このページは令和4年12月5日(月)からの工事休館中において、埼玉県立歴史と民俗の博物館のスタッフが、休館中の博物館の様子や出張イベント、日々の業務から感じたことなどを皆様にお伝えしていくページです。
各スタッフが自分の言葉で語りますので、ややつたない表現になることもあるかもしれませんが、大目に見ていただければ幸いです。
お待たせしました!~埼玉県立歴史と民俗の博物館再開館のお知らせ~
明日より埼玉県立歴史と民俗の博物館が再開館いたします。約10ヶ月の休館を経て、おかげさまで館内の至る所が元気に回復いたしました。
工事休館中ブログでもご紹介してまいりましたが、今回の改修工事では、皆様により安全にご観覧していただけるように、また、博物館の資料を長く守り続けていくために、消火設備や空調系統を新しくいたしました。
また、展示資料をよりクリアに見ていただけるように、展示ケースのガラスを一部新しくいたしました。改修工事に任せるだけでなく職員たちも総出で博物館を清掃いたしました。隅々まできれいになった施設は心なしかすっきりしたように見えます。
目に見えて新しくなった箇所は少ないかもしれませんが、改修工事後の変化もお楽しみください。
休館中でも当館を楽しんでいただけるよう、様々な企画を行ってまいりました。学芸員が皆様の街にお邪魔した、出張講座「あなたの街にも「れきみん埼玉」」、出張ものづくり体験「あなたの街にも「ゆめ・体験ひろば」」。れきみん埼玉をより知っていただくための「れきみんクイズ」。お楽しみいただけましたでしょうか?
再開館にあたり企画は終了となりますが、デジタルコンテンツは今後も残りますので引き続きお楽しみください。
明日からのれきみん埼玉もイベントが盛りだくさんです。早速、開館初日の10月14日(土)と15日(日)に「れきみん施設改修リニューアル・イベント」が開催されます。
国指定重要無形民俗文化財の玉敷神社神楽の披露や、改修工事の変化がよく分かる博物館裏方探検隊スペシャル、リニューアルした展示解説ツアーなど、様々なイベントをご用意して皆様をお出迎えいたします。
これからも末永く愛される博物館として励んでまいります。職員一同皆様の御来館を心よりお待ちしております!
令和5年10月13日(金) 大宮公園のコネコ
【#休館中のお仕事】新しい姿に
大規模改修工事の様子については、このブログでたびたび紹介しています。
今回は以前にブログで紹介した場所のその後の様子をお見せします。
こちらは特別展示室の様子です。
4月に「開館から50年間、多くの来館者が行き交った床材」として紹介した特別展示室の床に、新しい床材が貼り付けられています。
正方形のプレートを敷き詰めていた以前の様子と比べて、床材1枚がかなり大きくなりました。(長尺シートと言います。)
10月からはこの大きな床材が博物館を支えてくれます。
8月15日のブログで紹介したときには、裏側が丸見えだった壁面展示ケースにガラスを取り付けています。
写真に映るガラス1枚の高さは3m、厚さは1cm、重さは240㎏にもなります。
新しいガラスは工事前のものと比べて、かなり透明度の高いものになっています。
職人の皆様にはガラスに傷がつかないように丁寧に取り付けていただいています。
工事現場のその後の様子はいかがでしたか?
写真から伝わる工事の雰囲気も徐々に完成が近づいてきたことが感じられたでしょうか。
再オープン日の10月14日には、特別企画も用意されています。お楽しみに!
令和5年9月5日(火) ひよっこ
【#休館中のお仕事】「まが玉づくり体験」を開催しました!
工事休館中のイベント「出張!あなたの街にもゆめ・体験ひろば」のうち、「まが玉づくり」を開催しました。
まが玉づくり体験は、「ゆめ・体験ひろば」の通常体験メニューのひとつ。滑石(かっせき)という柔らかい石を紙やすりで削って、自分だけのオリジナルまが玉を作る体験です。
6月10日(土)に自然の博物館、7月23日(日)に近代美術館で、それぞれまが玉づくり体験を行いました。どちらの回もたくさんの方にご参加いただきました。
まが玉の解説を聞く参加者(自然の博物館)
自然の博物館も近代美術館も、普段はまが玉づくり体験は実施していない施設。参加者の大半が初めてのまが玉づくり体験となりました。
滑石は爪より柔らかいといえど石は石。石のカドを取って曲がった形を削りだしつつ、全体をなめらかに磨くのは大変です。紙やすりをボロボロにしながら磨いていきます。
親子でまが玉づくりに挑戦(近代美術館)
目の粗い紙やすりで形を整えたら、目の細かい紙やすりで傷を取り、表面を磨いて「玉」へと近づけていきます。
参加者の皆さんは段々つるつるになって掴みづらくなっていくまが玉に苦戦しながらも、思い思いのまが玉を完成させていました。
歴史と民俗の博物館の通常体験には、まが玉づくり以外にも絵巻物づくりや藍染めハンカチづくりなど、さまざまなものづくりメニューがあります。
「ベーゴマ教室」や「十二単・小袿と男子装束着装体験」、「火起こし体験」などものづくり以外の体験メニューも再開館に向けて準備中ですので、お見逃しなく!
令和5年8月30日(水) 遺跡掘り掘り
【#れきみん埼玉ちゃんねる】「博物館の楽しみ方を知ろう」動画紹介
現在、工事休館中の埼玉県立歴史と民俗の博物館ですが…
休館期間中でも皆さまにお楽しみいただけるように、館公式YouTubeチャンネル「れきみん埼玉ちゃんねる」に様々な動画をアップしています!
今回はその中から、「博物館の楽しみ方を知ろう」シリーズについてご紹介します。
このシリーズは、当館応援キャラクターの『たまちゃん』が博物館内の見どころなどをご紹介するものです。
現在は常設展示室1~5室、常設展示室6~10室の2本が公開されています。
ご自宅で歴史と民俗の博物館に来た気分を感じることができます。
館内については、たまちゃんが分かりやすく教えてくれるので、来館したことのない皆さまもぜひご覧ください。
今後は展示室以外のエリアも紹介予定です。
博物館の楽しみ方を知ろう!(常設展示室1~5室)
(YouTubeのページに移動します)
博物館の楽しみ方を知ろう!(常設展示室6~10室)
(YouTubeのページに移動します)
令和5年8月23日(水) 『れきみん埼玉ちゃんねる』放送局
【#休館中のお仕事】普段は見られないこんな所
12月5日からはじまった工事も8か月が経とうとしています。
冷房もなく蒸し暑い中、工事現場では多くの工事関係者の方が頑張っています。
さて、そんな博物館内の状況ですが、各所で内装工事が進んでいます。今回は工事中ならではの風景を御紹介します。
工事開始後に天井を解体し、配線関係の工事をしていました。
それが終了し、復旧に向けて新しいボードを打ち付けています。黄色い下地がみるみる埋まっていきます。
こちらは常設展示室第3展示室の壁面展示ケースです。
今は新設工事の途中の状態で、裏側が丸見えの状態になっています。壁のつなぎ目が補強されていることで模様のように見えます。これから内装の仕上げ工事を実施し、ガラスを取り付けていくことになります。
防火シャッターが更新されました。
シャッターが下りた状態はなかなか目にすることがないと思います。新たに、有事の際はシャッターで火を遮りながら、右の扉から避難することができるようになりました。
再開館の10月14日(土)まであと2か月です。
もうしばらくお待ちいただければと思います。
令和5年8月15日(火) ひよっこ
ミュージアム・キャラクターアワードに「てんぐまい三人衆」が参戦!!
気づけば7月もあと1週間…早いものですね。
さて、そんな本日、7月25日より開催の「ミュージアム・キャラクターアワード2023」に、当館から「てんぐまい三人衆」が参戦いたします!
「ミュージアム・キャラクターアワード」とは、日本全国の博物館・美術館施設を紹介するインターネットサイトである『アイエム[インターネットミュージアム]』において、2010年から毎年実施しているミュージアムキャラクターの人気投票です。
日本全国のミュージアムから館のオリジナルキャラクターが参加し、日本一のミュージアムキャラクターを決定します。
そして、当館から参戦している「てんぐまい三人衆」と言えばこちら!
当館所蔵の『太平記絵巻』巻第二、北条高時が異類の者にたぶらかされて天狗舞を踊る場面から飛び出したあやしきものたちで、リーダー的存在であるカラス天狗の「テンちゃん」、カワイイ担当の「ウサちゃん」、無邪気な鬼の「オニちゃん」の3人組です。
2017年の企画展「くらべる古美術-見て考える美術のひみつ-」で初登場し、2021年の企画展「太平記絵巻 -描かれた武士の世界-」でも展示パネルやTwitterの連載漫画などで登場しました。
3人については博物館だより第50号で、出典資料とともにくわしく紹介しています。
現在は、『れきみんクイズ』のコーナーでも活躍中ですので、おなじみとなっている方もいらっしゃるかと思います。
「ミュージアム・キャラクターアワード2023」 |
開催期間:令和5年7月25日(火)12:00~9月7日(木)12:00 |
こちらから投票してください!
