わせて、人形の復元制作が行われました。(写真右)

 

担当学芸員が「お子さんは、自分の身長と同じくらいの大きさの人形はこわいと思うかも…」と考えて、

少しでも親しめるようにと、このキャラクターを生み出しました。

 

 着物の襟の重なり具合や小物の位置を何度も直したとのこと。

がんばった甲斐あって、とてもかわいく仕上がりました。

 

この向きの姿しかないのが、玉に瑕(きず)。

キャラ設計って難しいのですね。

生みの親は、特別展の最終段階で多忙のため、仕方ありません。

 

特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」の会場で、

渋沢栄一さんをモデルにしたキャラクターと一緒に、お迎えします。

                        

こちらも温厚な感じが出ていて素敵ではありませんか?

ほのぼのとしていて、癒されませんか。

 

緊急事態宣言が解除になり、博物館が開館できることを願っております。

どうぞ、感染症対策に万全を期して、お待ちください。

 

※開館につきましては、決まり次第、当館のHP等でお知らせいたします。

 

(2021年3月11日 展示担当 草臥童子⤵)

 

ポスターでした

先ごろ、「チラシができました!」というタイトルで、

NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」のチラシを紹介しました。

「中央に突き上げるようなタイトルが力強いでしょう?」と書いてしまいました。

 

中央にタイトル?と疑問に思われた方、よく御覧くださってありがとうございます。

 

チラシは、右にタイトルでした。申し訳ありません。

中央にど~んと構えるのは、ポスターでした。

 

イメージは共通なのですが、ポスターとチラシは少しデザインが違います。

 

壁に貼って大画面で見るポスターと、手に取って見るチラシ。

それぞれの効果をねらったものでした。

つい、走ってしまいまして、申し訳ありませんでした。

 

大河ドラマのポスターと並べると、見応えバツグン!

 

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在は休館中ですが、

NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」は、

3月20日(土・祝日)午後1時にスタート予定です。

 

(2021年2月26日 展示担当 草臥童子)

 

がんばってます!

館内、いや、館外というべきでしょうか。

 
とある場所で、こんなものが見られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近寄ると…

 

 

 

 

 

 

 

 

なんと、セミの脱け殻です。

 

どんなところにあるかというと、

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たとえ開館していても、普段はお客様がご覧になれる場所ではないのですが、

約3メートルの高さのところに、くっついています。

 

今は真冬。

このセミたちは、昨年の夏にここまでやって来て、飛び立ったのです。

 

当館の敷地内にもその周囲の公園にも、木はたくさんあるのに、

わざわざこんな場所を選ぶなんて。

 

風雨は当たりにくいのかも知れませんが、半年以上、落ちていない!

すごいと思われませんか?

 

実は毎年、見かけるのですが、3つもあるなんて珍しい。

 

もちろん、中身のセミはいないけれど、なんだか健気な子たちだな…と思います。

がんばっている姿(殻だけど)に、励まされました。

受験生の皆様もがんばってください!(こんなブログ読んでませんね(^^;)

 

(2021年2月22日 展示担当 草臥童子)

 

 

『正月開館イベント「博物館でお正月」』

 例年、当館は1月2日から開館し、たくさんのお客様にご来館頂いておりました。

 しかし今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休館となり、お正月に合わせたイベントも全て中止となりました。

 この正月開館イベント「博物館でお正月」の目玉の1つが県立大宮光陵高等学校書道科の生徒さんによる新年賀詞揮毫や作品の展示です。

 迫力のある長さ2m40㎝×幅1mの特大の揮毫や長さ1m50㎝×幅50㎝の揮毫が皆様をお迎えする予定でした。

 大宮光陵高等学校は全国唯一の書道を専門に学ぶ書道科が設置されています。毎年、正月開館イベント「博物館でお正月」に合わせて新年賀詞揮毫の製作をおねがいしています。今年も素晴らしい作品を作り上げてくださいました。実際に2m40㎝の揮毫を目の前にすると、その迫力に圧倒されました。

 この素晴らしい作品が日の目を見ないのはもったいない…と思い、大宮光陵高等学校から許可を頂き、ブログや当館のホームページで紹介することにしました。

 本当は、実物をご覧いただき、その迫力や素晴らしさを実感して頂きたいところですが…

 来年こそは皆様に実物をご覧いただけることを願っています。

  

  大宮光陵高等学校書道科   大宮光陵高等学校書道科    大宮光陵高等学校書道科

  3年 富岡 輝羽       3年 小新井 希果      3年 水口 さくら

 

「博物館でお正月」のページはこちらです

 

(2021年2月16日 企画担当 ほっち)

 

 

春は近いかな…

2月初め朝、大宮公園では、歩くとザクザクという感触、霜柱が立っていました。

見上げると、青空に桜の枝が…小さなつぼみが見えました。

 

桜の名所で有名な大宮公園ですが、松の木もたくさんあります。



当館のすぐ脇にある広場にも、立派な松の姿が…

こちらは、当館の敷地内にそびえる松たちです。

桜だけでなく、松の公園でもあったのです。

 

そうそう、冬場は木々の葉がないので、当館の外壁を観賞するにはもってこいです。


果たして、そのような方がいらっしゃるかどうかは…定かではありませんが。

 


ど~んと広がる大きな壁がよく見えます。

普段は木々に溶け込んで控えめなのですが、重厚さ、力強さを感じます。

  

 

あと2か月も経つと、若葉でよく見えなくなってしまいます。(画像は昨春の様子)

 

前川國男氏の設計による、独特の外観を堪能できる季節です。

 

休館中のため、わざわざお越しいただくのは心苦しいので、公園をお散歩される皆様、ちょっと目を向けていただければうれしいです。

 

 

 

(2021年2月14日 展示担当 草臥童子)

特別展「銘仙」、お披露目ならず…

1月2日からオープンを予定していた特別展「銘仙」。

緊急事態宣言を受けて休館が決定し、銘仙展も初日から開催を休止しておりました。

開催についてたくさんのお問合せいただき、私たちも開館を信じて準備を進めてきましたが、このたび休館の延長が決定し、お披露目できないまま中止することとなりました。

 

特別展「銘仙」や記念講演会を楽しみにしていただいた皆様、残念な結果となってしまい、申し訳ありません。

展示図録は通信販売にてご購入いただけますので、よろしければぜひご覧になってください。

https://saitama-rekimin.spec.ed.jp/page_20201224235425

 

また、特別展「銘仙」の展示資料は、公式twitter「♯マイニチ・メイセン」、公式facebook「♯おうちでメイセン」でもご覧いただけます。

2月14日まで引き続き更新いたします。

 

twitterでは「♯ツーバ兄弟が参る!」も更新中です。

当館所蔵資料の鐔の兄弟が、博物館の展示をあちこち見て回ります。

銘仙展にも来てくれたのですが、兄弟の身の上に事件が起きて…!?

ぜひ、ツーバくんたちの目を通して、銘仙展をご覧ください。

 

新型コロナウイルスがまだまだ猛威を振るっています。

皆様、どうぞご自愛いただき、おうちで特別展「銘仙」をお楽しみください。

 

(2021年2月12日 展示担当 Fly!)

 

特別展「銘仙」…終了しました。

銘仙の歴史と着物を紹介した特別展「銘仙」は、2月14日(日)までの会期でしたが、

緊急事態宣言が3月7日(日)まで延長されたことに伴い、公開できないまま終了することになりました。

 

担当者はもとより、館長以下職員一同、残念な思いでいっぱいです。心配・うーん

楽しみにしていてくださった方々には、誠に申し訳ありません。

この場でも、「もう少しお待ちください」と申し上げながら…

このような結果になり、悔しくて、ため息をつくばかりです。

 

実は、何とか御覧いただくことができないかと、

昨年末から、関係者にもお願いをするなどの調整をして、

開館できた際には、少しだけですが延長する計画も立てておりました。

日々、状況が変わる中、お問い合わせには歯切れの悪い返事しかできず…

その点でも申し訳なく思っておりました。

 

最終的に緊急事態宣言の延長や埼玉県の方針により休館の延長となったため、

また、次の特別展が間近に迫っていることもあり、

お客様をお迎えできないまま、終了する事態となりました。

すべては新型コロナウイルスの流行を抑えるためです。
 

どうぞ御理解を賜りますようお願い申し上げます。

                    

振り返れば、昨春の特別展「武蔵国の旗本」も同じ経過をたどりました。

このようなことが、三度起こらないことを祈るばかりです。

 

次に銘仙を展示する機会を設けることも検討しております。

所帯が大きいため、小回りが利かないこともありますが…(^^;)

展示の際にはどうぞお出かけください。

それより前に、開館です…ね。

 

(2021年2月10日 展示担当 草臥童子凹)

 

チラシができました!

NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」のチラシができました。

 

深い青をベースに、孔雀(くじゃく)と桜が配された華麗なチラシです。パチパチパチ。

 

中央に突き上げるようなタイトルが力強いでしょう?

 

当館のいつものチラシとは かなり違うって?

そうですね(^^;

そこはそれ、NHKとのタイアップですから…

ドラマのイメージも損なってはいけませんし。

 

何故、クジャク? 桜?

渋沢栄一に関係あるの?

これまでは、あまり知られていなかったように思われますが、

渋沢は芸術・文化にも深い関わりがありました。

そんな一面もこの特別展で御紹介いたします。

 

また、渋沢が晩年、大きな役割を果たした民間外交も見どころの一つ。

県内に残る「青い目の人形」12体が勢ぞろいします。

(御協力いただいている各小学校、こども園の皆さん、お人形たちが長い間、お出かけしており、ごめんなさい!)

さらに調査の過程で、青い目の人形には、お友だちとして日本人形が用意されていた例があることがわかりました。

これらのお友だちも一緒に紹介いたします。

 

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在は休館中ですが、

NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」は、

予定通り、3月20日(土・祝日)午後1時にスタートできることを願っています。

 

(2021年2月9日 展示担当 草臥童子)

 

おすすめです!特別展「銘仙」図録

特別展「銘仙」。

会期は後半に入りましたが、まだ開館できないままです。

 

「#マイニチ・メイセン」で展示資料を紹介していますが、もっとお知りになりたい方には、展示図録がおすすめです。

 

第1章から御覧になれば、銘仙の原材料である絹糸の生産についてもわかるはず。

銘仙も もとをたどれば、蚕(かいこ)から始まるのです。

桑を育て、蚕を飼い、繭から糸を取り、絹糸にし、布地に織り上げる。

当館に銘仙の着物を御寄贈くださった木村和恵さんは、この一連のつながりが秩父地域の近代を支えて来たことに着目して、銘仙の収集を始められたと伺いました。

ファッションとしてだけでない、産業としての一面も御覧いただければと思います。
 

第3章では、模様のクローズアップ写真を掲載しています。

 

多彩な模様や色を生み出した銘仙の秘密に迫ろうとするもので、これまでにはあまりなかった試みではないかと思います。

 

銘仙は、秩父や足利、伊勢崎を始めとする産地ごとに特徴があると言われています。

けれども明確にはわからない点も多く、布地から産地や生産時期を特定するのは、実はなかなか難しいことなのです。

データはまだまだ わずかですが、今後もさまざまな視点からアプローチすることで、銘仙の謎に迫っていければと考えています。

 

なかなか新型コロナウイルスの脅威は収まらず、スタッフ一同ヤキモキする毎日が続いています。

じっとガマンの毎日です。

 

(2021年2月2日 展示担当 草臥童子)

 

太平記絵巻の図録&ブックレットができました!

初詣も行けず、味気ない日々を過ごしたお正月。

七草の日には、2度目の緊急事態宣言。

新年早々、重苦しい雰囲気に包まれてしまいました。

残念ながら、当館も2月7日まで臨時休館となってしまいました(ToT)

その後も新型コロナウイルスは猛威を振るっており、予断を許さない状況です。

 

特別展「銘仙」は、楽しみにして下さっている方も多いのですが、

果たして公開できるのか…という雰囲気も戸惑う・えっ

固唾をのんで再延長がないことを祈るばかりです。

 

少し明るい話題を一つ。

この度、熱いご要望にお応えし、太平記絵巻の図録とブックレットを刊行しました!


図録は、当館所蔵の5巻(巻第一、二、六、七、十)の全場面を収録しています。

収録しているのは、当館所蔵のものだけですが、

各ページに、詞書の翻刻や各場面のミニ解説も付いております。

表紙は、写真ではちょっと素っ気ない感じがするかもしれませんが、

実物は、とても品の良い仕上がりです

コンパクトに太平記絵巻を概観できる図録に仕上がりました。(自画自賛(^_^;))

価格は1,200円です。


ブックレット「太平記絵巻を知る」の表紙は一転して、にぎにぎしく、

太平記絵巻の華麗さを表しています。


「太平記絵巻って何なの?」という方にも、既にご存知の方にも、

お気軽に絵巻を楽しんでいただけることを目指した解説本です。

お値段はなんと300円!

2冊揃えば、ブックレットの解説を片手に図録の図版を見ることもできます。

 

当館のショップでお求めいただけます。

現在は休館中のため、郵送で販売中です。

https://saitama-rekimin.spec.ed.jp/page_20201224235425

 

太平記絵巻は、なるべく早く、展示・公開できるよう調整中です。

けれども、何しろ新型コロナウイルスの影響で、諸事、思うように進まず…

決まり次第、お知らせしますので、今少しお待ちください。

その前に、「おうちでも楽しめる太平記絵巻」を、ぜひご活用ください。

 

それにしても、早くコロナウイルスが収まって欲しい!

感染者にならないことが、一番の協力になることを改めて肝に銘じながら、

医療関係を始め、最前線で尽力してくださっている方々に心から感謝いたします。

 

 

(2021年1月27日 展示担当 草臥童子)

 

 

乞うご期待 !

現在、臨時休館中です心配・うーん

特別展「銘仙」は、公式Twitterの「#マイニチ・メイセン」で紹介中です。

じっとがまんのステイ・ホーム。

せめて、おうちで銘仙をお楽しみください。

 

 

ところで、年が明けて、NHK大河ドラマ「青天を衝け」の話題が多くなって来たことにお気づきでしょうか?

新一万円札の肖像にもなる渋沢栄一翁を主人公とした大河ドラマです!

 

言うまでもなく、渋沢栄一翁は500社以上の企業の創立に関わり、経済人として知られていますが、社会全体のためという理念を持ち、福祉事業や教育、民間外交など、まさに近代日本の礎を築いた方です。

 

そして、埼玉県の偉人です!

ここがポイントです。もう、おわかりですよね?

なんと言っても埼玉は地元です。

 

当館は、3月20(土・祝日)から5月16日(日)まで、

NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」を開催します。

 

NHKさいたま放送局との共催で、巡回はありません。

唯一、当館だけでの開催です。

 

コロナ禍の中、準備は難航しましたが、大詰めに入っております。

 

 

こちらは、イベントガイド等にも掲載した北沢楽天筆の肖像画です。

 

昨年度の企画展「北沢楽天と時事漫画」で展示しました。

 

改めて調査したところ、当館所蔵の資料の中にも、これまで展示・公開する機会が少なかった渋沢関係のものが…。

  


そして、この特別展に出品されるものの中には、初公開に近い資料も多々あるようです。

 

担当者によれば「今まではあまり知られていなかった渋沢栄一を御覧いただけるはず」とのことです。

追って、詳細をご紹介してまいります。

 

休館中でも、万全を期しながら、粛々と準備を進めています。

どうぞ皆様、感染症対策をなさって、無事のオープンをお待ちください。

 

NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」は、

3月20日(土・祝日)13時スタートの予定です。※初日のみ午後からの公開です。

乞うご期待!

 

(2021年1月22日 展示担当 草臥童子)

 

 

松納め(門松の撤去)

 1月7日に、飾っていた門松をしまう「松納め」を行いました。

 

 当館の季節展示室から眺められる竹林に生える竹の数々は、毎年職員の手で竹林整備を行います。

    

 整備は、大きく分けて①伸びる前に採るたけのこ掘り②伸びた竹の中で細いものや集中する箇所を間引く伐採、の2種類あります。

 

 その一環で切られた竹をななめに削ぎ、松葉と葉ぼたんをあしらって門松は作られました。(埼玉県公園緑地協会さんに御協力いただきました。)

 

   しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため臨時休館となり、この門松とともに来館する皆さまをお迎えすることはできませんでした。

 せめて、来館しようとされた方々の思いだけでもお迎えしたい。正月の伝統行事の一部を御紹介したい。そんな思いで正門ゲートの内側にひっそりと門松を置いておりました。

                           
  門松は、時代や地域の風習によって形や飾り付け、松納めの時期なども異なるようです。正月に飾られているのを見ると、趣がありますよね。

 

 今年は、氷川神社へ初詣でに向かう参拝者の数もいつになく寂しいものでした。

 

 来年は皆さまをお迎えできることを祈りながら、今はただ、門松のようにじっと待つよりほかなさそうです。         

  

(2021年1月19日 施設担当 みそだれぼたん)

 

当館建築の魅力(予告編)

 当館は日本におけるモダニズム建築の巨匠、前川國男氏により設計されました。

 

 前川氏の代表作の一つともいわれ、1971年(昭和46年)竣工以来、大宮公園の自然と調和し、たたずんできました。

 

 竣工時のパンフレットの中に、前川氏のこんな言葉が書き綴られています。

 「美しい大宮公園の環境にどのような博物館を建てたらよいのか。博物館のこの敷地に於ける「たたずまい」とその建築素材の選定にいささか心胆をくだいたつもりであります。」

 

 前川氏が手掛けた建築物の特徴には7つのキーワードがあると言われています。その一つ、「素材を活かすディテール」がこのコメントの中に伺えます。

 

 そこで、当館建物にも見ることのできる7つのキーワードをひもときながら、様々なこだわりや魅力に、少しずつスタッフの視点で迫って行きますのでお見逃しなく!

