工事休館中ブログ

 このページは令和4年12月5日(月)からの工事休館中において、埼玉県立歴史と民俗の博物館のスタッフが、休館中の博物館の様子や出張イベント、日々の業務から感じたことなどを皆様にお伝えしていくページです。
 各スタッフが自分の言葉で語りますので、ややつたない表現になることもあるかもしれませんが、大目に見ていただければ幸いです。

【#休館中のお仕事】昭和の原っぱ 手押しポンプの修理はじめました!

【#休館中のお仕事】昭和の原っぱ 手押しポンプの修理はじめました!

 

現在大規模改修工事が始まり、休館している当館ですが、時を同じくして始まったあるプロジェクトがあります。
それが、『手押しポンプの修理』です!

手押しポンプは「昭和の原っぱ」という昭和30~40年代の雰囲気を再現した無料の屋外スペースにあります。実際にお水を出すことができ、子どもから大人まで多くの方が利用しています。

 

そんなポンプですが昨年11月頃、水の出が悪かったので様子を見てみると、ポンプと木製の板との接合部から水漏れしていることが分かりました。さらに木製の蓋も古くなっていたため、これを機に修理を始めることにしました!

手押しポンプ
(上からポンプ、板、木製蓋)

 

まずは蓋とポンプを外してポンプのさび取りから。この作業がとても大変・・・。
数十年分のさびをやすりで根気強く落としていきます。
さびが落とせたらペンキで色を塗っていきます。

さび取りの様子

 

ってあれ?茶色くなってしまいました...。

 

でもご安心ください。これは間違えたのでも心機一転で色を変えたのでもなく、さび止めを塗ったためです。
このさび止めを塗った後、緑色のペンキを塗っていきます。すると・・・

なんということでしょう。きれいな緑色になりました!

 

完成まであと少し!次回は完成編の様子をお伝えします。お楽しみに!

 

令和5年2月7日(火) ポンプさん

【もうすぐ節分】 1月25日(水) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)

【もうすぐ節分】 1月25日(水) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)

 

 休館中にも皆様に当館の収蔵資料に親しんでもらいたいという趣旨から始まった、当館のオリジナルカレンダー。本日、2月分を更新しましたのでお知らせいたします。

 2月は、節分にちなんで鬼童丸という鬼が描かれた錦絵です。武者絵と十二支の動物を組み合わせた「武勇見立十二支」シリーズの「丑」にあたります。源頼光に恨みを持つ鬼童丸が牛を殺してその皮を被り、草むらに身を潜ませ待ち伏せしたという説話が元となっています。

 

 また、節分イベントでお使いいただける「鬼の面」についてもデジタルコンテンツとして公開しました。ぜひ御自宅のプリンター等で印刷し、豆撒きの際に御活用ください。

 

【デジタルコンテンツを楽しもう】ページへ

 

令和5年1月25日(水) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)

【#探訪!資料の故郷】箱式石棺が語る埼玉の古墳時代

【#探訪!資料の故郷】箱式石棺が語る埼玉の古墳時代

 

 第2展示室に入ると目につく、石を組み合わせてつくった大きな箱。お気づきの方も多いかと思いますが、これは古墳時代に用いられた石の棺、箱式石棺なんです。展示室にあるものは複製品ですが、実物と同じように埼玉県の長瀞地域を中心に採れる緑泥石片岩を用いています。設置してから今日にいたるまで動かしたことがないので、その重さは正確にはわかりませんが、展示室でも重量級の資料の一つです。

当館常設展示中の川島町大塚古墳出土の箱式石棺複製

 

 先日、近くを通りかかった際にこの石棺の実物を訪れる機会がありましたので、石棺の現状と特徴についてご紹介します。

 この石棺は川島町の大塚古墳から、江戸時代の文化年間(1804~1817)に掘り出されたもので、当時は棺の中から刀剣や鏃なども出土したそうです。出土品は地元の陣屋へ届けられたようですが、現在は伝わっておらず詳細は不明です。石棺の発見から時を経た平成3(1991)年、古墳の一部を発掘したところ円筒埴輪が出土し、その特徴から6世紀後半に築かれたものとみられています。

 現在、実物の石棺は川島町指定文化財となり、川島中学校の駐車場の脇に古墳状の高まりをつくって保存されています。石棺はかつては蓋石がかけられており、中は覗けませんでしたが、現在は当館の複製と同じように蓋石ははずされ、側石に立てかけられています。石棺を設置する円墳状の高まりの横には、石棺についての説明板が建てられ石棺や出土した古墳の概要を知ることができます。

 
大塚古墳出土箱式石棺の現況①   大塚古墳出土箱式石棺の現況②

 