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投票ルール:おひとり様、1日1回まで。 |
さまざまなキャラクターが参加していますので、是非一度、のぞいてみては如何でしょうか?
もちろん、その際は「てんぐまい三人衆」の応援もお忘れなく!
令和5年7月25日(火) れきみん埼玉キャラクター応援団
【#休館中のお仕事】久喜図書館で「出張パネル展示」を開催中!
夏本番をむかえ、厳しい暑さが続いていますね。
学校の夏休みももうすぐ始まるころでしょうか。
みなさんいかがお過ごしですか?
博物館の「休館中のお仕事」として、県立久喜図書館で子ども向けの出張パネル展示を開催しています。
令和5年8月1日(木)の「夏休みこども講座2023」に合わせた展示です。
出張パネル展示「れきみん埼玉を知っていますか? ~夏休みVer.~」 場所:久喜図書館(久喜市下早見85-5) 入口前スペース 展示期間:令和5年7月19日(水)~8月1日(火) 時間:9:00~20:00(最終日は15:00まで) |
博物館の資料や仕事を楽しく学べる「れきみんクイズ」も出題されていますよ!
県立久喜図書館に行くときには、忘れずにパネル展示も見てくださいね。
令和5年7月19日(水) AM
【#れきみん埼玉ちゃんねる】「学芸員のイッピン」動画紹介
現在、工事休館中の埼玉県立歴史と民俗の博物館ですが、休館期間中でも皆さまにお楽しみいただけるように、館公式YouTubeチャンネル「れきみん埼玉ちゃんねる」に様々な動画をアップしています!
今回は、その中から、「学芸員のイッピン」シリーズを御紹介します。
※ 当館のキャラクター「てんぐまい三人衆」が動画冒頭で御案内します!
このシリーズは、当館所属の学芸員が自分の専門分野の中から、「普段はなかなかお見せできないこの収蔵品をぜひ見てもらいたい!」、という秀逸なイッピン(一品)を選び、皆さまに御紹介するものです。
シリーズは、大きく「考古」、「民俗」、「歴史」、「美術」の4つの分野に分けて、お届けする予定になっています。
開館中では、ここまで詳細に解説することはできない、というものを5分前後に分かりやすくまとめてお送りしますので、是非チェックしてみてください!
まだまだ休館期間中に更新していきますので、お楽しみに!!
→YouTube「れきみん埼玉ちゃんねる」等に公開中の、当館動画一覧はこちら
令和5年7月11日(火) 紫秩父
オンライン授業絶賛受付中です!!
【オンライン授業】
6月中旬に出前授業「古代から教室へ」(6年生)を実施した学校で、実際に触れた土器やその時代の生活についての質問にオンラインでお答えする15分程度の有意義な時間をいただきました。
<配信する職員の様子> | ||
児童の皆さんからは、「縄文時代や弥生時代の人たちは何を食べていたんですか?」、「服装の素材はどんなものだったんですか?」など、積極的な質問をいただき、当館の学芸員がその場で回答させていただきました。
<移動しながら解説することも可能>
児童、生徒の皆さんからの生の声の疑問を、その場で解決できることが双方向で実施するオンライン授業の良さだと思います!また、実際に足を運んでもらうわけではないので、交通費や観覧料なども不要で、一年間に何回でも活用していただくことが可能です。
さらに、1時間単位の授業の全てではなく、授業時間の一部(15分程度)の実施も可能ですので、お気軽に御活用いただけるものとなっています。
オンライン授業のお問合せについては、電話(048-645-8171)または、メール(m4108907@pref.saitama.lg.jp)でお気軽にご相談ください!
「児童、生徒から授業中に質問を受けたけど…、自分で調べたことが正しいか不安だから、正しく回答してあげたい。」、「質問が専門的すぎて、私には難しいけど…、答えられないままも困るなぁ…。」といったお悩みをもった先生方からのお問合せをぜひお待ちしております!
※ 学校にニーズに合わせ、「社会科」、「地理歴史」、「総合的な学習の時間」にとどまらず、オンライン(zoom)を介して様々な学習活動を支援できる場を提供しています。
<オンライン授業配信中!!>
令和5年7月4日(火) ON THE LINE
【#イベント告知】七夕といえば・・・
「デジタルコンテンツ」のページに、7月のオリジナルカレンダーを掲載いたしました。
今回は「七夕」をテーマに、関連する収蔵資料のなかから選びました。七夕は古くから日本人に親しまれていた行事で、様々な資料があります。
ところで七夕といえば、今年は7月7日(金)に大宮公園で県主催イベント「大宮公園七夕Night+」が開催されます(詳細はこちら)。
6月24日(土)には、上記催しのプレイベントがさいたま新都心で開催されました。このイベントでは、7月7日に大宮公園ボート池に浮かべる廃油キャンドルや小川和紙の短冊作りワークショップが行われました。
休館中の当館はイベントには参加しておりませんが、当日新都心のイベントブースに設置され、こどもたちが短冊を飾りつけた竹を当館から提供しております。プレイベントは、休日に新都心を訪れた多くの人で賑わっていました。
7月7日も大宮公園内にイベントブースやステージが設けられ、協賛団体の様々な催しが行われる予定です。
過去の人々が7月7日に星に願いを託していたことにも思いを馳せながら、大宮公園でトクベツな七夕の夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。
令和5年6月29日(木) 真もんじろう
【#休館中のお仕事】お掃除も頑張ってます~
改修工事に伴う休館もすっかり長くなりました...
冬に始まった休館が、いつの間かすっかり夏に。
今日も暑くなりました...
さて今日は、開館に向けて常設展示6室の展示物の下にある玉砂利の清掃をどのように実施したら効率よくできるのかを検討するため、慈光寺開山塔(重要文化財)の複製の周辺で試行的に清掃を行ってみました。
きれいな環境を保つことは博物館の資料にとってとても大切なことですが、玉砂利の清掃のようなことは、開館中はなかなかできない作業なので、こういった工事休館などの機会を活用して実施します。
作業はまず上の方から。
開山塔の上から長いほうきで埃を払います。
次に下の玉砂利を撤去し、掃除機などで掃除を行います。
撤去した玉砂利は、改めて掃除機をかけ、職員の手で一つ一つ、埃を払っていきます。
軍手でこすると汚れがよく落ちる、という意外な?発見もありました。
以上、再開館に向けての準備の一コマ、でした。
本日得られた、新たな知見を基に清掃方法を検討し、再開館までに玉砂利の清掃を全て実施する予定です。
再開館は10月14日(土)の予定です。
すっかりきれいにして皆様をお迎えしたいと、職員一同頑張っています。
令和5年6月26日(月) M
【#イベント紹介】出張展示・後期の見どころ紹介!
深谷市の渋沢栄一記念館にて、現在、出張展示 in 深谷「書画から見よう 栄一と惇忠」を開催中です。
出張展示の会期は残すところ、あと1週間!6月25日(日)で閉幕します。
6月10日(土)には、出張展示の見どころについて、作品を前にして展示解説を行いました。会期中最後の展示解説でしたが、ありがたいことに、多くの方々にご参加いただきました。
今回の出張展示の目玉の一つでもある、尾高惇忠ゆかりの絵画は前期と後期で大幅に展示替えをしました。
前回は前期展示の作品をご紹介しましたので、今回は後期展示の作品の中から、展示を担当した学芸員おすすめの2作品をご紹介します。
渡辺崋山筆「秋柿遊鳥図」 |
1つは、渡辺崋山(わたなべかざん)筆(ひつ)「秋柿遊鳥図(しゅうしゆうちょうず)」(渋沢栄一記念館蔵)です。 渡辺崋山は、三河国(みかわのくに)(現在の愛知県)田原藩士(たはらはんし)です。 本作は、箱書によると、尾高惇忠が富岡製糸場の同僚から贈られたものです。 |
福田半香筆「山水図」 (渋沢栄一記念館蔵) |
もう1つは、福田半香(ふくだはんこう)筆(ひつ)「山水図(さんすいず)」(渋沢栄一記念館蔵)です。 福田半香は、遠江(とおとうみ)(現在の静岡県)出身で、渡辺崋山の門下の文人画家です。 本作は半香が得意とした山水がテーマです。 |
このほかにも、後期展示の作品があります。詳しくは出品目録(こちら)をご覧ください。
出張展示 in 深谷「書画から見よう 栄一と惇忠」では、渋沢栄一と尾高惇忠ゆかりの書画をご紹介してきました。
改修工事を終えた後には、歴史と民俗の博物館で、栄一とも関係の深い本庄出身の実業家・諸井恒平(もろいつねへい)、彼を輩出した諸井家ゆかりの絵画を展示する予定です。再開後の展示もどうぞお楽しみに!
※出張展示 in 深谷「書画から見よう 栄一と惇忠」見どころ動画 の公開は終了しました。
出張展示 in 深谷「書画から見よう 栄一と惇忠」見どころ動画
令和5年6月19日(月) わだつみ
【#休館中のお仕事】「藍染めハンカチづくり@さきたま史跡の博物館」を開催しました!