 

 (2021年1月14日 施設担当 みそだれぼたん)

 

かわいらしいお客様が来館!

先日、TVアニメ『七つの大罪』に登場するキャラクターの「ホーク」くん(写真右)が

お友だちの「あわブタ」くん(写真左)と遊びにきてくれました。

 

これは1月6日からスタートする新シリーズ『七つの大罪 憤怒の審判』PRのため

氷川神社等の埼玉県内観光スポットとあわせて立ち寄っていただいたものです。

 

西日が差し込む中、2人は当館の中庭にある弥生時代の竪穴住居を見学。

 

仲良く記念写真を撮影している様子を

通りがかりのお客様がほほえましげに眺めていたのが印象的でした。

 

ホークくん、ぜひまた「あわブタ」くんや他のお友だちも連れていらしてくださいね。

 

『七つの大罪』ファンの皆様のご来館もお待ちしております!!

 

※現在は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ観点から休館しています。

 

 

【TVアニメ「七つの大罪 憤怒の審判」公式サイト】https://7-taizai.net/

番組公式Twitterではホークくんの動画が公開中です!

 

(2021年1月4日 施設担当 BP)

 

今年は丑年!

あけましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

当館は2日から開館のはずが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、17日(日)まで臨時休館中という、お正月早々、悲しい状況です。

コロナに直接対応されている医療関係者の方々をはじめとする皆様に感謝しながら、静かにゆっくり過ごしましょう。

 

特別展「銘仙」も開館を待つばかりなのですが…

楽しみにしてくださっている方には、本当に申し訳ありません。

どうぞ今少しお待ちください。

 

さて、インターネットミュージアムというサイトを御存知でしょうか。

全国の博物館や美術館などの情報が紹介されています。

各地で開かれる展覧会の情報などもたくさん掲載されており、便利なサイトです。

 

そこで、「ミュージアム 干支コレクション アワード」を実施中です。

各館が所蔵する「牛」に関する作品を掲載、人気投票をしているのです。

 

当館もエントリーしました。

歌川国芳筆の「鬼童丸(きどうまる)之図」です。

源頼光に恨みを持つ鬼童丸が、殺した牛の皮をかぶって、頼光を待ち伏せするという場面を描いたものです。

シルエットで描かれた頼光の一行を、手前の鬼童丸がにらみつけ、緊迫感が伝わります。

墨一色の地味と言えば地味な作品ですが、一度見たら忘れがたいインパクトがあります。

さすが国芳!

 

でも、やはり地味なのか、小さな画像では目立たないのか、得票数はさびしい…

もっとかわいい張り子の牛など、わかりやすいものをエントリーすれば良かったかな(^^;)などと、思うことも。

 

興味をお持ちの方、ぜひ御覧になってみてください!

 

さらに実物を御覧になりたいという皆様、1月31日(日)まで
常設展示 第4室 美術展示室で展示する予定です。

これまであまり展示する機会がなかった作品ですので、楽しみにお待ちください。(今は休館しておりますが)

早く開館できる日を迎えられることを祈る毎日です。

今年も埼玉県立歴と民俗の博物館をどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

(2021年1月4日 展示担当 草臥童子)

 

動き出す歌仙たち

 

第4室 美術展示室で3期に分けて展示してまいりました

重要文化財 三十六歌仙額(川越市仙波東照宮蔵)の公開が間もなく終了します。

               

 

                                     

ふっくらした頬(ほお)と長いあごが印象的な作品です。

独特のお顔は、御覧になったら忘れないでしょう。

岩佐又兵衛勝以(かつもち)の特徴です。

 

いにしえの歌仙の姿が色鮮やかに描かれています。

 

気高い歌の名人たち。

その他にも、こんな作品も展示しています。

 

又兵衛の作品とは まったく違う歌仙たち。

 

すまし顔の歌仙たちが、休憩中には自由に遊んでいる…

これを見ると、私は「おもちゃのチャチャチャ」を思い出してしまいます。

 

先ほどの二人も、世間話をしながら、すごろくで遊んでいます。

にらめっこをしている人たちもいます。

 

歌仙の皆さんには叱られそうですが、肩の力を抜いた姿に親しみがわきます。

いずれも12月13日(日)までです。ぜひ、お見逃しなく。

 

(2020年12月3日   展示担当 草臥童子)

 

あの人気体験メニューが再開!

 


色とりどりの糸を載せた、たくさんの台。

ゆめ・体験ひろばで、水曜日・土曜日限定でできる体験メニュー、江戸組紐ストラップ作りに使う組紐台です。

 

ゆめ・体験ひろばでは、10月から、江戸組紐ストラップの体験を再開しました。

絹の糸を組んでいくこの体験メニューをお目当てに、何度も通ってくださるお客様もいらっしゃるほど。

密を避けるため、1回の枠に2人までとさせていただいているので、予約の枠は、すぐに埋まっていきます。

 

秋のひととき、無心に糸を組んで、きれいなストラップを作ってみませんか。

ぜひ、お電話で体験予約をどうぞ。

 

もちろん、藍染めハンカチ作り、まが玉作りもやっています。

 

(2020年11月4日 学習支援担当 ズッキーニ)

 

秋の訪れ

1ヶ月前は、まだまだ暑さが残っていたような気がしますが、

いつの間にか、寒さを感じる季節となりました。

 

新型コロナウィルスは、なかなか収まらず、

むしろ冬期のインフルエンザの流行のダブルパンチが懸念されています。

マスクを着け、手洗いをより入念にいたしましょう。

 

さて、当館のエントランスで、来館される皆様の検温などを行っていた時のこと。

入口の自動ドアの扉はガラス製なので、外の様子が見えます。

 

小さなお子さんが、弥生時代の復元住居の前を過ぎたところで、しゃがみこんでしまいました。

転んでしまったのかな?博物館に入りたくないのかな?

と、ちょっと心配して見ていると、どうやらご機嫌は悪くないようです。

 

やがて立ち上がり、若いお父さんになにやら渡している様子。

 

そうか!

お子さんは、どんぐりを拾っていたのです。

 博物館の庭にも周囲の大宮公園にも、どんぐりや松ぼっくりがたくさん落ちています。

 小さなお子さんたちにとってのお楽しみが増える季節なのですね。

 

 

エントランスの大きな窓から見える紅葉が、私のおすすめの一つです。

(すみません、この写真は違います)

 

ガラスのフレームで、屏風絵のように美しい紅葉を見ることができます。

ただ、ここ数年、鮮やかに色づく前に葉が落ちてしまうことが多いような気がして、

ちょっと残念なのですが。

すでに色づき始めましたが、今年はどうでしょうか?

きれいな写真が撮れましたら、報告しましょう。

 

現在、企画展「新収集品展2018・2019」を開催中です。

平安時代の金銅仏から、前回の東京オリンピック関係資料まで、

御寄贈いただいた資料を中心に紹介しています。

いろいろな資料があって、楽しいですよ!

 

お散歩するには良い季節。

大宮公園の散策と合わせて、ぜひ、お越しください。

(2020年10月29日  展示担当  草臥童子)

常設展示室を展示替しました!

9月28日(月)の休館日に、

常設展示室の一部展示替を行いました。

 

特別展示室の展示作業は、専門の展示作業員に加え

学芸員も総出で取り掛かりますので、

かなりハイペースで進みます。

それに対して常設展示室は1部屋あたり1~2人で作業しますので、

けっこう地道な作業になります。

 

それはさておき。

今回展示替を行ったのは、

・第4室(美術展示室)

・第5室(室町~戦国時代)

・第7室(江戸時代Ⅰ)

・第8室(江戸時代Ⅱ)

・第9室(明治時代~現代)

の5部屋です。

どう変わったのか?

以下、見どころをピックアップしてご紹介します。

 

第4室では、美術展示「歌仙絵の世界」が始まりました(12月13日(日)まで)。

注目は、何といっても

仙波東照宮(川越市)所蔵の重要文化財「三十六歌仙額」!