 石材は上述したように、中世には板碑の素材として大量に使われる緑泥石片岩です。箱式石棺は弥生時代以来の板石を組み合わせた簡単なつくりのものです。板碑などをみてわかるように、長い板状の石を採りやすい緑泥石片岩は箱式石棺にうってつけの石材と思われますが、県内でも箱式石棺を収めた古墳はそう多くはありません。そのような中でも、行田市の小針鎧塚古墳などの大型の後期古墳には緑泥石片岩の石棺が用いられています。当館に展示中の石棺を出土した大塚古墳も市野川流域右岸では突出した有力者を埋葬した古墳の可能性があります。注目されるのは、遠く離れた千葉県金鈴塚古墳でも緑泥石片岩の箱式石棺が追葬に用いられており、大きさや構造などの点では川島町大塚古墳の石棺に近しい特徴があります。

 金鈴塚古墳における緑泥石片岩製箱式石棺の使用は古墳時代の埼玉県地域と千葉県地域との交流を示すものとして注目されてきました。また、埼玉将軍山古墳では逆に千葉県の鋸山付近で採られた房州石と呼ばれる凝灰質砂岩が横穴式石室の石材として使われており、石材一つとってみても、ものの流れは一方向ではなく双方向的なものであることがわかりました。緑泥石片岩は荒川などの河川を用いて船で運ばれ、埼玉県地域への房州石の搬入も同様に船によってなされたと考えられます。

 シンプルなつくりの石の棺ではありますが、埼玉県地域の古墳時代の地域間関係や資源の利用をよく示す資料と言えます。ぜひ、実物もご覧ください。

 

令和5年1月24日(火) KK

【#休館中のお仕事】撤収!!―資料を運び出すまで―

【#休館中のお仕事】撤収!!―資料を運び出すまで―

 

今日は、工事休館中に展示室で行われている資料保全のための撤収作業についてご紹介します!

休館中の資料保全のため、資料を収蔵庫などに一度戻して保管します。その間に展示ケースの照明工事なども行います。
普段は展示替えの時などをのぞいて動かすことのない資料ですが、展示室の持ち場から、それぞれの戻るべき場所に移動させるにはいくつかの手続きが必要です。

展示室ではキャプションという助っ人が常に傍らにいるために、資料の名前や出身地を忘れることはありません。しかし、一度持ち場から離れると、資料そのものが示さない多くの情報はわからなくなってしまうことがあります。
このため、資料の名前やもともとどこにあったものなのか(どこで出土したものなのか)、収蔵庫のもどるべき棚の位置などが記されたラベルを付け、資料が迷子にならないようにします。

 
資料にラベルを付けます。   ラベルの付いた資料。


この作業は、資料を確実に整理、保存するためにとても重要な作業です。

 

ラベルが付いたことを確認したら、不安定な資料を固定しているテグスを資料を破損しないようにはずします。

資料を固定するテグスをはずします。

 

展示環境には気をつけていますが、外から入った砂ぼこりが資料についてしまうこともあります。資料に異常がないか確認しつつ、丁寧に資料の掃除をします。

やわらかい刷毛などで掃除をします。


資料の種類や状態によっては、館内の展示室から収蔵庫までへの移動の際も、綿布団や薄葉紙を用いて資料を梱包するものも多くあります。

 
薄葉紙 梱包の時に重宝します。   綿布団(左)、右は薄葉紙で包む前の綿

 

こうして、はじめて資料を搬出することができるのです。館内の移動とはいえ、資料を動かす際には細心の注意を払って搬出します。

歴史と民俗の博物館の全10室の展示室の展示資料数は千点をこえる膨大な数にのぼります。また、資料は数千年前の土器や石器から、数十年前まで使われていた農具や生活用具まで様々です。
それぞれの資料の特性に注意して丁寧に撤収を進めてまいります。

 

令和5年1月12日(木) KK

【おうちで博物館を楽しもう!】12月28日(水) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)

【おうちで博物館を楽しもう!】12月28日(水) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)

 

 当館は12月5日から長期の休館に入り、工事の準備を進めながら慌ただしくも静かな年末となっています。

 そのような中、ホームページでは休館中にも皆様に博物館の魅力をお届けできるよう、ブログやクイズのコーナーがスタート!
 この度、「おうちミュージアム」のページに、年始に向けて活用していただけるデジタルコンテンツを新たに追加しましたので御紹介いたします。

 

【オリジナルカレンダー2023】
 当館が所蔵する資料画像を使用したカレンダーです。来年は卯年ということで、1月は兎が描かれた引札の画像でお作りしました。日の出や竹のデザインも、年始にふさわしいおめでたい雰囲気があります。
 2月以降も季節に合わせた資料を選定していきますので、お楽しみに!