工事休館中の事業として、「ゆめ・体験ひろば」のものづくり工房が県内各地に出張中です。
5月20日(土)には、県立さきたま史跡の博物館で「藍染めハンカチづくり」を行いました。
年度が替わり、職員の異動もあり、初めて行う「藍染めハンカチづくり」。
実は体験講座で使う藍液も4月に新しく作ったものでした。
樽に藍建て
藍染めがうまくいくのか、教えるのは上手にできるのか・・・。
担当の私は楽しみと不安の両方の気持ちを抱えていました。
迎えた当日。子どもから大人まで、36名の方にご参加いただきました。
ハンカチの絞り方は様々で、皆さん自分だけのオリジナルハンカチを楽しんで作っていました。
ハンカチ見本の説明
割りばしや洗濯ばさみを使い、模様を作ります
ハンカチを藍液に2分間、浸します
ハンカチが空気に触れると青くなります
完成!模様をつけたところが白く残ります
ハンカチの模様は十人十色です
無事に事業を終えることができ、私も一安心です。
久々にお客さんに関わる仕事ができて、嬉しくもありました。
ものづくり体験の出張講座はまだまだ続きます。
最新情報は、当館ホームページの「イベント情報ページ(こちら)」でご確認ください。
令和5年6月13日(火) AM
【#休館中のお仕事】国際友好フェアに出展しました!
ゴールデンウィークから早くも1か月が経ちました。皆様連休はどのように過ごしましたか?
歴史と民俗の博物館は、ゴールデンウィーク中の5月3・4日の国際友好フェアでまが玉作り体験ブースを出展しました。
ブースは予想以上の大盛況!体験スペースを急遽拡大し、2日間で合計100名を超える方にご参加いただきました。
当館の通常体験メニュー【まが玉作り】は、今週末にも出張体験を行います。
6月10日(土)に、長瀞町の埼玉県立自然の博物館で開催します!
→【詳細はこちら】出張ものづくり体験「あなたの街にもゆめ・体験ひろば ~まが玉づくり@自然の博物館~」
まだ若干の空きがありますので、参加をご希望の方は学習支援担当(048‐645‐8171)までご連絡ください。
GWをのがしてしまった方は是非!ご参加お待ちしています!
令和5年6月6日(火) たけのこ掘り掘り
【#休館中のお仕事】さきたま史跡の博物館で館外ボランティア研修を行いました!
開館時に活動いただいている体験学習ボランティアの方を対象として、5月17日(水)に県立さきたま史跡の博物館で「館外スキルアップ研修 第2回 まが玉研修」を行いました。
5月の気候とは思えないような暑い日となりましたが、18名の体験学習ボランティアの方にご参加いただきました。
展示解説の様子
研修のメイン事業は「まが玉づくり体験」です!
通常時の体験ではなく、学校団体向けの体験をやらせていただきました。
学校団体向けのまが玉体験
当館の体験メニューにもまが玉づくりがありますが、さきたま史跡の博物館の方が老舗で色の種類も豊富(白・ピンク・黒)。
中でも黒の滑石が固くて、「作るのに時間がかかる」と言われています。
黒に挑戦されているボランティアの方も数名いらっしゃいました。
まが玉体験の様子 | 黒の滑石に挑戦する方も |
当館でお客さんにまが玉づくりを教えていることもあり、ボランティアの方々は上手にまが玉を仕上げていました。 白やピンクの滑石も当館のものより一回り大きく、作り甲斐があったようです。
午後は、さきたま史跡の博物館の宮原学芸員による解説付きで、埼玉古墳群を見学しました。
瓦塚古墳、愛宕山古墳、二子山古墳を巡り、
瓦塚古墳の解説
丸墓山古墳、稲荷山古墳に登り、
丸墓山古墳からの眺望 | 稲荷山古墳へ登る |
最後に将軍山古墳と展示館を見学。
将軍山古墳へ | 将軍山古墳展示館の見学 |
専門の学芸員による解説付きで、より深く古墳群のことを知ることができ、私も勉強になりました。
ボランティアの方々には、本日の研修での経験を再館後のまが玉づくり体験に活かしていただきたいと思います。
さきたま史跡の博物館の皆さん、研修にご協力いただきありがとうございました。
令和5年6月2日(金) AM
【#休館中のお仕事】当館職員による昭和の原っぱメンテナンス第3弾!~整地作業編~
当館のブログをご覧いただいている方は耳にたこができるほどお聞きかもしれませんが、まず当館の昭和の原っぱについて紹介します。
昭和の原っぱはスバル360を展示するなど昭和30~40年代の雰囲気を再現した無料の屋外スペースとなっています。
子どもから大人まで楽しめる場として親しまれていますが、徐々に劣化してしまった箇所が多かったため、工事休館を機に昭和の原っぱのメンテナンスを始めました。
前々回は手押しポンプ、前回は木製塀のメンテナンスの様子をお伝えしました。
今回は駄菓子小屋の前にある原っぱの整地作業についてお伝えします!
下の写真にあるように、原っぱのコンクリートははがれてボロボロになっていました...。子どもたちが転んでしまう恐れもあったため、休館中メンテナンス第3弾と題して整地作業を始めました!
昭和の原っぱの様子
水で固まる防草砂というものを使って固めていきます。
まず砂をかけ、その後水を撒いていきます。
水を撒いている様子
1時間後に再度水をかけたら完了です。
Before
こんなにボロボロだった原っぱが...
After
なんということでしょう!
見違えるようにきれいになりました!
ここまで3つ昭和の原っぱのメンテナンスについてお伝えしました。
開館までまだ先は長いですが、来館された際はぜひきれいになった昭和の原っぱにもお立ち寄りください。
令和5年5月29日(月) 青池左行
【#イベント紹介】出張展示・前期の見どころ紹介!
深谷市の渋沢栄一記念館にて、現在、出張展示 in 深谷「書画から見よう 栄一と惇忠」を開催中です。
前期展示は5月28日(日)までで、展示替えを行います。
5月29日(月)、30日(火)は渋沢栄一記念館の休館日です。
後期展示は5月31日(水)から始まります。
以前このブログでもご紹介した秩父嶺玉子(復元)、それから渋沢栄一に関する資料は、後期も引き続き展示されていますが、今回の出張展示の目玉の一つでもある、尾高惇忠ゆかりの絵画は前期と後期で大幅に展示替えをします。
前期展示の作品の中から、展示担当者おすすめの2作品をご紹介します。
佐伯圭山筆「山水図」 |
1つは、佐伯圭山(さえきけいざん)筆「山水図(さんすいず)」(渋沢栄一記念館蔵)です。 全体で、縦207㎝、横116㎝もある大きな作品(画面は縦171㎝、横97.2㎝)です。明治7年(1874)、尾高惇忠が佐伯圭山に依頼してこの作品は制作されました。佐伯圭山は、萩藩(長州藩)の藩士で絵も描きました。 高くそびえる山々や山肌の質感、山間を漂うもくもくとした空気など、山水の表現が見どころです。 |
川端玉章筆「嵐山晩秋之図」 |
もう1つは、川端玉章(かわばたぎょくしょう)筆「嵐山晩秋之図(あらしやまばんしゅうのず)」(渋沢栄一記念館蔵)です。 京都嵐山の保津川(ほづがわ)が舞台で、画面手前には材木を筏(いかだ)で運ぶ人の姿が見えます。渓谷を染める紅葉の鮮やかさが印象的な作品です。その美しい色彩をぜひご鑑賞ください。 この作品は明治28年(1895)に制作され、尾高惇忠の娘夫婦に贈られました。川端玉章は、京都の日本画家で、写生を基本とする円山派(まるやまは)の画風を継承しました。 |
このほかにも、前期展示の作品があります。展示替えされる作品が気になった方は、出品目録をご確認ください。
5月13日(土)には、出張展示の見どころについて、作品を前にして展示解説を行いました。 5月31日(水)から始まる後期展示にもぜひご期待ください。 |
令和5年5月24日(水) わだつみ
【#休館中のお仕事】当館職員による昭和の原っぱメンテナンス第2弾!~塀のペンキ塗り~
昭和の原っぱは木製の塀に囲まれた、昭和の雰囲気を楽しめる無料の屋外スペースです。
子どもから大人まで楽しめる場として親しまれていますが、徐々に劣化してしまった箇所が多かったため、この工事休館中に昭和の原っぱのメンテナンスを始めました。
前回は手押しポンプの修理の様子をお伝えしましたが、今回は木製の塀と駄菓子屋のペンキ塗りの様子をお伝えしていきます。
昭和の原っぱの中にある駄菓子屋コーナーには駄菓子をはじめ、昭和の子どもたちが夢中になったおもちゃなどが展示されています。大人には懐かしく、子どもには新鮮に映るかもしれません。
駄菓子屋
そんな駄菓子屋も経年劣化により小屋の塗装が剥げてしまい、汚れが目立つようになっていました。さらに昭和の原っぱを囲む塀も、コケや汚れがいたるところに付いていました。
そこで、駄菓子屋の小屋と塀のペンキ塗りを開始しました!