展示予定のお問い合わせも多いこちらの資料を、3期に分けて12面ずつ展示します。

(3回足を運んでいただければ、全点ご覧いただくことができます。是非何度でもお越しください(笑))

※前期:9月29日(火)~10月25日(日)

 中期:10月27日(火)~11月15日(日)

 後期:11月17日(火)~12月13日(日)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第5室では、ミニ特集展示「成田家資料」が始まりました(12月20日(日)まで)。

江戸時代から近代にかけての資料が中心ですが、

初公開を含む、忍城主成田氏ゆかりの系図・由緒書などをご紹介します。

小説・映画「のぼうの城」で一躍有名になった成田氏ですが、

江戸時代以降にどうなったか、ご存じですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第7室では、川越城・忍城・岩槻城の絵図を展示しています。

絵図に描かれた埼玉の城をじっくりご覧になって、

在りし日の名城に思いを馳せてみませんか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第9室では、コラム展示「婦人雑誌付録にみる昭和」を展示しています。

昭和戦前期に発売された婦人雑誌の別冊付録から、当時の生活を探ります。

スタッフの中からは、「うちの倉庫で見たことある」との発言も…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コロナ禍の続く昨今ですが、皆様のご来館、お待ちしております!!

 

(2020年10月2日 展示担当 埼玉のアマビコ)

 

 

がんばります!

来館者の皆様にご協力いただいたアンケートは、1ヶ月ごとに回覧し、職員全員でみています。

ここに寄せられた情報・ご意見は、整理し、さまざまな形で当館の運営に反映しています。

 

そんな中に、こんなコメントがありました。

 

 

 思わず、「はい!がんばります!」と、つぶやいてしまいました。

 

笑顔がいっぱい添えられたコメント、とても元気が出ました。

ありがとうございます(^^♪

 

久しぶりに来館した小学生の方が書いてくださったようです。

 

こんなうれしいコメントも、整理・データ化されると、

そこにこめられた「気持ち」が半減してしまいます。

 

やはり、実物には伝わるものがあります。

博物館が大切にすべきことを、改めて教えていただいた気がしました。

ありがとうございます!

応援してくださる方がいると、がんばれます。

どうぞ、コロナに負けず、また博物館に遊びに来て下さい!


(2020年9月24日 展示担当 草臥童子)

 

復元住居が火事!?

9月初旬のある日、正門の隣にある弥生時代の復元住居から、モクモクと煙が…

驚かれた方もあるかもしれません。

 

 

 

近くに寄ってみると…

 

 

特殊な機械を使い、煙を住居に入れて、内部を燻蒸(くんじょう)しているところです。

 

本来は人が暮らし、炉で火を焚いていました。

その煙が、柱の木や茅葺屋根にカビや菌が繁殖するのを防いでいました。

 

弥生時代はいざ知らず、火を焚くことは火災防止のため困難です。

このため、煙を中に送り込むことで、その代わりをしています。

 

煙は人体に安全なものを使うとは言え、来館者の邪魔になってはいけません。

朝から始めて午前中のうちに終わるというスケジュールで、年3回、実施しています。

 

復元住居を保存するための大切な作業。

 

この日は、学芸員の資格取得を目指す大学生の実習が行われていたため、

作業の様子を見学をしていただきました。

めったに見られるものではないので、良い経験になったのではないでしょうか。

 

弥生時代の復元住居は、毎年春と秋の2回、内部の見学会を行っています。

けれども、今年は新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、

秋の見学会も中止させていただきます。

いろいろ検討したのですが、十分に換気をすることができず、

「密」が避けられないため、止む無く中止となりました。

 

楽しみにされている皆様には、大変申し訳ありません。

担当も大変悔しがっております。

 

来年は、気持ちよくご覧いただけますように…

(2020年9月18日 展示担当 草臥童子)

 

 

職員も思わず買ったミュージアムグッズ

当館には、日々、展示の観覧や体験活動を楽しむために訪れる人が多くいらっしゃいますが、これと並んで楽めるのがミュージアムショップで売られているグッズです。

 

私も、色々な博物館へ行ってミュージアムグッズを買って帰るのが楽しみで、グッズ探しが狙いで展示を観に行くこともあります。

 

ミュージアムショップでは、当館の展示に関する図録を販売しており、これを求めて来館する人も大勢いますが、今回は、グッズに焦点を当てて、私が自信をもってお勧めするグッズを3点だけ御紹介します。

 

1点目は、当館オリジナルの農具のエコバッグです。

 

 

 

 

 

 

 

当館で所蔵する埼玉県の農具の数々がデザインされています。強度の高い生地で、使わないときはバッグ裏のポケットに収納し手のひらサイズに折りたためてコンパクトです。

 

今や誰もが持つエコバッグ。同じデザインのものを持った人を見かけてがっくり。そんなあなた。一味違うこのデザインで、熾烈を極めるエコバッグ差別化戦線を制することはたやすいものとなります。

 

ちなみにA4サイズが縦にすっぽり収まるサイズで、500mlペットボトルだと約10本収納可能です。
お買い物のレジ袋が有料化された今、この農具のエコバッグをスマートに取り出して買い物を済ませたいですね。

 

2点目は、高さ約6.5cmのミニチュアの火起こし器です。

 

 

 

 

 

 

実際に火を起こすことはできませんが、小さいながらとても精巧に作られています。
屋外展示の竪穴住居と一緒に写真を撮ると古代の雰囲気が楽しめ、来館の記念になるのではないでしょうか。

 

是非、手にとり、このミニチュア火おこし器をデスクの上に置いてみてください。一息ついて目をつむり、火起こしする自身の姿を想像してみてください。時間をかけ、火種がくすぶる瞬間を思い描けたそのとき、心の中はスッキリと爽やかになっていることでしょう。

※写真中のコバトンのマスコットは、ミュージアムショップでの取扱いはありませんので御了承ください。

 

3点目は、古墳の測量野帳(フィールドノート)です。
その名のとおり、元々は道路測量の際に測定した高さ、距離や角度の記録用として使われてきました。今では、高い実用性から手帳やノートとして使われています。また、博物館の催しや企業とコラボレーションした表紙デザインの測量野帳も売っているので、コレクションする人も増えつつあるようです。

 

表紙がハードカバーなので外でメモを取りやすく、作業着やスーツの内ポケットに収まるサイズで実用的です。また、方眼ノートタイプでレイアウトも自由なのに文字列が乱れません。

 

ビジネスでも、オフタイムでも。この野帳をポケットからおもむろに取り出し心に浮かんだアイデアや一句をササッと書き走らせれば、格好良く決めることができます。

 

 

 

 

 

 

 
商品詳細 

① 農具のエコバッグ
ナイロン(平織)製、外ジップポケット付き、500円(税込)、縦40cm×横30cm×マチ10cm、ポケットに収納時は直径13cm円サイズ

② 舞ぎり式火起こし器
木製、600円(税込)、高さ6.5cm×横5cm

③ 古墳のヤチョー(測量野帳)
表紙は金・銀2種類、550円(税込)、縦16.5cm×横9.5cm、3mm方眼罫、40枚

※在庫には限りがありますので売り切れの場合には御容赦ください。

 

(2020年9月9日 施設担当 みそだれぼたん)

 

昭和はどこに…

先日、北関東にある、某資料館を見学した時のこと。

土間のある住居を復元したコーナーがありました。

県立博物館時代の当館の展示にあった農家を思い出しました。

 

さて、そのコーナー入口のパネルには、

「昭和初期のくらし/約100年前」と書かれていました。

私の感覚では、「昭和」と「100年前」という言葉が結びつかず…

もちろん、計算すると正しい…

それはわかるのですが、ちょっと衝撃的でした。

 

平成の30年が間にあって、現在は令和。

あたりまえのことなのですけれど…

感覚って妙なものです。

 

当館では、常設展示室 第10室 民俗展示室のコーナーで同様の資料を紹介しています。

 

もう、昔話に出てくる道具たちばかりです。

今の子どもたちは、見たことがないものばかりかもしれませんね。

子どもたちは、昔話をどんな感覚で読んでいるのだろうと、

しみじみ考えてしまいました。

(2020年9月8日 展示担当 草臥童子)

 

 

特集展示もいよいよ終盤

酷暑がつらい毎日ですが…お健やかにお過ごしでしょうか?