 

【ポチ袋(お年玉袋)】
 お正月に合わせ、当館オリジナルのポチ袋(お年玉袋)をペーパークラフトの形で公開しました。過去の展示に登場したキャラクターや干支にちなんだもの、好評を博した企画展「銘仙」の図柄を使用したものなど豊富に御用意しております。
 御自宅でプリントしていただき、様々な場面でお役立てください!

 

【すごろく遊び】
 例年であれば、新年は1月2日より開館し「博物館でお正月」として投扇興や羽子板など昔あそびの体験コーナーを設け賑やかに年始を迎えていました。昔ながらの季節行事を現代に伝えていくことも、歴史と民俗の博物館の大切な使命です。今回は、デジタルコンテンツとして当館が所蔵する江戸時代の「すごろく」を掲載いたしました。
 ぜひ、御家族でお楽しみいただければと思います。

 

 

 掲載中の国宝・短刀「謙信景光」のペーパークラフトをはじめ、今後も博物館に親しみを感じていただけるようなコンテンツを更新していく予定ですので御期待ください!!

「デジタルコンテンツを楽しもう」ページへ

 

令和4年12月28日(水) れきみん埼玉グッズ開発室(仮)

【#休館中のお仕事】むかっしー先生、幼稚園に‘火’をお届け!

【#休館中のお仕事】むかっしー先生、幼稚園に‘火’をお届け!

 

12月のはじめのこと。
とある幼稚園の副園長先生から次のような連絡がありました。

「5歳児クラスの子たちが縄文について調べている中で、どんぐりクッキーを自分たちで作ろうと挑戦している。
どうせなら火も自分たちで起こしてクッキーを焼こうということになり、火おこし器も作った。
しかし板が焦げるところまでできたが、火がつかない。そこで、博物館の人に聞いてみようとなった。
火を起こすところを見せていただけないだろうか?」

 

当館の火おこし体験教室のイベントや学校団体向けの火おこしプログラムがあると知り、プログラムの体験ができないかとダメ元で連絡をしたそうです。

副園長先生と、5歳児ながら縄文時代へ熱い思いを持った園児たちの気持ちにこたえるため、休館後の令和4年12月12日、幼稚園へ行くことになりました。


幼稚園に着くと子どもたちのキラキラとした目(´✪o✪`)のお出迎えがあり、元気なあいさつとともに火おこしプログラムスタート!

 

 

晴れ渡った寒空の下、半袖姿のむかっしーが元気に登場し、会場を盛り上げます。
学芸員が、火おこしの道具や仕組みを一通り説明したあと、園児たちもマイギリ式発火具を体験。始めは苦戦するも慣れてくるとどの子も上手に回転させ煙を出すことができました。


そして・・・・

   

 

園児たちが作ったどんぐりクッキーも焼くことができました!!

どんぐりクッキーが焼かれている様子を見たり、においをかいだりしている園児のかわいらしい反応をみて、こちらもほっこりとした時間になりました。

 

お声がけいただきました幼稚園様に感謝です!!
博物館が再開館したら、遊びにきてくださいね。

 

令和4年12月22日(木) むかっしー

今日から休館!~博物館改修工事に伴う休館のお知らせ~

今日から休館!~博物館改修工事に伴う休館のお知らせ~

 

 本日より、埼玉県立歴史と民俗の博物館は施設改修工事のための休館に入ります。再開は来年、令和5年の秋頃。長丁場の休館となります。

 当館はお客様や地域の皆様に支えられ、昨年でめでたく開館50周年を迎えることができました。しかし開館から51年目ともなると、修理を重ねて大事に使ってはきたものの、さすがに施設の様々な部分に老朽化の影響が出てまいります。今のところ万全に稼働している機械なども近年の技術の進歩を考えれば、至らない部分もあります。

 貴重な資料を皆様にお見せするとともに、きちんと将来に守り伝えること。

 お客様をお迎えする施設として、安全で快適な環境を維持すること。

 ともすれば「箱モノ」と批判されがちな博物館でありますが、博物館の役割を十分に果たすためには、「箱」を万全の状態にしておくこともまた、大切なことなのです。

 今回の改修工事では空調や消防設備は新しいものに切り替わり、資料にとってもお客様にとっても、より安全で快適な博物館になります。一部展示室の照明も最新のものになり、展示ももっと見やすくなります。

 少し長いお休みではありますが、さらにパワーアップした『埼玉県立歴史と民俗の博物館』に皆様をお迎えできるよう、今しばらくお待ちいただけますよう、お願い申し上げます。
 なお、このブログでは休館中のれきみんの情報や各種イベントや刊行物のお知らせ、休館中も楽しめる博物館の豆知識などを更新していきます。ブログとは別にクイズや動画コンテンツなども公開予定ですので、併せてお楽しみください。

 

 

令和4年12月5日(月) 大宮公園のネコ