早速ペンキ塗り!と、いきたいところですが、塀や小屋にはコケや汚れがかなり付いているため、まず塀と小屋を高圧洗浄機等で洗い、その後ペンキを塗っていきます。
塀にペンキを塗る様子
写真のように刷毛を使って塗ります。
少し青味がかったように見えますが、時間が経って乾くと色がなじんでいきます。
繊細な違いにはなりますが、色が変わったのがお分かりいただけますでしょうか?
この調子で駄菓子屋の小屋にもペンキを塗っていきます!
こちらもすこーし変わったのですが、いかがでしょうか?
当館は今秋開館予定です。
再開館した際にぜひ近くで見てみてください!
令和5年5月16日(火) 塀ドリアン
【#埼玉の民俗行事記録】れきみん埼玉ちゃんねるにて公開中!
当館YouTubeチャンネル「れきみん埼玉ちゃんねる」にて、県内の民俗行事記録として2本の動画を公開しています。
公開している動画は、無形民俗文化財調査事業「巡り・廻りの民俗行事」の一環として記録したものです。
行事を撮影した映像データから、ぎゅっと5分ほどの紹介映像を作成しました。
地域に伝わる民俗行事について、少しでも多くの方に興味を持っていただけると嬉しいです。ぜひご覧くださいませ。
さて、ここで無形民俗文化財調査事業について少し紹介したいと思います。
当館では、県内で行われている祭りや行事を調査し、記録作成と普及に取り組んでいます。
公開中の映像は、無形民俗文化財調査事業「巡り・廻りの民俗行事」で記録した行事です。
神仏が一定の地域や家々を巡り・廻る民俗行事は、その特性からこれまで個々の事例がどのように行われてきたのかあまり明らかではありませんでした。そこで、平成28年度から調査を行っています。
Ⅰ期調査(平成28年度~令和元年度)では、仏像や経典、数珠などを持ちながら家々や集落を巡り・廻る行事を対象に調査を行いました。
Ⅱ期調査(令和2年度~)では、「玉敷神社のお獅子さま」の調査を行っています。本行事はそれぞれの地域が玉敷神社(加須市騎西)のお獅子さまを迎え、地域の中を廻り厄除けや五穀豊穣を祈る行事です。その信仰圏は県内だけでなく、群馬県佐波郡玉村町をはじめとする県外まで広がっています。
「風布の回り念仏」(秩父郡長瀞町)はⅠ期調査、「玉敷神社のお獅子さま」(久喜市菖蒲町小林下の寺)はⅡ期調査において調査しました。
行事や調査事業について詳しく知りたいという方は、無形民俗文化財調査事業「巡り・廻りの民俗行事」に関する報告書を参照くださいませ。
本年度は調査事業報告展示「巡り・廻りの民俗行事」も開催します。みなさまお楽しみに!
文化遺産調査活用事業報告展示 「巡り・廻りの民俗行事」
会期:令和6年1月30日(火)から3月3日(日)まで
会場:当館季節展示室
令和5年5月10日(水) 木彫りのこぐま
【#イベント告知】たまちゃん出張中!
れきみん応援キャラクター たまちゃん |
渋沢栄一記念館で開催中の出張展示 in 深谷「書画から見よう 栄一と惇忠」では、秩父嶺玉子(ちちぶねたまこ)(復元)が展示されています。
秩父嶺玉子は、れきみん応援キャラクター『たまちゃん』のモデルになったお人形です。
昭和2年(1927)、日米関係の悪化を危惧し、渋沢栄一は日米人形交流事業を推し進めました。その際、日本からアメリカへ贈られた58体の答礼人形のうち、埼玉県代表の人形が秩父嶺玉子です。
当館では、NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」で展示するために、秩父嶺玉子の復元を行いました。
今回は、たまちゃんこと秩父嶺玉子が当館から出張展示の会場に運ばれる様子をご紹介します。
まず、保存のための桐箱から秩父嶺玉子を取り出します。
次に、今回の出張展示のために秩父嶺玉子の大きさに合わせて作った運搬用の箱に入れます。
箱に収めた秩父嶺玉子が運搬中に傷つかないように、薄葉紙や柔らかい綿で丁寧に梱包します。
梱包が終わったら、箱に蓋をして完了です。
梱包作業は、資料を運搬する専門業者が行います。
学芸員は梱包作業に立ち会い、資料が安全かつ適切に梱包されているか、作業中に他の資料に影響を及ぼすような事故が起きないか、注意深く確認します。
梱包が終わったら、トラックに積み込みます。資料はとてもデリケートなので、美術専用車という特別な設備を備えたトラックで運ばれます。
大宮公園にある当館から、渋沢栄一記念館までは約2時間の道のりです。運搬中に資料が傷つかないよう慎重に運搬します。
渋沢栄一記念館にトラックが到着してからも気が抜けません。展示ケースの中に置くまでは専門業者が慎重に運びます。
当館の学芸員と展示する場所や方法について最終確認をして…
じゃん!
秩父嶺玉子が無事に渋沢栄一記念館に展示されました。
秩父嶺玉子は、6月25日(日)まで渋沢栄一記念館で展示されています。
出張展示 in 深谷「書画から見よう 栄一と惇忠」の詳細は、当館ホームページまたは渋沢栄一記念館ホームページをご確認ください。<当館の『出張展示 in 深谷「書画から見よう 栄一と惇忠」ページ』はこちら>
ぜひ、たまちゃんのモデルになったお人形・秩父嶺玉子に会いに来てくださいね!
令和5年5月2日(火) なんとかバニア
【#おうちミュージアム】元気にたくましく⁉️ 張り子の熊乗り金太郎
5月のオリジナルカレンダーを更新いたしました。
今回ご登場いただいたのは「熊乗り金太郎」さんです!
マサカリを軽々と振りかざし、虚空を見つめるこの表情。何を考えているのかさっぱりわかりません。
こちらを見つめる熊さんも、熊らしからぬ哀愁をたたえた瞳をしています。
桃の節句にはお雛様を飾るように、端午の節句は男子の健やかな成長を願って鎧兜や武者人形などを飾る習わしがあります。五月人形は元気や健康を願って、勇壮な姿をあらわすものが多いですが、この「熊乗り金太郎」さんはなんだかとってもユニークな表情。
越谷市船渡で生まれたこちらの金太郎さんは、郷土玩具「船渡の張り子」のひとつです(「船渡の張り子」についてはカレンダーのページでご紹介しておりますので、そちらもあわせてご覧くださいね)。
郷土玩具ならではの、手しごとの温かみが感じられる逸品です。
また、金太郎さんの背景にもご注目!「菖蒲文様銘仙長着」です。
端午の節句には菖蒲湯に入る風習がありますが、これは菖蒲の強い香りが邪気を祓うとされていたため。また、「勝負」「尚武」などの言葉に掛けて、男の子のたくましい成長を願ったとされます。
端午の節句をとりあげて、季節がたっぷり感じられるカレンダーになりました。また、八十八夜(5月2日)を過ぎると、いよいよ新茶の季節ですね。季節の変わり目ですので、お身体に気を付けて。6月のカレンダーもお楽しみに~!
令和5年4月28日(金) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)
【#休館中のお仕事】当館職員による昭和の原っぱメンテナンス~手押しポンプ完成編~
前回、当館昭和の原っぱにある手押しポンプの修理の様子をお伝えしました。
今回は完成編をお伝えしたいと思います。
~前回までのあらすじ~
昨年11月ごろに手押しポンプを点検したところ、ポンプと板の接合部に水漏れ、さらに木製の蓋が劣化していることが分かり、当館職員で修理を開始しました。
ポンプのさび取りをした後、ペンキを塗りました。緑が映える素敵なポンプになりました!
Before | After |
ということで、ポンプはきれいに生まれ変わることができました!
今回は木製蓋の修理の様子と完成までをお伝えしていきます。
木製の蓋は木材に防腐剤を塗るところからスタートしました。
防腐剤を塗って乾かした後、組み立てて色を塗っていきます。
ポンプの下に付いていた板と蓋も取り付けます。
だんだんと完成に近づいてきました!
最後に取り付け作業を行うと...。
Before
After
なんということでしょう!
とってもきれいなポンプに生まれ変わることができました。
当館は今秋開館予定です。まだまだ先は長いですが、お立ち寄りの際はぜひきれいになったポンプに会いに来てください!
令和5年4月21日(金) ポンプさん
【#イベント告知】出張展示 in 深谷「書画から見よう 栄一と惇忠」が始まります!