 

特集展示「太平記絵巻の修理を終えて」で、

3回に分けてご紹介してきた「太平記絵巻」も間もなく公開終了となります。

 今回ご紹介するのは、巻第六のこんな場面です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恰幅(かっぷく)の良い女性が立っています。

その前には、ひざを付いて頭を下げる男性。

その後ろには赤い立派な房をかけた馬が控えています。

 

実はこの女性は、女官に変装した後醍醐天皇なのです。

足利尊氏に幽閉されていた天皇が、夜陰に紛れて脱出する場面。

かたわらに立つ長い髪の女性は、大切な神器を抱えています。

 

夜なのに明るい!しかも誰も灯りをもっていない!

そんなツッコミもしたくなります。

緊迫した場面のはずなのに、なぜかのんびり、

ゆったりした空気が流れています。

天皇が幽閉されて、逃げ出すなんて、相当な一大事だと思いますが、

さらっと品良く描かれているのが、太平記絵巻です。

 

資料保存の関係で、あまり長期にわたって展示公開することはできません。

お見逃しになりませんように。

 

(2020年8月25日 展示担当 草臥童子)

75年前…銀座も焼け野原

特別展示室の大きな特集展示をご覧の後は、常設展示もご覧下さい。

もちろん、先にご覧になってもかまいません!

 

第9室の歴史特集展示は「銀座復興絵巻」です。

晩年を埼玉で過ごした漫画家の麻生 豊の作品です。

 

終戦直後の銀座にアトリエを置いて、

焼け跡から急速に復興してゆく銀座の様子を描いたもので、全20巻です。

 

1巻の長さは180㎝前後。

太平記絵巻の約16mと比べると大変短いものです。

絵巻というより、横に長い絵という感じです。

 

後期(8/11~30)は、昭和21年の3、昭和23年の3、昭和26年、昭和28年の1を紹介しています。

 

昭和21年の3

 

終戦から約1年後。

焼け野原となった銀座で開かれていた闇市(やみいち)の様子が描かれています。

さまざまなものを売る人と買い求める人…

これ以上の密はないというくらいの人々。

にぎやかな様子が伝わります。

右端には、空襲でこわれたビルの一部を改装した進駐軍向けのキャバレーが描かれています。

 

画面のほぼ中央には、子どもの後ろ姿があります。

 

ぽつんと、さびしそうな後ろ姿は、家族を亡くした子かもしれません。

その目には何が映っているのでしょう。

 


その5年後の昭和26年

 

「講和」という看板は、サンフランシスコ講和条約を祝うものです。

終戦に一区切りがついた高揚感が感じられます。

 

あちらこちらでビルの建設工事が進められ、

人々の様子にも少しずつ余裕が感じられるようになりました。

戦争の傷跡は徐々に見えにくくなっていますが、

傷ついた元軍人が「講和」を見上げる姿もさりげなく描かれています。

 

写真とは違う歴史の記録。

いろいろな気づきがある「銀座復興絵巻」。

お見逃しなく。

 

(2020年8月13日 展示担当 草臥童子)

 

 

太平記絵巻の名場面

この夏、お届けしている特集展示は、「特別展『武蔵国の旗本』を振り返る」と「太平記絵巻の修理を終えて」の2つ。

 

太平記絵巻は、修理を終えた巻第六と巻第十を紹介しています。

場面を替えながら、3回に分けて展示しており、ただ今は第2期です。

 

巻第六では、足利尊氏と新田義貞の対決シーンがおすすめです。

南北朝の動乱や『太平記』に詳しくなくても、

この2人の名前はお聞きになったことがあるはずです。

 

尊氏が陣を構えた京都の東寺を義貞が取り囲みます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

義貞は、尊氏の陣に向かって矢を放ちます。


「一騎討ちで勝負を決めよう!」

 

 

 

 

 

 

 

それに対して尊氏は…

義貞の挑発に乗り、大将としてのプライドから

「望むところだ!」と陣から出ようとします。

 

ところが、「おやめ下さい!」と必死に止める家来たち。

口をへの字に曲げながら、「よせ、放せ!」と尊氏。

 

 

どこか情けない大将です。

威勢の良い義貞と滑稽なポーズの尊氏。

 

少し、見つけにくいかもしれません。

絵巻の中のどこにいるか、是非探してみて下さい。

※この場面の展示は8月16日(日)までです。

 

(2020年8月10日 展示担当 草臥童子)

特集展示のおすすめ

 

特集展示「特別展『武蔵国の旗本』を振り返る」は、静かにお客様をお迎えしています。

 ゆっくり、ご覧いただくのに程よい感じでしょうか。

 

 

担当学芸員の一押しは、「萌黄威包韋二枚胴具足(もえぎおどし つつみがわ にまいどう ぐそく)」です。

テレビのインタビューで答えていますから、間違いありません。

その模様は、季節展示室の映像コーナーでご覧いただけます。

重厚で保存状態も良い、立派な甲冑です。

関ヶ原の戦いで受けたと伝わる矢傷も見どころです。

 

さて、私の個人的な一押しは、刀装具です。

 

残念ながら、刀そのものや拵 (こしらえ)はないのですが、鐔(つば)などの付属品が残されています。

 鐔も立派なのですが、私のおすすめは、「縁(ふち)」と呼ばれるものです。

 

 

刀の握る部分の柄(つか)に付ける金物です。

鐔のすぐ近くに付いているもので、装着されている時はあまり目立たないものかもしれません。

 

まず、金と黒のコントラストが目を引きます。

よく見ると、そこに表されているのは、おたまじゃくしです。

ちなみにおたまじゃくしの別称は「蝌蚪(かと)」です。

 

ゆったりとした水の流れの中を泳ぐ おたまじゃくし。

なんともかわいい!

 

それにしても おたまじゃくしが工芸品のモチーフになるのは珍しいのではないでしょうか。

春先の一時期しか姿を見せない おたまじゃくしを刀に付けるとは、どんな趣向だったのでしょうか?

興味は尽きません。

 

ぜひケースをのぞき込んで、おたまじゃくしをご鑑賞ください。

 

特集展示「特別展『武蔵国の旗本』を振り返る」は9月6日(日)までです。

 

(2020年8月5日 展示担当 草臥童子)

すご技!

大きな特集展示が始まりました。

たくさんの方に御覧いただきたいと思う一方で、

展示室が密になってしまったらどうしよう!?と、心配も。

たぶん取り越し苦労なのですが…残念我慢

 

もし、特別展示室が少々混み合っている場合は、

常設展示室を御覧になりながら、調整されることをおすすめします。

なにしろ10も部屋があります。

 

第1展示室は、旧石器時代から弥生時代を紹介しています。

この部屋で目を引くのは、縄文土器の移り変わりのコーナーです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めて御覧になる方は、「へぇー」とびっくりされることが多いです。

 

縄文時代に比べると、弥生時代のコーナーはやや抑えめです。

 

私が気になっているのは、弥生時代の壺です。

博物館がある大宮公園から出土した壺は有名ですが、

こちらも是非、注目していただきたいと思います。

 

装飾もシンプルな、地味な壺です。

展示室でも目立たない存在かも。

 

熊谷市の下田町遺跡の方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)から出土しました。

方形周溝墓は、ムラの長(おさ)のお墓です。

 

つまり、お墓から出てきた壺です。

 

真ん中に穴があいています。

死後の世界で使うものとして、日常生活のものと区別するために、わざと穴をあけたと考えられています。

 

 

 

 

近づいて穴のところを見ると、とても薄いことがわかります。

ガラス越しでもわかります。

土器でもこんなに薄く作れるなんて!

1800年も前に、こんなに丁寧に薄く仕上げたのはどんな人だったのでしょうか。

 

すご技に拍手キラキラです。

土器1つにもこんな発見があります。

 

 

よりどりみどりの展示室。

ぜひ、お気に入りの資料を見つけて下さい!

(2020年8月1日 展示担当 草臥童子)

見たことない展示?

特集展示が始まりました。

 

御観覧の皆様に差し上げている「鍾馗様カード」も好評のようです。

ヨカッタ!

 

さて、特集展示「特別展『武蔵国の旗本』を振り返る」では、

公開できなかった幻の特別展を紹介しています。

展示室のロビーの壁には、特別展のタイトル・バナーが掛けられています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旗本の肖像画が勢ぞろい。

御覧いただけなかったのは、本当に残念でした泣く


その前の展示ケースは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

担当内では通称「キャプションの墓場」コーナーと呼んでいます。

 

この特別展のために作成した資料のキャプション(解説板)の一部が入っています。

 

展示資料は既に所有者の元へお返ししたため、このキャプションは もう使うことはありません。

 

通常、特別展のために作成したパネルやキャプションは、終了後すぐに廃棄されます。

資料の所有者がお使いになりたいと言う場合は、差し上げることもありますが、ほとんどは廃棄されます。

ちょっと もったいないという気もいたしますが…

 

担当者の思いを静かに物語るキャプションの山。

乱雑に入れてあるのは、「もう使わない」ことを表現しています。

 

このコーナーは、館内でも賛否がありました。

けれど、無念な思いをそのままお伝えするため、GOとなりました。

担当者、曰く「思いはこんなものじゃない!!」とのことですが…

気持ちはわかるけど、表現はこのくらいで抑えておきましょう。

 

こんな展示コーナーは、当館では初めてです。(他館でもあるとは…)

そして今後も、あるとは考えられません。

そういう意味ではめったに見ることができない展示です。

どうぞお見逃しなきように!