休館期間、県民の皆様に当館の活動を紹介するため、深谷市の渋沢栄一記念館と共催で出張展示を開催します。
本展では、当館の収蔵資料の中から渋沢栄一に関連する資料を展示します。また、渋沢栄一記念館が所蔵する尾高家旧蔵の絵画資料もあわせて公開します。
深谷市ゆかりの渋沢栄一と尾高惇忠について、彼らに関する書画などからその人となりや交流関係を紹介します。
チラシ表.pdf | チラシ裏.pdf |
出張展示 in 深谷「書画から見よう 栄一と惇忠」 | |
会期 | 令和5年4月26日(水)~6月25日(日) |
会場 | 渋沢栄一記念館〈深谷市下手計1204〉 ※会場は埼玉県立歴史と民俗の博物館ではございませんので、ご注意ください。 |
開館時間 | 午前9時~午後5時 |
休館日 | 5月29日(月)、5月30日(火) |
入館料 | 無料 |
備考 | 事前予約制(観覧予約優先枠)あり。会期中展示替えあります。 |
関 連 事 業 (1) |
講演会「栄一と惇忠をめぐる美術」 | |
日時 | 令和5年5月21日(日) 午後1時30分~3時 | |
講師 | 井上海(埼玉県立歴史と民俗の博物館 学芸員) | |
参加費 | 無料 | |
会場 | 渋沢栄一記念館 | |
定員 | 50名(事前申込制・先着順) ※申込等の詳細は、渋沢栄一記念館または当館ホームページをご確認ください。 |
関 連 事 業 (2) |
展示担当者による展示解説 | |
日時 | ①令和5年5月13日(土)、②6月10日(土) いずれも午後2時から30分程度 | |
参加費 | 無料 | |
会場 | 渋沢栄一記念館 | |
備考 | 事前申込不要 |
そのほか、関連事業実施中に限り、歴史と民俗の博物館編・NHK大河ドラマ特別展「青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~」(令和3年)図録などを販売します。
こちらの図録購入者には『オリジナルしおり』をプレゼントいたしますので、まだお持ちでない方は、この機会に是非お買い求めください!
令和5年4月18日(火) なんとかバニア
【#休館中のお仕事】「季節のミニアート」製作中です!!
ものづくり工房体験メニューのひとつである「季節のミニアート」。
季節ごとにさまざまなデザインのものがあり、すでに完成しているパーツを台紙に貼りつけていくシンプルな体験メニューのため、未就学児からご年配の方まで、幅広い年代の方にご利用いただいています。
こちらは過去に販売していたミニアートの写真です。すでに売り切れているので、現在は入手できないものとなります。
同じテーマでも、毎年少しずつデザインが変わるため、新しいものが発売されるたびにご購入くださるリピーターのお客様もいらっしゃいます。
ミニアートのキットは体験学習ボランティアの皆さんが作っているのですが、デザインや台紙の色(全てボランティアさんの手塗りです)、折り紙の種類まで細かく考えていただき、ボランティアさんのこだわりがつまったものとなっています。
今年の1月から3月まで、再開館時に販売するためのキットをボランティアの皆さんに製作していただきましたので、ミニアートキット作りの様子を少しだけご紹介します。
作っていたのは新作の「一休さん」。
ボランティアさんは、それぞれの担当に分かれて作業を進めていきます。
こちらでは、和尚さんの法衣に使う黒い用紙を切っています。サイズが決まっているため、慎重にカッターを使って裁断します。
黒い用紙を1枚1枚決まったサイズで切っている様子。
こちらでは、試作品として作った「一休さん」のミニアートを参照しながら、一休さんと和尚さんのパーツを貼りつけています。細かいパーツを貼りつけるため、根気が必要です。
一休さんの帯を貼りつけている様子。
こちらでは試作品をもとに、最終的なレイアウトを検討しています。どの場所にどのパーツを貼るかを決定して、各パーツのサイズを調整します。
今回の「一休さん」のミニアートは、一休さんと和尚さんが「このはしわたるべからず」と書かれた立札の前に立っている場面が採用されました。
この立札の文字は全てボランティアさんが手書きしています!
パーツは全部で10点以上あり、台紙とパーツを袋に詰めたら、最後に解説の紙を封入して完成です。
この後しばらくミニアート作りはお休みとなりますが、工事休館明けには今回製作したミニアートがゆめ・体験ひろばで体験できる予定です。
(売り切れ次第終了となります。)
このように、休館中も博物館では工事休館明けに向けた準備を行っております。秋の再オープンまで先は長いですが、どうぞ楽しみにお待ちください。
令和5年4月14日(金) マナブン
2023年度のイベントガイド公開中!
工事休館中、博物館のイベントは何もないの?
工事が終わった後の展覧会の予定が知りたい…
大変ありがたいことに、こういったお声をいただくことがあります。
今年度の予定を網羅した「2023年度イベントガイド」をホームページ上で公開しています。
今年度は、工事休館中(10月中旬まで)と再開館後(10月中旬以降)の二部構成になっています。
工事休館中は、館外の会場に出張して開催する展示、講座、ものづくりを実施します。
再開館後は2つの特別展をはじめ、例年通り各イベントを準備しております。
イベントガイドはホームページ上で公開しているほか県立の博物館・図書館など各所でも配布していますので、是非お手に取っていただければ幸いです。
各イベントへのご参加をお待ちしています。
2023年度のイベントガイドはこちら↓
令和5年4月11日(火) 真もんじろう
【#休館中のお仕事】どうなってるの?大規模改修工事の様子
12月5日から行っている大規模改修工事の様子を少し御紹介いたします。
休館以来、館内各所で進められてきた準備が整い、解体作業が進んでいます。写真は特別展示室の様子です。
開館から50年間、多くの来館者が行き交った床材が撤去されていきます。
3月20日のブログにて「出会いと別れの春…」という記事がありましたが、このような形で床材と春の別れをすることになろうとは....
長い間お世話になりました!
今回御紹介したリニューアルのように、大規模改修工事は博物館の様々な場所で行われています。
工事ってどんなことしているの?工事で博物館はどんなふうに変わるの?など、もっと大規模改修工事について知りたい方は、ぜひ博物館だより第50号を読んでみてください。
工事の概要について紹介しています!
令和5年4月10日(月) ひよっこ
【#休館中のお仕事】県内どこでも!出前授業承ります
埼玉県民のみなさん、学校の社会科見学で『れきみん埼玉』に行ったことがある! という方も多いのではないでしょうか?
当館では社会科見学にご来館されるみなさんに、展示室の見学だけでなく、「昔の道具体験」や「火おこし実演」などの体験メニューもご提供してまいりました。
昨年12月から工事のために休館となり、残念ながら社会科見学の受け入れができず…
でもご安心ください! 当館では学校への出前授業も行っています。
博物館のプログラムを教室にお届け! 土器や昔の道具、時代衣装などを持って、博物館を飛び出します。教科書だけでは学べない、実物を触って体験していただける授業です。
授業の内容は「古代から教室へ(土器)」「昔の道具体験」「衣装から考える!日本の歴史」「まが玉づくり」など様々です。
今回は例年ご要望の多い、小学校3年生の「昔の道具体験」の様子をちょっぴりご紹介!
どれも電気・ガス・水道がないころによく使われていた道具たちですが、子どもたちにとっては初めて触るものばかり。
洗濯板とたらいで雑巾を洗ってみよう! ひえ~冷たい!
天秤棒で水桶を…おっとっと。
背負い籠・背負梯子で重さを実感! おじいさんは山へ柴刈りに…。
最後に学芸員による解説もあります。電気・ガス・水道がない時代の生活を想像しながら、昔の道具の工夫されているところに注目していきます。
疑問に思ったところをすぐに質問できるのもいいところ! 学校の先生方からも「実物に触れる貴重な機会です」とご好評いただいています。
コロナ禍でリモート化が加速し、インターネット上で様々なコンテンツにアクセスできるようになりました。でもやっぱり、“本物に触る”、というのは何物にも代えがたい体験です。
これからも感染対策には気をつけながら、みなさんに楽しい学びを届けたいと思っています。
児童・生徒のみなさん、再開館したら、博物館でもお待ちしておりますよ~!
令和5年度の出前授業は仮予約を受付中です! ご予約はお早めに!
令和5年3月30日(木) 伽羅盤
【#休館中のお仕事】学び文庫の蔵書点検をおこないました!
博物館の中に、自由に本を読める「学び文庫」というコーナーがあるのをご存知ですか。
こちらには、およそ4,000冊の本が配架されています。各市町村が発行している自治体史や全国の博物館が刊行している図録、専門的な歴史の本や子ども向けの学習まんがまで、埼玉に関する本を中心に、幅広い図書を所蔵しています。
本の貸出やコピーサービスは行っていませんが、学び文庫の閲覧席で自由に本を手に取って読むことができます。
休館中の学び文庫の様子
現在は休館中ですので、皆様にご利用いただくことはできませんが、来館者のいないこのタイミングを利用し、学び文庫の蔵書点検を実施しました。
蔵書点検とは、本の目録と照らし合わせながら、書棚の正しい場所にきちんと本があるかどうかを確認する作業です。
図書館のように膨大な冊数の図書を所蔵しているところでは、本についたバーコードでデータを管理していることが多く、機械でバーコードを読み取って本の所在を確認することができますが、当館の学び文庫の図書にはバーコードがついていないため、1冊1冊目視で確認していきます。
まずは本の背表紙に書いてあるタイトルを確認し、パソコンでキーワード検索をかけ、本のデータがみつかればチェックをします。
この作業を延々と繰り返して、目録に登録されている本が本当に学び文庫にあるかを確認していきます。
タイトルが分かりにくい本は書棚から取り出して確認します。
時々、本の情報(タイトルや著者名など)が間違えて登録されていることがありますので、そういった本を発見した場合も目録のデータを修正します。
全ての本を確認するのは根気のいる作業ですが、来館者の方が気持ちよく学び文庫を利用できるよう環境を整えるのも大切な仕事です。
本のチェックをしながら棚の拭き掃除も同時におこない、さらに本についているしおり紐も、日に当たると退色劣化しやすいため、ページの間にしまいます。
ちょっとしたひと手間が本を長生きさせる秘訣です。皆さんもぜひやってみてくださいね。(開館中はなかなかそこまで手が回らないのが現状ですが……。)
学び文庫の目録は一般の方に公開していませんが、「〇〇という本はありますか」と聞いていただけたらお答えできる場合もありますので、ぜひ博物館が開館したら学び文庫もご利用ください。
令和5年3月29日(水) マナブン
【#おうちミュージアム】さくらの花咲く頃
「デジタルコンテンツ」のページに、4月のオリジナルカレンダーを掲載いたしました。
使用した画像は「嵐山真景図」、埼玉県の嵐山(らんざん)…ではなく、京都府の嵐山(あらしやま)の桜を描いた作品です。
桜の名所として有名な京都嵐山ですが、当館に隣接する大宮公園も「さくら名所100選」に選ばれた埼玉の名所。休館中の当館からも、ミュージアムショップのテラスでは満開の桜を楽しむことができています。
先日は職員数名で昼休みにランチを持ち寄り、ささやかなお花見会を開催しました。来年は、ぜひお客様に御覧いただきたい風景です。
また、カレンダーのページには当館が所蔵する「紙本着色鯉亀図」から飛び出した鯉のコッチと亀のカッチが初登場しています。おっとりした性格のコッチ&せっかちな性格のカッチを、これからよろしくお願いいたします。
「おうちミュージアム」の中には、今までに登場した「てんぐまい三人衆」など博物館の情報発信で活躍する仲間を紹介する「キャラクター紹介」ページもオープンしています。
今後も「れきみん埼玉に住まうものたち」として、様々な仲間が登場するかもしれません。ぜひ、皆さんのお気に入りのキャラクターを探してみてください。
令和5年3月28日(火) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)
【#休館中のお仕事】歴史講座in秩父神社
令和5年3月4日(土)と5日(日)の2日間にわたり、「国宝 謙信景光作刀700年記念」と銘打ち、同刀が奉納された秩父神社において歴史講座を開催しました。
当日に会場の入口に掲げた看板は、秩父神社の薗田宮司様の直筆によるものでした。
1日目は、鎌倉時代後期の秩父神社造営事業に関わった、中村氏、大河原氏をはじめとした丹党の武士団たちの動向を紹介しました。
この時の秩父神社造営が、大河原氏による「謙信景光」等の刀剣類の奉納の契機と考えられます。
2日目は、秩父神社に縁ある5口の刀をテーマとして、その銘文の比較や解釈、それぞれの特徴の紹介等をお話ししました。
2日目の講座は、秩父神社の社報での連載(第58号~64号)に基づいた内容です。秩父神社のホームページで閲覧することができるので、ご興味がある方は下記リンクからご覧ください。
社報「柞乃杜」 | 秩父神社 (chichibu-jinja.or.jp)
両日とも50人以上の受講者があり、秩父地域、県内各地はもちろん、遠くは奈良県から参加された方もいらっしゃるなど、大変な盛況でした。
2日間に分けての開催となり、特に遠方の方にはご足労をおかけいたしましたが、ご参加ありがとうございました。
また、 2日目の終了後には、秩父神社で所蔵されている脇差と、「謙信景光」の写しの見学会も開催しました。
こちらは希望者のみの参加で構わないと案内していましたが、講座を受講された方のほとんどが参加されていました。熱心に鑑賞されており、刀剣や地域の歴史に関する関心の高さが感じられました。
作刀700年の節目を迎える中、改修工事のため当館で講座を開催することができない状況でしたが、「謙信景光」に縁深い地での出張講座という形で無事開催することができました。
秩父神社の皆様には、会場の手配や当日の運営などをはじめ、多大なご協力をいただきました。改めてお礼申し上げます。
令和5年3月27日(月) みそポテト
県庁廊下で「出張パネル展示」を開催中!
桜が満開を迎えた大宮公園。お花見ついでに博物館に寄ってほしいところですが、ご存じのとおり工事のためにお休みです。
長期休館が続く、博物館。このままでは皆さまから忘れられてしまうのではないか…。
そんな一抹の不安を払拭するため、またより多くの方に博物館のことを知ってもらうために、埼玉県庁3階の渡り廊下にて「出張パネル展示」を開催しています。
パネル展示の様子 |
場 所:埼玉県庁(さいたま市浦和区高砂3-15-1) 本庁舎・第二庁舎3階渡り廊下
展示期間:令和5年3月15日(水)~4月14日(金) ※土日祝日はお休み
時 間:8時30分~17時15分(最終日は16時30分まで)
博物館の基本情報をはじめとして、博物館の仕事や収蔵資料の紹介、休館中の事業や休館明けの展示情報など、パネルの内容は盛りだくさんです。
県庁に用事がある際は、ぜひお立ち寄りください。
令和5年3月24日(金) AM
【#おうちミュージアム】出会いと別れの春、そしてお餞別
日本では春といえば、卒業、入学、入社、転勤、退職など出会いと別れの多い季節です。そんな季節に合わせて、れきみん埼玉のオリジナルポチ袋(おせんべつ袋)を作成いたしました。
ペーパークラフト(デジタルコンテンツ)の形で掲載しましたので、御自宅でプリントしてお楽しみください。
この「ポチ袋(おせんべつ袋)」ですが、12月から公開している「ポチ袋(お年玉袋)」と何が違うかというと……
【左】お年玉袋 【右】おせんべつ袋
御覧のとおり、サイズが違います!今回は大きめに作ったため、紙幣を折らずに入れることができます。
お年玉袋でも登場した「梟・三日月・蝙蝠図」の図柄のおせんべつ袋のほか、春めいた桜の銘仙の柄を使用したもの、縄文時代晩期の土偶をワンポイントにあしらったものなど彩り豊かに取り揃えておりますので、用途やお好みに合わせて御活用いただければ幸いです。
令和5年3月20日(月) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)
【#休館中のお仕事】ボランティア研修で八潮市の藍染め工場に行ってきました!
当館では、およそ140名のボランティアの方にご登録いただき、展示室で展示解説を行う展示解説ボランティアと、ものづくり工房で来館者の体験をサポートする体験学習ボランティアに分かれて活動していただいております。
当館は現在長期休館中のため、ボランティア活動もしばらくお休みですが、先日、体験学習ボランティアの方を対象に館外でボランティア研修を行いました。
訪れた場所は、八潮市にある「相澤染工場」です。
当館で実施している藍染めの特別体験や、藍がめのメンテナンスなど、日ごろから色々とお世話になっている相澤先生に講師を務めていただきました。
当館には気軽に体験できる「藍染めハンカチづくり」のメニューがあり、日ごろから体験学習ボランティアの皆さんにものづくり体験をサポートしていただいております。
博物館では簡易的な絞り染めを行っていますが、今回は本格的な型染めに挑戦させていただきました!
まずは使用する型を選び、型の上から防染のりをのせていきます。
のりは多すぎても少なすぎてもうまくいきません。均等にのせられるよう、へらの角度に注意しながら丁寧に作業します。
全体にのりをのせたら、型をはずします。うまくのりがのっているか、緊張の瞬間です。
うまくいきました! かわいらしいハートの形がハンカチにうつりました。
のりの上におがくずをかけてしばらくのりが乾くのを待ちます。
その間に、他の作業も体験させていただきました。
「色差し」です。半纏(はんてん)などに藍以外の色を追加する際に行われる作業です。
染料を防染のりをほどこした布の上にのせていきます。内側から外側へと色を重ねていくときれいなグラデーションになります。
「色差し」した部分が藍色に染まらないように、ホイップクリームを絞り出す時に使うような「筒」と呼ばれる道具を用いて、色の上にのりをのせていきます。この作業が「筒引き」です。
のりをのせた部分は藍で染まらないため、完成するとあざやかな色が残ります。
大漁旗やのれんなど、1点1点文字が異なるものの注文があった場合は、型を作らずに防染のりを直接のせていく「筒書き」という方法を用います。
この「筒書き」も体験させていただきましたが、均等にのりを絞り出すのはとても難しく、ボランティアさんたちも四苦八苦していました。
作業体験をさせていただいているうちに、ハンカチののりが乾きましたので、染めの作業に入ります!