 

これも新型コロナウィルスの負の遺産。

 

今、当館では、皆様にご協力をいただきながら、御観覧いただいています。

本当にありがとうございます。

少し窮屈ではありますが、安全・安心第一で参りたいと思います。

 

一日も早く、ウィルスが終息する日が来ますように。

(2020年7月29日 展示担当 草臥童子)

 

鍾馗様だけじゃない

ミニ展示「疫病退散!」では、こんな絵も紹介しています。

 

名は「疱瘡除の呪い(ほうそうよけの まじない)」とあり、疱瘡(天然痘)にかからないようにという祈りを込められたものです。

 

御覧のように全体が赤いのは、赤い色は疱瘡を除ける力があるとされたためです。

「赤絵(あかえ)」と呼ばれました。

 

堂々と描かれているのは弓の名手で知られた源為朝です。

 

 

おもしろいのは、上の説明書きに

「ほうそう、はしかは申におよばず流行病のがるゝ事うたがひなし」とあります。

この絵は、疱瘡やはしかだけでなく、「流行病」すべてに効くというのです。

 

そうであれば、きっとコロナウィルスも退治してくれるかな…?

そうあって欲しい!

 

鍾馗と合わせて、昔の人々の病との戦いをぜひ御覧下さい!

※ふざけた絵ではないのですが、真正面から描いた馬の顔がとてもおもしろいので、お見逃しなく。

 

(2020年7月21日 展示担当 草臥童子)

体験ボランティア向けの研修、はじまりました。

6月25日から再開館した当館ですが、まだ再開できていない場所があります。

そう、みんな大好き(?)「ゆめ・体験ひろば」です。

 

このたび、ホームページで告知したとおり、7月21日から感染防止対策を行ったうえで、再開することになりました。

現在、再開に向けてさまざまな準備を進めています。

 

そのひとつが、体験ボランティア向けの研修。

当館の体験にはさまざまな年齢の方がいらっしゃいます。

そのため、それぞれの参加者の進み具合にあわせて、体験ボランティアがお手伝いしたり、一緒に作ったりと、その人に合わせたフォローをしています。

しかし、これまでのように長い時間そばにいて手助けすることが難しいため、体験の進め方を一部変えることにしました。

 

研修では、写真のように距離をとり、十分な換気をしたうえで、ロールプレイングを交えて、すべての体験ボランティアに新しい進め方を伝えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安全・安心な体験を提供できるよう、準備は続きます。

 

(2020年7月19日 学習支援担当 ズッキーニ)

鍾馗様の競演

この夏、豪華2本立ての特集展示をお送りしております。

なんと常設展示料金で御覧いただけます。

 

さらに、御観覧の皆様にささやかですが、

「疫病退散!」の願いを込めて鍾馗様のカードを差し上げております。

なかなか格好良いと、ご好評いただいております。

 

カードをお配りするのに、もとの絵をお見せしない訳にはいきません。

急遽、ミニ展示を行うことになりました。(ほんとにミニですが…)

 

 

 

このカードの元になっているのは、江戸時代の浮世絵師 歌川国芳(うたがわ くによし)の版画です。

 

左手で小鬼を掴んだ鍾馗の力強さ!

疫病だって退散しますよね。

 

国芳は武者絵を得意としましたが、時に西洋画の構図を取り入れるなどさまざまな工夫をし、たくさんの作品を描きました。ちょっと不気味でドラマチックな浮世絵版画は大人気でした。

 

 

 

 

国芳にはたくさんの弟子もいました。

その中の一人が河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)です。

 

国芳の作品と似ているのですが、より激しく、誇張が目立つ表現となっています。

 

師弟の作品をいっしょに御覧になれますので、ぜひ、比べてみてください。

 

 

 

 

(2020年7月18日 展示担当 草臥童子)

ゆめ・体験ひろば7/21から再開! 体験メニューの予約をお待ちしています。

7月21日(火)から、ゆめ・体験ひろばが再開します!

ものづくり体験はまず「藍染めハンカチ」「まが玉」の2メニューから開始します。

 

  

 

他のメニューは、今後の状況次第で徐々に再開していきたいと思います。

しばらくお待ちください。

 

休止期間中は、どうしたら安全に体験メニューを楽しんでいただけるか、悩み、試行錯誤する日々でした。

感染症予防対策をしての再開ですので、これまでとは体験メニューの進め方が少し変わります。

 

大きな違いは、体験メニューの「予約」をしていただくことです。

体験人数が多く「密」になることを避けるため、予約制、時間割制とさせていただきます。

 

体験希望日の1週間前から電話予約を受け付けます。

本日14日から、再開初日・21日の体験予約受付が始まりました!

お電話をお待ちしております。

 

詳しくは「ゆめ・体験ひろばの再開について」のページをご覧ください。

 

(2020年7月14日 学習支援担当 小豆)

 

間もなく特集展示が始まります!

今年度は、新型コロナウィルスの影響で、春の特別展が公開できず、予定していた夏の企画展も延期になりました。

前代未聞のさんざんな事態泣く

 

でも、この夏、当館は二つの特集展示を御用意しました。

 

①特別展「武蔵国の旗本」を振り返る

‟幻の展覧会”とも呼ばれている特別展を振り返る展示です。

館有資料と受託資料から再構成して、「武蔵国の旗本」を紹介します。

 

倍以上の展示資料で構成された特別展には及びませんが、江戸時代の旗本がどんなものであったのか、御理解いただけると思います。

御覧になると「やっぱり特別展が見たかったなあ」と思われるかもしれません。

そのような時は図録『武蔵国の旗本」もぜひ御活用ください。

 

担当者渾身の特集展示。ぜひ、お見逃しなく!

 

 

②太平記絵巻の修理を終えて

修理を終えた巻第六と第十の2巻を公開いたします。

この2巻は修理のため、ここ数年、展示をしておりませんでした。

久しぶりに華麗な合戦絵巻をお楽しみください。

 

今回は、巻第六から有名な場面を紹介しましょう。

 

後醍醐天皇から出陣を命じられた楠木正成。

 

この戦いが最期になると覚悟して、それまで一緒に行動していた幼い息子を故郷へ帰す場面です。

「桜井の別れ」と言われ、忠義を尽くす手本として、戦前・戦中には教科書にも載っていたエピソードです。

 

 

ここで注目したいのは、建物の中の正成の大きさです。

子どもより大きいのは良いとして、外に控える家来たちよりも大きい!

このような表現は、他の場面では見られません。

正成の存在を強調したかったのでしょうか。

 

 

 

 

 

同じ巻第六の最後に、北陸に逃れていた春宮(とうぐう/皇太子)が密かに浦人(漁師)の家に預けられるという場面があります。

春宮は、置き去りにされて心細いのか、顔に袖を当てて泣いているようです。

 

この建物、先の正成が子どもに語る場面と同じです。

 

話としてはまったく別の場所なのですが…

 

 

 

 

また、左の 武士は巻第一に出てくるのですが、上の武士と全く同じポーズです。

 

太平記絵巻の中では、こんな例をたくさん見つけることができます。

長い絵巻を効率的に描くため、同じ構図を利用したと考えられます。

それにしても、建物が全く同じというのは珍しい!

 

 

 

『太平記』は長大・複雑で、物語を読み解くのは難しいのですが、

絵を見ているだけで十分楽しめるのではないかと思います。

 

特集展示は常設展示の観覧料で御覧いただけますので、とってもお得です。

会期は7月18日(土)から9月6日(日)までです。

新型コロナウィルスへの対策を取りながら、満喫していただければ幸いです。

 

(2020年7月9日 展示担当 草臥童子)

手を洗いましょう

5月26日に開館して1ヶ月が経ちました。

最近、新型コロナウィルスの感染者が再び増えているようで、まだまだ油断できません。

 

再開館以来、職員が交代しながら来館される皆様をお迎えしています。

マスクにフェイスシールドの物々しい姿なので、小さなお子さまにギョッとされることもあります…ごめんなさい。

 

検温や連絡先の記入など、お手数をおかけしておりますが、快く御協力くださる方が多く、

「大変ですねぇ」などと声をかけていただくこともあり、恐縮しております。

 

エントランスのデジタルサイネージでは、お子さまにもご理解いただけるよう

コバトン&さいたまっちからのお願いを流しています。

 

  

マスクや手洗いが予防に効果的と言われていますが、世界にはままならない地域がたくさんあり、感染症対策が困難だと報道されています。

いつでもきれいな水で手を洗うことができる私たちは、とても幸せだと感じます。

恩恵を最大限に活かせるよう、しっかり手を洗いたいと思います。

皆様も引き続きご協力をお願いいたします!