まずはハンカチを浸透剤に浸します。
そして染料の中にハンカチを投入し、ゆっくりと沈めていきます。
今日は2分間、液体にハンカチを浸しました。たまに持つ位置を変えて全体に液体が染みるようにします。
ずっとしゃがんだままなので、気を抜いて液体の中に落ちないように注意が必要です。
染まりました! 全体的に黄色みがあります。
今度はこのハンカチを水の中でバタバタ振ります。この作業で、ハンカチについている防染のりとおがくずを落としていきます。
さらに酸化によって発色させていきます。表面の黄色っぽさがなくなったら、水槽で洗ってまたバタバタ振ります。
しばらく水に浸しておいてアクを取ります。その後脱水と水洗いを数回繰り返し、表面についたアクを取り除きます。
最後に屋外に移動し、ハンカチを風に当てて乾かします。
きれいな藍色のハンカチが完成しました!! 防染のりをのせていた部分が白いハートに染め抜かれています。
参加者全員で集合写真を撮りました。皆さん、とってもすてきな柄のハンカチができあがり、満足げな表情です。
ぜひ今回の研修で学んだことを、再開館後のボランティア活動に活かしていただければと思います。
相澤染工場では、一般の方の藍染め体験も受け入れているそうです。
興味を持たれた方はぜひ体験してみてください。
(当館でも簡単な藍染め体験を行っておりますので、再開館後にぜひお越しください!)
令和5年3月13日(月) 鰡犬
【#おうちミュージアム】春の気配はすぐそこに…
3月のオリジナルカレンダーを更新いたしました!
昨年は、この時期に民俗展示室にて雛壇を飾り来館者の皆様をお迎えしておりました。今年は工事休館中につき当館自慢の雛壇を披露することができないため、カレンダーとして御覧いただければと思っています。
また、画像の余白には休館前の企画展で好評を博した銘仙の柄をあしらいました。現在、大宮公園では梅の花が見頃を迎えています。今の季節にピッタリな梅文様銘仙も併せてお楽しみください。
本日で2月が終わり、今年度も残すところ1か月です。れきみん埼玉グッズ開発室(仮)では、年度内の公開を目指すコンテンツや来年度のリニューアルオープンに向けた新商品の検討を日々重ねています。
ぜひ、御期待いただければと思います!
令和5年2月28日(火) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)
【#探訪!資料の故郷】皆野町・金崎古墳群大堺3号墳を訪ねる
常設展示室2室に展示されている古墳の模型は、皆野町に所在する金崎(かなさき)古墳群のうち、大堺(おおざかい)3号墳のものです。昭和57年(1982)に、当館の展示改装事業の一環として石室の実測調査を実施し、その成果をもとに模型が作られました。
現地は今どうなっているのでしょうか。実際に訪れてみました。
大堺3号墳は秩父鉄道上長瀞駅から徒歩5分、有名なかき氷店から国道を挟んで向かい側の、畑の中に位置しています。写真左寄りの小高い盛土が3号墳、右寄りの奥に見えるやや低い盛土は1号墳です。隣接する2号墳、少し離れたところにある天神塚古墳と合わせて4基の円墳が現存し、県指定史跡になっています。
大堺3号墳は、7世紀の初頭に造られたと考えられています。石室は古くから開口しており、かつて直刀や金環、管玉などが出土したと伝わっています。
3号墳の墳丘に近づいていくと、石室が見えてきます。写真を撮影した位置が、本来の石室入口(羨門)付近です。立入禁止の看板が掲示されているのが玄門で、手前側は羨道と呼ばれる玄室に続くトンネル状の通路になっていました。
模型は、現在壊れてしまっている羨道と墳丘盛土を復元し、その断面を示すように製作されています。
石室の各部位を示す用語は具体的な場所がイメージしにくいかと思いますので、それぞれがどこを指しているのかは石室の平面図を御確認ください。
石室内を覗き込むと、結晶片岩を中心に多くの石がびっしりと積まれているのが見えます。側壁は上部に向かうにつれてせり出し、ドーム状に曲線を描いています。よく見ると、下の方には大きめの石が多用され、上に向かうにつれて小さくなり、円礫が多く混じっているのがわかります。また、玄室の平面形に注目すると、徳利のように胴が張る点に特徴があります。
また、奥壁には大きな板石が3枚用いられており、下から順に紅簾石片岩、緑泥石片岩、石墨片岩となっています。それぞれ少しずつ色合いが異なっており、視覚的な効果を意識して使い分けたのかもしれません。大きな板石は天井にも用いられています。
金崎古墳群から近い、荒川にかかる親鼻橋の上流右岸には、紅簾石片岩の露頭が所在します。また、下流側に広がる長瀞一帯は、緑泥石片岩の代表的な産地として有名です。
大堺2号墳でもほぼ同様の石室が見られ、地元で比較的容易に入手できる石材を有効に活用していることがわかります。
大堺3号墳は自由に見学できますが、周辺は住宅や畑に囲まれています。見学の際には、迷惑とならないよう十分に御配慮ください。また、事故防止のため、石室内には絶対に立ち入らないようお願いいたします。
近隣には岩畳や宝登山神社、県立自然の博物館といったスポットが所在します。長瀞観光の際には、これらと合わせてぜひ御覧になってはいかがでしょうか。
令和5年2月15日(水) みそポテト
【#休館中のお仕事】昭和の原っぱ 手押しポンプの修理はじめました!
現在大規模改修工事が始まり、休館している当館ですが、時を同じくして始まったあるプロジェクトがあります。
それが、『手押しポンプの修理』です!
手押しポンプは「昭和の原っぱ」という昭和30~40年代の雰囲気を再現した無料の屋外スペースにあります。実際にお水を出すことができ、子どもから大人まで多くの方が利用しています。
そんなポンプですが昨年11月頃、水の出が悪かったので様子を見てみると、ポンプと木製の板との接合部から水漏れしていることが分かりました。さらに木製の蓋も古くなっていたため、これを機に修理を始めることにしました!
手押しポンプ
(上からポンプ、板、木製蓋)
まずは蓋とポンプを外してポンプのさび取りから。この作業がとても大変・・・。
数十年分のさびをやすりで根気強く落としていきます。
さびが落とせたらペンキで色を塗っていきます。
さび取りの様子
ってあれ?茶色くなってしまいました...。
でもご安心ください。これは間違えたのでも心機一転で色を変えたのでもなく、さび止めを塗ったためです。
このさび止めを塗った後、緑色のペンキを塗っていきます。すると・・・
なんということでしょう。きれいな緑色になりました!
完成まであと少し!次回は完成編の様子をお伝えします。お楽しみに!
令和5年2月7日(火) ポンプさん
【#おうちミュージアム】もうすぐ節分!
休館中にも皆様に当館の収蔵資料に親しんでもらいたいという趣旨から始まった、当館のオリジナルカレンダー。本日、2月分を更新しましたのでお知らせいたします。
2月は、節分にちなんで鬼童丸という鬼が描かれた錦絵です。武者絵と十二支の動物を組み合わせた「武勇見立十二支」シリーズの「丑」にあたります。源頼光に恨みを持つ鬼童丸が牛を殺してその皮を被り、草むらに身を潜ませ待ち伏せしたという説話が元となっています。
また、節分イベントでお使いいただける「鬼の面」についてもデジタルコンテンツとして公開しました。ぜひ御自宅のプリンター等で印刷し、豆撒きの際に御活用ください。
令和5年1月25日(水) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)
【#探訪!資料の故郷】箱式石棺が語る埼玉の古墳時代
第2展示室に入ると目につく、石を組み合わせてつくった大きな箱。お気づきの方も多いかと思いますが、これは古墳時代に用いられた石の棺、箱式石棺なんです。展示室にあるものは複製品ですが、実物と同じように埼玉県の長瀞地域を中心に採れる緑泥石片岩を用いています。設置してから今日にいたるまで動かしたことがないので、その重さは正確にはわかりませんが、展示室でも重量級の資料の一つです。
当館常設展示中の川島町大塚古墳出土の箱式石棺複製
先日、近くを通りかかった際にこの石棺の実物を訪れる機会がありましたので、石棺の現状と特徴についてご紹介します。
この石棺は川島町の大塚古墳から、江戸時代の文化年間(1804~1817)に掘り出されたもので、当時は棺の中から刀剣や鏃なども出土したそうです。出土品は地元の陣屋へ届けられたようですが、現在は伝わっておらず詳細は不明です。石棺の発見から時を経た平成3(1991)年、古墳の一部を発掘したところ円筒埴輪が出土し、その特徴から6世紀後半に築かれたものとみられています。
現在、実物の石棺は川島町指定文化財となり、川島中学校の駐車場の脇に古墳状の高まりをつくって保存されています。石棺はかつては蓋石がかけられており、中は覗けませんでしたが、現在は当館の複製と同じように蓋石ははずされ、側石に立てかけられています。石棺を設置する円墳状の高まりの横には、石棺についての説明板が建てられ石棺や出土した古墳の概要を知ることができます。
大塚古墳出土箱式石棺の現況① | 大塚古墳出土箱式石棺の現況② |
石材は上述したように、中世には板碑の素材として大量に使われる緑泥石片岩です。箱式石棺は弥生時代以来の板石を組み合わせた簡単なつくりのものです。板碑などをみてわかるように、長い板状の石を採りやすい緑泥石片岩は箱式石棺にうってつけの石材と思われますが、県内でも箱式石棺を収めた古墳はそう多くはありません。そのような中でも、行田市の小針鎧塚古墳などの大型の後期古墳には緑泥石片岩の石棺が用いられています。当館に展示中の石棺を出土した大塚古墳も市野川流域右岸では突出した有力者を埋葬した古墳の可能性があります。注目されるのは、遠く離れた千葉県金鈴塚古墳でも緑泥石片岩の箱式石棺が追葬に用いられており、大きさや構造などの点では川島町大塚古墳の石棺に近しい特徴があります。
金鈴塚古墳における緑泥石片岩製箱式石棺の使用は古墳時代の埼玉県地域と千葉県地域との交流を示すものとして注目されてきました。また、埼玉将軍山古墳では逆に千葉県の鋸山付近で採られた房州石と呼ばれる凝灰質砂岩が横穴式石室の石材として使われており、石材一つとってみても、ものの流れは一方向ではなく双方向的なものであることがわかりました。緑泥石片岩は荒川などの河川を用いて船で運ばれ、埼玉県地域への房州石の搬入も同様に船によってなされたと考えられます。
シンプルなつくりの石の棺ではありますが、埼玉県地域の古墳時代の地域間関係や資源の利用をよく示す資料と言えます。ぜひ、実物もご覧ください。
令和5年1月24日(火) KK
【#休館中のお仕事】撤収!!―資料を運び出すまで―
今日は、工事休館中に展示室で行われている資料保全のための撤収作業についてご紹介します!