 

(2020年7月10日 展示担当 草臥童子)

 

雨に映える新緑を見ながら

   武蔵国一宮氷川神社に隣接する大宮公園

 中央の舟遊池に今ボートの影はなく

 池畔のベンチに座りくつろぐ人、散歩・ジョギングをする人、野鳥観察する人・・・

 池の北端に位置する埼玉県立歴史と民俗の博物館は

 東武アーバンパークライン大宮公園駅から徒歩5分で

 園路を歩き始めるとすぐの正門を入り玄関に向かう

 中庭アプローチに敷き詰められたレンガ調のタイルが小雨に濡れて輝く

 日本のモダニズム建築の巨匠、前川國男が設計した館

 その外壁を印象付ける赤色は

 氏独自の打ち込みタイルで50年近い年月の経過にも色褪せることがない

 エントランスロビーに一歩入ると大きなガラス越しに

 小さな庭「サンクガーデン」の女神像と「百年の杜(もり)」の緑が出迎える

 初夏の緑とタイルの赤色が最もよく調和している今

 館は新たな魅力の発見者の訪れを待っている

 

 

当館は、コロナのための約3か月の臨時休館が終了し5月26日に再開。

6月8日から資料保存を目的とした館内殺虫消毒のための臨時休館を経て、6月18日からまた再開しました。

そんな当館の施設環境の魅力をポエム風に紹介してみました。

 

現在、常設展示室では、美術展示「みほとけの世界」、歴史特集展示「往来物・教科書」、民俗コラム展示「和菓子の世界」、「埼玉における人々のくらしと文化」を展示しています。

 

ショップから見る「百年の杜」の眺めも良く、コーヒーやソフトクリーム、うどんなどの食事が気軽に楽しめます。

3密回避が推奨される今日にあって、大宮公園や当館は、落ち着いて、ゆっくり過ごすことができます。

 

 

 

 

 

 

テラス席

 

 

コロナが終息していない中、どうしても家に閉じこもりがち。

健康で文化的な生活を保つため、氷川神社、大宮公園にお出かけになった折、お立ち寄りください。

消毒や間隔の確保、検温、名簿の提出など、万全の対策をしてお待ちしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2020年7月2日 総務・施設担当 池端樹林)

少しうれしいお知らせです

約3ヶ月、臨時休館しておりましたが、5月26日から開館しました。

 

まだまだ油断できない時期です。

入館に当たっては、いろいろ御不便をおかけすることもございますが、

皆様と博物館を守るため、どうぞ御協力をお願いいたします。

 

お客さまをお迎えするのは緊張しますが、本当にありがたいことです。

「来られてよかった」という声に励まされます。

 

さて、今年度の当館の事業計画が、大幅に変更になりました。

 

夏に開催予定であった企画展「太平記絵巻」は、

コロナウィルス感染拡大防止の関係で、準備に支障をきたし、

やむを得ず延期することになりました。

東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるための展覧会であったことも延期の理由の一つです。

ただし、この展示に向けて修理を行った2巻(巻第六、十)を特集展示として公開いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで、休館中、特別展「武蔵国の旗本」の会期は終了してしまいました。

旗本展では寺社や個人の御協力で、たくさんの資料を出品していただき、現在、お返ししていることは、先日お伝えしました。

 

会期中、また会期後も「見たかった」「残念だ」というお声を頂戴しました。

 

展示資料には拝借したものだけではなく、館有のものや長期にわたりお預かりしているものもあります。

そこで、特別展のごく一部にはなりますが、特集展示を行うことにいたしました!

 

フルバージョンで御覧いただけないのは誠に残念ですが、「武蔵国の旗本」の世界を少しでも御覧いただけるのは、うれしくてなりません。

担当者はまだまだ気が抜けない状況になるわけで…ちょっと心配です。

でも、努力と苦労が報われる…かな。

 

いずれの特集展示も7月18日(土)から9月6日(日)までを予定しています。

詳しいことは追ってお知らせいたしますので、もう少しお待ちください。

(当館ホームページの「夏の特集展示」のページも合わせてご覧ください。)

 

そして、引き続き石けんで手を洗うことをお忘れなく、お健やかにお過ごしください。

(2020年6月12日 展示担当 草臥童子)

特別展「武蔵国の旗本」終了…無念!

3月20日(金・祝)にオープン予定だった特別展「武蔵国の旗本」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とうとう1日も開館できないまま会期終了となりました。

 

展示した資料は撤収され、展示室はガランとしてしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思えば、昨年秋の特別展「子ども/おもちゃの博覧会」は、

初日と2日目が台風のため、臨時休館となりました。

その時は、「展覧会中に臨時休館になるなんて前代未聞!」と思ったのですが、

今回はそれをはるかに超える緊急事態でした。

こんなことが起こるなんて…

 

新型コロナウィルスの脅威を抑えるため、仕方がないことでした。

とはいえ、来館者をお迎えできなかったのは、本当に悲しく、辛いことです。

 

現在、拝借した大切な資料を所有者の元にお返ししているところです。

担当者は粛々と進めていますが、日程調整などが思うように進まず、

すべてを終えるにはまだ時間がかかりそうです。

 

実物資料には及びませんが、図録で展示の内容を御覧いただけますので、

御活用いただければ幸いです。

 

(2020年5月27日 展示担当 草臥童子)

 

明治時代の教科書の中に

 

臨時休館してから2ヶ月になりました。

 

常設展示室の特集展示「往来物・教科書」も静かに開館を待っています。

江戸時代の寺子屋や、明治時代に使われた教科書を紹介しているミニコーナーです。

 

 

 

展示資料の中に、『埼玉県地理』という本があります。

※開いて展示しているため、表紙(写真右)は見えません。

埼玉県が明治26年(1893)に編集・発行した地理の本です。

地域で教科書が作れた頃のものです。

 

その中に、県内各地の産物を紹介するページがあります。

 

 

 

「秩父絹 秩父郡各所ヨリ出ヅ。縹色ニ染メテ、衣服ノ裏ニ用フ。其久シキニ耐フルヲ以テ、貴重セラル。」

 

この頃の秩父の絹織物は、縹色(はなだいろ)と呼ばれる薄い藍色で知られていました。

どちらかというと控えめな色あいで、丈夫であるため、衣服の裏地に重宝されていたようです。

 

この本での紹介はここまでですが、その後、新しい染めの技術とともに、銘仙(めいせん)と呼ばれる絹織物が生み出され、

大正から昭和にかけて、美しい模様で多くの女性を魅了するようになります。

 

そのあたりのことは、特別展「銘仙」で紹介すべく、粛々と準備が進められています。

 

新型コロナウィルスの影響で、思うように進まないのがもどかしいところですが、

今できることを確実に、スタッフは静かに準備をしています。

 

(2020年5月19日 展示担当 草臥童子)

当館のロゴマーク

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、御紹介しました当館のロゴマークは、平成6年(1994年)にできました。

埼玉県立博物館のころのお話です。

四半世紀も使われているのですが、御存知でしたでしょうか?