休館中の資料保全のため、資料を収蔵庫などに一度戻して保管します。その間に展示ケースの照明工事なども行います。
普段は展示替えの時などをのぞいて動かすことのない資料ですが、展示室の持ち場から、それぞれの戻るべき場所に移動させるにはいくつかの手続きが必要です。
展示室ではキャプションという助っ人が常に傍らにいるために、資料の名前や出身地を忘れることはありません。しかし、一度持ち場から離れると、資料そのものが示さない多くの情報はわからなくなってしまうことがあります。
このため、資料の名前やもともとどこにあったものなのか(どこで出土したものなのか)、収蔵庫のもどるべき棚の位置などが記されたラベルを付け、資料が迷子にならないようにします。
資料にラベルを付けます。 | ラベルの付いた資料。 |
この作業は、資料を確実に整理、保存するためにとても重要な作業です。
ラベルが付いたことを確認したら、不安定な資料を固定しているテグスを資料を破損しないようにはずします。
資料を固定するテグスをはずします。
展示環境には気をつけていますが、外から入った砂ぼこりが資料についてしまうこともあります。資料に異常がないか確認しつつ、丁寧に資料の掃除をします。
やわらかい刷毛などで掃除をします。
資料の種類や状態によっては、館内の展示室から収蔵庫までへの移動の際も、綿布団や薄葉紙を用いて資料を梱包するものも多くあります。
薄葉紙 梱包の時に重宝します。 | 綿布団(左)、右は薄葉紙で包む前の綿 |
こうして、はじめて資料を搬出することができるのです。館内の移動とはいえ、資料を動かす際には細心の注意を払って搬出します。
歴史と民俗の博物館の全10室の展示室の展示資料数は千点をこえる膨大な数にのぼります。また、資料は数千年前の土器や石器から、数十年前まで使われていた農具や生活用具まで様々です。
それぞれの資料の特性に注意して丁寧に撤収を進めてまいります。
令和5年1月12日(木) KK
【#おうちミュージアム】おうちで博物館を楽しもう!
当館は12月5日から長期の休館に入り、工事の準備を進めながら慌ただしくも静かな年末となっています。
そのような中、ホームページでは休館中にも皆様に博物館の魅力をお届けできるよう、ブログやクイズのコーナーがスタート!
この度、「おうちミュージアム」のページに、年始に向けて活用していただけるデジタルコンテンツを新たに追加しましたので御紹介いたします。
【オリジナルカレンダー2023】
当館が所蔵する資料画像を使用したカレンダーです。来年は卯年ということで、1月は兎が描かれた引札の画像でお作りしました。日の出や竹のデザインも、年始にふさわしいおめでたい雰囲気があります。
2月以降も季節に合わせた資料を選定していきますので、お楽しみに!
【ポチ袋(お年玉袋)】
お正月に合わせ、当館オリジナルのポチ袋(お年玉袋)をペーパークラフトの形で公開しました。過去の展示に登場したキャラクターや干支にちなんだもの、好評を博した企画展「銘仙」の図柄を使用したものなど豊富に御用意しております。
御自宅でプリントしていただき、様々な場面でお役立てください!
【すごろく遊び】
例年であれば、新年は1月2日より開館し「博物館でお正月」として投扇興や羽子板など昔あそびの体験コーナーを設け賑やかに年始を迎えていました。昔ながらの季節行事を現代に伝えていくことも、歴史と民俗の博物館の大切な使命です。今回は、デジタルコンテンツとして当館が所蔵する江戸時代の「すごろく」を掲載いたしました。
ぜひ、御家族でお楽しみいただければと思います。
掲載中の国宝・短刀「謙信景光」のペーパークラフトをはじめ、今後も博物館に親しみを感じていただけるようなコンテンツを更新していく予定ですので御期待ください!!
令和4年12月28日(水) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)
【#休館中のお仕事】むかっしー先生、幼稚園に‘火’をお届け!
12月のはじめのこと。
とある幼稚園の副園長先生から次のような連絡がありました。
「5歳児クラスの子たちが縄文について調べている中で、どんぐりクッキーを自分たちで作ろうと挑戦している。
どうせなら火も自分たちで起こしてクッキーを焼こうということになり、火おこし器も作った。
しかし板が焦げるところまでできたが、火がつかない。そこで、博物館の人に聞いてみようとなった。
火を起こすところを見せていただけないだろうか?」
当館の火おこし体験教室のイベントや学校団体向けの火おこしプログラムがあると知り、プログラムの体験ができないかとダメ元で連絡をしたそうです。
副園長先生と、5歳児ながら縄文時代へ熱い思いを持った園児たちの気持ちにこたえるため、休館後の令和4年12月12日、幼稚園へ行くことになりました。
幼稚園に着くと子どもたちのキラキラとした目(´✪o✪`)のお出迎えがあり、元気なあいさつとともに火おこしプログラムスタート!
晴れ渡った寒空の下、半袖姿のむかっしーが元気に登場し、会場を盛り上げます。
学芸員が、火おこしの道具や仕組みを一通り説明したあと、園児たちもマイギリ式発火具を体験。始めは苦戦するも慣れてくるとどの子も上手に回転させ煙を出すことができました。
そして・・・・
園児たちが作ったどんぐりクッキーも焼くことができました!!
どんぐりクッキーが焼かれている様子を見たり、においをかいだりしている園児のかわいらしい反応をみて、こちらもほっこりとした時間になりました。
お声がけいただきました幼稚園様に感謝です!!
博物館が再開館したら、遊びにきてくださいね。
令和4年12月22日(木) むかっしー
今日から休館!~博物館改修工事に伴う休館のお知らせ~
本日より、埼玉県立歴史と民俗の博物館は施設改修工事のための休館に入ります。再開は来年、令和5年の秋頃。長丁場の休館となります。
当館はお客様や地域の皆様に支えられ、昨年でめでたく開館50周年を迎えることができました。しかし開館から51年目ともなると、修理を重ねて大事に使ってはきたものの、さすがに施設の様々な部分に老朽化の影響が出てまいります。今のところ万全に稼働している機械なども近年の技術の進歩を考えれば、至らない部分もあります。
貴重な資料を皆様にお見せするとともに、きちんと将来に守り伝えること。
お客様をお迎えする施設として、安全で快適な環境を維持すること。
ともすれば「箱モノ」と批判されがちな博物館でありますが、博物館の役割を十分に果たすためには、「箱」を万全の状態にしておくこともまた、大切なことなのです。
今回の改修工事では空調や消防設備は新しいものに切り替わり、資料にとってもお客様にとっても、より安全で快適な博物館になります。一部展示室の照明も最新のものになり、展示ももっと見やすくなります。
少し長いお休みではありますが、さらにパワーアップした『埼玉県立歴史と民俗の博物館』に皆様をお迎えできるよう、今しばらくお待ちいただけますよう、お願い申し上げます。
なお、このブログでは休館中のれきみんの情報や各種イベントや刊行物のお知らせ、休館中も楽しめる博物館の豆知識などを更新していきます。ブログとは別にクイズや動画コンテンツなども公開予定ですので、併せてお楽しみください。
令和4年12月5日(月) 大宮公園のネコ