 

モチーフになっているケヤキは、県の木で、博物館の周囲にもたくさん植えられています。

 

4本の木は、春・夏・秋・冬の四季のうつろいを表していて、「時の流れ(歴史)や埼玉の多彩な文化、博物館の持つ機能の多様性を表現」したものです。

 

バーンと主張する強さはありませんが、意味の深いマークです。

 

平成18年に埼玉県立歴史と民俗の博物館になった際にも、このマークは継続して使われることになりました。

 

一見控えめで、でもずっしりと存在感のある…博物館でありたいです。

 

(2020年5月13日 展示担当 草臥童子)

「藍染めハンカチ作り」「まが玉作り」の職員研修をしました

例年、4月末から5月の大型連休中は、大勢のお客様で博物館が賑わう時期ですが、今年は残念ながら5月6日まで臨時休館。

そうした中、ゆめ・体験ひろばの通常体験メニューの職員研修を行いました。

大型連休へ向け全館体制でお客様をお迎えするために毎年行っている研修ですが、今年も職員のスキルアップのため実施しました。

今回の研修は「藍染めハンカチ作り」と「まが玉作り」。

職員がお客様役になり、担当者から説明を受け、体験スタートです。

 

まずは藍染め体験。

染めたい図柄を選び、型付けをし、藍甕にハンカチを入れます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

型をはずしたら、鮮やかな模様が現れました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次はまが玉作りです。

職員の説明をうけ、黙々と石を削り、磨く作業が続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

密集しないよう、離れた席に座ったため、人と会話ができず、静かに作業が進みます・・・・。

磨くこと約1時間、できあがりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休館が続き、さびしいゆめ・体験ひろばでしたが、久しぶりに活気が戻ったようです。

それにしても、お客様が、御家族やボランティアと話をしながら楽しそうにものづくりをする、

賑やかなゆめ・体験ひろばに早く戻ってほしいと改めて思います。

 

(2020年5月3日 学習支援担当 小豆)

 

季節は巡る

   

 

4月初旬には、つぼみだった生け垣のつつじは20日頃には満開になりました。

 

 

 

博物館周囲の木々も、日ごとに緑が濃くなってきました。

 

やわらかい黄緑色の葉っぱが陽射しに揺れる美しさは格別です。

毎年、桜の後に訪れる自然からの贈り物です。

 

でも、この若葉の季節も、ほんの一時。

緑はどんどん濃くなり、すぐに見られなくなってしまいます。

 

  

 

そういえば、当館のロゴマークは、ケヤキの四季の移り変わりを表したものです。

 

春・夏・秋・冬と、毎年同じように姿を変えながら、すこしずつ成長していく木のように。

 

今は世界中が真冬のような感じですが、じっと耐えて、春を迎える準備をいたしましょう。

 

(2020年5月1日 展示担当 草臥童子)

さびしいポスターたち…

2月29日以来、展示棟はしーんとしています。

いつでもお客さまをお迎えできるよう、日々、点検や清掃は行っていますが、それ以外の時間、展示室は真っ暗です。

点検しながら、ふと、掲示板に目がとまりました。

 

 

日ごろ、全国の博物館や美術館からたくさんのポスターが送られて来ます。

常設展示室外の通路にある掲示板で、皆様に御覧いただいています。

 

 

色とりどりの工夫されたポスターは、当館の展覧会のポスターを作る際に参考になります。

 

でも、今、掲示されているものの大半は、見ることができません。

ああ、こんな展覧会があったんだ、見に行きたいなと思っても、新型コロナウィルスの影響で、休館中のところばかり。

会期を残しながら「終了」のお知らせを載せているホームページも少なくありません。

 

当館も特別展「武蔵国の旗本」をお披露目できずにいます。

辛いけれど。悔しいけれど…

 

命、健康を大切にすることを第一に、世界中の人々がじっと耐えている日々。

 

命がけで最前線で闘ってくださる医療関係者の方々に感謝しながら、

博物館にお客さまをお迎えできる日常が、一日でも早く戻るよう祈っています。

 

(2020年4月28日 展示担当 草臥童子)

 

もうすぐ端午の節句

当館の収蔵品である「年中行事絵巻(摸本/もほん)」の一場面です。

 

 

 

 

 

 

 

 

年中行事絵巻は、平安時代後期にさまざまな儀式や行事を記録するために作られたもので、

残念ながら原本は伝わっていませんが、摸本(もほん)=写しが約30種類伝わっています。

当館の資料もその一つです。

本来あるはずの色はほとんど塗られておらず、あっさりした線だけなので、かなり地味です。

 

左の男性は、右手を伸ばして何か持っています。先の方にはヒョロヒョロしたものがついています。

右側の男性は、飛び上がっています。その視線の先には、丸い玉のようなものが。

この人たちは何をしているのでしょうか。

 

飛び上がっている男性のさらに右にいる人物にヒントがあります。

 

姿勢を低くして、一点を見つめています。

 

棒のようなものを持っているようですが、実はこれ、ヒモをつけた石をブンブン回しているところです。

円はその軌道です。マンガみたいですね。

 

 

ケンカ!?ではなく、その昔、五月五日に石を投げ合って合戦のような遊びをしたそうですが、その様子を描いたものです。

遊びと言っても石を投げるのですから、大怪我になることもあったようです。

 

案の定、怪我をしている人もいます。

烏帽子は曲がり、服には何カ所も血がついています。

 

家の中から、外の騒ぎを不安そうに見ている人たちもいます。

 

その家の軒先には、何か下がっています。

 

これは菖蒲の葉です。

邪鬼を払うとされる菖蒲を軒に差して、健康を祈りました。

 

菖蒲で邪気を払うという考え方は、端午の節句に菖蒲湯に入り無病息災を願う行事に続いています。

 

できることなら、新型コロナウィルスも追い払いたい!

 

悪い病気の流行が収まる日が一日でも早く来ますように。

今年の菖蒲湯は強い願いを込めながら…

 

(2020年4月22日 展示担当 草臥童子)

 

 

休館中のお仕事 学び文庫の整理

開館しているときにはなかなかできないけれど、休館中だからこそ思いきってできる仕事。

その一つが、学び文庫の総整理です。

 

当館では、ゆめ・体験ひろばの中に、学び文庫という図書コーナーを設けています。

ここには、県内の自治体が発行した本や博物館の図録をはじめとして、

埼玉の歴史や文化を調べるうえで参考になる本が配架されていて、どなたでもお読みいただけます。

(貸出やコピーサービスは行っていません)

 

開館してお客さまを迎えている最中には、こうした整理はなかなか一気にはできません。

そこで、休館中のこの機会に、配架された本を確認し、書誌データを直す作業をはじめました。

 

 

 

左の写真のように、一度すべての本を確認し、破れや壊れはないか、書誌データは登録されているかを確認します。

その後、右の写真のように、書誌データがないものは登録したり、データが間違っている場合は直したりしていきます。

 

一見、地味な作業ですが、所蔵資料と同じように、どこに何があるかをきちんと把握することは、

博物館でもっとも大切なことの一つです。

4月から新しく入った筆者も、図録を見ながら「ここの博物館はこんな展覧会をやっていたのか」と、

新鮮な気持ちで作業をしています。

 

以前よりスッキリするであろう学び文庫に、ご期待ください。

 

(2020年4月17日 学習支援担当 ズッキーニ)

休館中のお仕事 「昔の道具体験」準備しています!

お休み中の博物館ですが、開館に向けて、スタッフはさまざまな準備を進めています。

その一つが、新しく仲間入りしたスタッフ(わたしもその一人です)への、体験学習の伝授です。

 

当館では、学校向けにさまざまな体験メニューを用意しています。

その目玉が、昔の道具体験。

一人ひとりが石うすや背負いかごなどの道具に触れて、昔の人びとのくらしぶりを学ぶメニューです。

写真は、新しいスタッフ二人が、落ち葉などを運ぶための背負いかごと背負いばしごを背負っているところ、

もう一枚は、石うすの使い方を教わっているところです。

 

 

背負いかごも背負いばしごも、意外に重い!!

そして石うすは、力加減と回す速さが難しい!!

 

実際に体験することで、気をつけなければならないところがわかってきます。

来館した子どもたちが安全に、安心して体験できるよう、スタッフの練習は続きます。

 

(2020年4月9日 学習支援担当 ズッキーニ)

 

 

夏の企画展「太平記絵巻」 先取り情報

博物館の周りの桜は、終わりに近づいています。

新型コロナウィルスの影響で重苦しい空気が包み込んでいます(-_-)。

それでも今年も大宮公園では桜が美しい花を咲かせてくれました。

毎年、花見をしつつ、当館の見学を楽しんで下さる方もたくさんいらっしゃるに違いないのに…とため息をつく毎日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、これは、「太平記絵巻」という長大な絵巻物の巻頭の場面です。

満開の桜と、柳の新緑が春であることを示しています。

物語の始まりは、春、ですよね。

この柳の描き方が、とても繊細で上品、しなやかで若芽のやわらかい感じがよく出ています。

 

その左に目をやると、たくさんの人々がいます。

皆色とりどりの装束を身に着けています。

しかもそれぞれに細かい模様が描き込まれていて、おどろきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今年の大河ドラマは色彩豊かということが話題になっていますが、

「太平記絵巻」に描かれた人々も負けてはいません。

…あっ、別に争っている訳ではないですね(^^。

 

「太平記絵巻」は、7月18日(土)から企画展「太平記絵巻」で展示いたします。

久しぶりの公開となります。

 

いろいろな楽しみ方を少しずつ、不定期に紹介していければと考えております。

予習(?)にお役立ていただければ幸いです。

 

 

でも、その前に、特別展「武蔵国の旗本」!

一日も早くを御覧いただけるよう、祈る毎日です。

(2020年4月7日 展示担当 草臥童子)